施工管理者が知っておくべきコンクリートの種類:高流動コンクリート
一般的なコンクリートよりも高い流動性があるのが、高流動コンクリートです。流動性の高さから、コンクリートを蜜実に充填する難しい場面でも活用ができます。本記事では、高流動コンクリートの種類や用途を解説します。ぜひ、参考にしてください。
高流動コンクリートとは
高流動コンクリートは、通常のコンクリートよりも使う水の量を少なくしているため、高い流動性のあるコンクリートです。部材形状が複雑だったり部材断面が小さかったりしても、それらに対応できる特徴があります。また、以下の3種類があります。
高流動コンクリートの種類と特徴一覧
・粉体系高流動コンクリート
増粘材を使わず粉体量を増やして高い粘り気のあるコンクリートです。粉体には、高ビーライト系ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメントなどを使います。
・増粘剤系高流動コンクリート
増粘材を使って、高粘性のあるコンクリートになります。
・併用系高流動コンクリート
粉体量を増やすことで高粘性があり、さらに増粘剤で品質変動を少なくしたコンクリートです。
高流動コンクリートには、以上の3種類があります。それぞれの特長を活かして、様々な用途で使われるコンクリートです。
高流動コンクリートの用途
高流動コンクリートには、数多くの用途があります。特殊な材料を使わず汎用性に優れることや振動、締め付けなしで型枠に充填できるのが大きな特徴です。もともと、バイブレーター(振動機)が使えない現場が増えたことから、その問題を解決するために開発されたのが高流動コンクリートになります。
過密な鉄筋、複雑な形状でもコンクリートを十分に充填できるので、非常に重宝されています。作業工程の省略や材料を少なくできるため、総合的な経済性も高いです。バイブレーターを使わないことで騒音を気にすることもありません。
一方で通常のコンクリートに比べて型枠に関わる側圧やコンクリートポンプによる圧送時の抵抗は大きくなります。
なお、高流動コンクリートの使用用途には以下があります。
・一般建築物(マンション、アパート、オフィスビル、倉庫など)
・公共構造物(高速道路、擁壁、地中連続壁など)
・超高層ビル
・シールドトンネルなどの二次覆工
・構造物の補修、補強
など
以上のように、高流動コンクリートは多岐に亘る構造物に用いることが可能です。
高流動コンクリートは総合的な性能が高い
高流動コンクリートは、通常のコンクリートの問題点を改善して様々な特徴を持つ種類です。高い性能が期待できるため、使用用途も幅広くなっています。現場でのしよう場面も増えるのではないでしょうか。
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編集部
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