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公開日時 2020.02.13
最終更新日時 2022.04.06

建設業法令遵守ガイドラインにおいて注意すべき事項:指値発注

今回は、「建設業法令遵守ガイドライン」に記されている「指値発注」について解説します。
施工管理者には、契約に関するルールや違反行為の事例に関する知識が求められることもあります。
この記事を参考に、「指値発注」についての理解を深めましょう。

指値発注とは


建設業界では、工事を発注する元請けに対して下請け業者の立場が低くなりがちです。
そのため、元請け側が下請け工事の請負代金を一方的に提示して請け負わせるようなことにもなりかねません。
こうした請負代金を一方的に決める発注を「指値発注」といい、これは建設業法第18条によって禁止されています。

「指値発注」の項目における要確認ポイント


まずは、ガイドライン中で違反行為ないしは違反となるおそれのある行為として紹介されている事例を確認していきましょう。

【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】

    1. 元請負人が自らの予算額のみを基準として、下請負人との協議を行うことなく、一方的に提供、又は貸与した安全衛生保護具等に係る費用、下請代金の額を決定し、その額で下請契約を締結した場合
    2. 元請負人が合理的根拠がないのにもかかわらず、下請負人による見積額を著しく下回る額で下請代金の額を一方的に決定し、その額で下請契約を締結した場合
    3. 元請負人が下請負人に対して、複数の下請負人から提出された見積金額のうち最も低い額を一方的に下請代金の額として決定し、その額で下請契約を締結した場合
    4. 元請負人が、下請負人から提出された見積書に記載されている労務費や法定福利費等の内容を検討することなく、一方的に一律○%を差し引きするなど、一定の割合を差し引いた額で下請契約を締結した場合

【建設業法上違反となる行為事例】

  1. 元請下請間で請負代金の額に関する合意が得られていない段階で、下請負人に工事を着手させ、工事の施工途中又は工事終了後に元請負人が下請負人との協議に応じることなく下請代金の額を一方的に決定し、その額で下請契約を締結した場合
  2. 元請負人が、下請負人が見積りを行うための期間を設けることなく、自らの予算額を下請負人に提示し、下請契約締結の判断をその場で行わせ、その額で下請契約を締結した場合

引用:国土交通省「建設業法令遵守ガイドライン」(https://www.mlit.go.jp/common/001179283.pdf)

このように元請け側の都合で決まった予算により請負金額を決めたり、下請け業者の出した見積金額を大きく下回る金額で契約を結んだりすると建設業法違反となる可能性があります。
これは、「指値発注」自体を元請け業者が元請けの立場を不当に利用していると考えられているからです。
仮に元請けが下請け業者に金額を提示する場合も、どうしてその金額が算出されたのか根拠を示し、下請け業者と協議しなくてはいけません。

元請けの立場を利用した「指値発注」は厳禁

下請け業者に工事を依頼する際に、「この金額でお願いします」と一方的に金額を提示するのは、「指値発注」といって建設業法に違反する可能性があります。
施工管理者としても、下請け工事の請負金額を元請けが一方的に提示してはいけないこと、下請け業者との協議が必要なことは覚えておきましょう。

※出典:国土交通省土地・建設産業局建設業課「建設業法令遵守ガイドライン

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