国が普及に力!先導的中大規模木造建築物ってなに?
先導的中大規模木造建築物について、いったいどのような建築物なのかをご紹介します。
建設事例では、建物の特徴や構造、採用された木材についても言及。
今後、日本全国で建設の増加が予想される中大規模木造建築の現状に迫ります。
一般の商業ビルにも採用されつつある
政府、国土交通省が推し進める先導的中大規模木造建築物は、構造、防火、生産システムの面で最新の技術を用いて建設される木造建築物です。
今までの木造建築のデメリットであった「耐火性に問題がある」「地震に弱い」「長い年月に対しての耐久性に疑問」という点を最新の技術によって補い、中大規模な木造建築の建設が日本各地で広がっています。
また、多くの中大規模木造建築物が建設されることによって、衰退しつつある林業を支えていけるという効果も期待されています。
林野庁では、木造建築物の構造設計ノウハウのある設計者の育成にも力を入れており、今後ますます中大規模木造建築物が増えることが見込まれています。
当初は、自治体施設や学校、保育園、体育館などが主でしたが、近年では、一般の企業ビルや共同住宅にも採用されています。
日本全国に広がる先導的中大規模木造建築物
・東和ハイシステム株式会社社員寮(岡山県岡山市)
この社員寮は1時間の耐火性能を持つ、3階建ての共同住宅です。
建設材にはひき板を並べた後、繊維方向を交差させた木質系材料であるCLTを採用。
また、備え付け家具にもCLTを使い、万全の耐火性を実現しています。
・エム・グループ本社ビル(長野県長野市)
枠組壁工法によって建設された4階建てのビルで、1階部には耐荷重性の高い耐力壁を使用し、2~4階には、ツーバイフォー材や面材を使用しています。
また、金物のゆるみを防止するアンカータイダウンシステムを採用し、高い構造耐力を構築しています。
・国分寺フレーバーライフ社本社ビル(東京都国分寺市)
国分寺駅前に建設された7階建ての木質ハイブリッド造ビルです。
1~3階には木質外装材、木質外装材ルーバー材を採用し、4階以上は木質ハイブリッド耐火部材を採用しています。
土地の狭い都市型の中大規模木造建築物のモデルケースとして、今後も同様の建築物が増加することが期待されます。
国内だけでなく海外からも注目される中大規模木造建築物
国土交通省や林野庁が推し進める先導的中大規模木造建築物は、サステナブル建築物(持続性可能)として様々な建設会社で建築されています。
今までは木造建築といえば、一般の低層住宅が主流でしたが、今後は一般のビルから自治体の施設など大規模な建設物も増えることが予想されます。
さらに建設される場所も地方だけでなく、東京などの土地が狭い場所にも建設されることでしょう。
最新の木造建築技術を用いており、国内だけでなく海外の建築関係者からも注目されています。
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編集部
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