MENU

産廃処理問題は富士山にどのような影響をもたらしたのか

標高約3776メートル、日本を象徴する最高峰の美しい山「富士山」は、シーズンになると国内外から多くの登山客が訪れます。
しかし実際の富士山は、遠くから見られる美しい光景の裏で登山客によるごみや山麓での産業廃棄物の散乱が見られ、世界文化遺産認定が遅れる事態にもつながりました。
そのため富士山の環境保護や産業廃棄物処理問題に関する意識の向上が重要な課題となりました。
今回は、産廃処理問題が富士山に与えた影響を見ていきましょう。

世界遺産認定が遅れた富士山の環境問題

かつて富士山の五合目から頂上までは、登山客によるごみやトイレからの汚物、使用済みのトイレットペーパーがそのまま残され、山頂の浅間神社の湧き水でさえ汚染されていました。
また五合目以下の山麓の道路沿いや樹海には、不法投棄された大量のごみや産業廃棄物も多く見られ、なかには有害な物質による汚染もありました。

このような状況を打開するために、富士山の環境を守るボランティア団体の富士山クラブが設立されました。
企業や一般のボランティアでは、県産業廃棄物協会と協力して不法投棄物の撤去活動を行うなど、定期的な富士山の清掃活動が進められました。

また富士登山客のために、環境に配慮したトイレの整備なども行われました。
登山客も環境を守るという意識が高まってきたため、富士山のごみや産業廃棄物は大幅に減り、2013年の世界文化遺産への登録決定となりました。

産業廃棄物の不法投棄を防ぐために

高度経済成長期の日本では、産業廃棄物が人体に与える影響についての認識が未だ低い状況でした。
有害物質が河川や土壌を汚染したため、数々の公害が発生し大きな社会問題となりました。

現在、「産業廃棄物処理法」で事業所から出された指定の廃棄物については、保管や運搬、処理方法が細かく定められています。
しかし産業廃棄物の不法投棄は人目につきにくい夜間や早朝に行うなど、手口の巧妙化や悪質化について報告されており、さまざまな対策がとられています。
知らずに廃棄して違反することのないよう、産業廃棄物についてきちんと知識を得て理解しておくことが必要です。

また、建設工事で発生する建設廃棄物の再資源化も法整備されて取り組まれています。
産業廃棄物を減らして環境保護に貢献するのも、建設業に携わるプロフェッショナルとして大切な姿勢といえるでしょう。

環境を守るためにできること

富士山麓のごみや産業廃棄物の不法投棄については減少傾向にある一方、ごみは今も絶えることはありません。
富士山の世界文化遺産への登録は、日本国民が環境保護についての意識やモラルを問われる大きなきっかけになったともいえます。
そして次世代に美しい環境を引き継いでいくための活動は、今も多くの人々の努力で続けられています。