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公開日時 2020.02.19
最終更新日時 2022.04.06

堤防工事に関わる施工管理技士がおさらいすべき堤防の種類:干拓堤防

堤防工事に携わる施工管理技士には様々な知識が求められます。
今回は、そのうちの一つ「干拓堤防」を紹介します。
干拓堤防の特徴や干拓を行う際にどのような役目を担うのかを解説するので、これを機に干拓堤防に関する理解を深めましょう。

干拓堤防とは


「干拓堤防」は、水を防ぐために築かれる堤防の一種で、「潮受け堤防」とも呼ばれています。
「河川堤防」や「水路堤防」、「海岸堤防」といった他の種類の堤防とどのような違いがあるのか、まずは干拓堤防の特徴から確認していきましょう。

干拓堤防が他の堤防と大きく異なるのは、陸地を人の手で作り出すために築かれる堤防だという点です。
干拓堤防が築かれるのは、基本的に海や湖といった水で覆われた場所になります。
そして堤防で囲われた水域から水を排出することで、新たに陸地を生み出します。

そのため干拓堤防には、次のような性質を備えています。

  • 堤防が水域を囲むように作られるため頑強な構造で建設される
  • 干拓堤防で囲んだ水域から排水するために、多数の水門が設置される

ちなみに日本で実際に行われた干拓堤防を用いた干拓事業の代表的なものとしては、「諫早湾干拓事業」があります。
有明海で行われた諫早湾干拓事業では、建設された干拓堤防が全長7kmにも及び、現在では堤防道路などとしても活用されています。

干拓堤防の役目


続いて、「干拓堤防」が担う役目には次のようなものがあります。

まず干拓に際しては、陸地にする予定の範囲を水域内で仕切る役目を担います。
そして、干拓堤防に設置された水門を用いて、堤防で囲われた範囲の水を強制的に排出します。
このとき、排水には潮の満ち引きや動力を使用することで現れた海底部分が陸地となります。

また干拓の完了後は、干拓堤防は防災上の機能を担うことになります。
干拓地やその内陸部を台風や高潮などから守る役割を持つようになるのです。
そのため干拓堤防には、潮位や災害時に予測される波の高さなどを考慮し、堅牢であること、安全性の高い施設であることが求められます。

干拓堤防は干拓事業と防災の要

今回は、「干拓堤防」の特徴やその役目などを解説しました。
地形を変えてしまう干拓という大事業のときのみ建設される特殊な堤防ですが、今後その建設工事に携わる可能性もあるかもしれません。
施工管理技士として、干拓堤防に関する正しい知識を身につけておくようにしましょう。

※出典:九州農政局「諫早湾干拓事業の概要」

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