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「現場管理」と「施工技能」
公開日時 2022.01.31
最終更新日時 2022.04.01

【施工管理の採用担当者監修】ゼネコンの施工管理について解説|仕事内容やメリット・デメリットも紹介

施工管理はどのような仕事なのか


施工管理の仕事は、工事現場の司令塔といった役割の仕事です。

大規模な建築現場では多くの職人や作業員の方々が働いています。多くの人々とコミュニケーションをとりながら、工程や予算を管理、工期に間に合うように指示を出します。また、事故が起こらないように安全を管理することも、施工管理の大切な仕事です。

施工管理職に就くためには

施工管理の仕事は未経験でもスタートできます。最初は施工管理の先輩のサポート業務をしながら現場の流れや資材、工法の知識、職人の方々への指示の出し方を学びます。

専門分野にもよりますが、施工現場の工期が長いこともあり、未経験からでも時間をかけて成長できます。

女性が務める場合の施工管理職について

国土交通省の調査によると、令和元年の建設業の従業員数は約17万4千人、そのうち女性は約2万人で約11.8%です。

さらに施工管理職を含む技術職に限ると、約11万8千人に対して女性は約6千人とかなり少数です。

しかしながら、施工管理の業務である工程管理、原価管理、品質管理、安全管理といった業務は複数の担当者で担当するため、女性の担当者も一緒に活躍できるというものです。

出典:令和元年 建設業活動実態調査の結果|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/common/001365140.pdf

ゼネコンについての5つのポイント


施工管理の仕事をするには、様々な建設会社がありますが、その中でも規模が大きいものがゼネコンです。ゼネコンとは総合建設業者のことを指し、オフィスビルからトンネルやダムといったものまで、幅広く活躍しています。

もっとも、自社で全てを請け負うわけではなく、元請業者として管理をし、実際の施工は建築の実務を担当する下請業者が行います。ゼネコンについて、詳細に見ていきましょう。

1:ゼネコンとデベロッパーとの違いについて

ゼネコンは総合建設業者で、特に規模が大きい会社はスーパーゼネコンと呼ばれています。一方で、デベロッパーは開発事業をする会社のことを指します。

建設用地を確保し、マンションなどの企画するのがデベロッパーであり、その建設を請け負うのがゼネコンです。この2つはパートナーの関係にあるといえるでしょう。

2:ゼネコンの仕事内容は

ゼネコンの仕事には営業、設計、設備、研究開発、施工管理といったものがあります。営業は発注するお客様との窓口となります。設計は建物の設計を行うため、建築士の資格が必要です。

また、設備は電気や配管、エレベーターなどの建物の設備の配置を考え、工事の現場で確認します。研究開発はゼネコン各社独自の工法や材料を開発します。そして施工管理は建設現場で実際の工事の管理を行います。

3:デベロッパーの仕事内容は

デベロッパーの仕事には事業用地取得、事業企画、営業の3つがあります。事業用地の取得では土地についての情報を収集し、用地取得のための交渉をします。

事業企画は、取得した土地に合わせたプロジェクトを立て、デザイナーなどの専門家とともに設計図を造るというものです。実際の建築はゼネコンに依頼します。そして営業が物件に対するテナントを誘致します。

4:ゼネコンもデベロッパーも欠かせない

ゼネコンは建設を請け負う施工業者で、デベロッパーは不動産を元に企画する開発業者です。デベロッパーが街の再開発やリゾート開発、商業ビルの開発や宅地開発などを企画します。

ゼネコンはその工事を担当し、実際の街づくりやビルを建設します。ゼネコンとデベロッパーはパートナーとして、欠かせない存在です。

5:ゼネコンの年収の相場について

ゼネコンの平均年収ですが、企業規模がかなり大きいスーパーゼネコンと大手、中堅、地元ゼネコンでは異なります。

スーパーゼネコンでは800万円から900万円程度ですが、大手はそれよりも100万円程度低く、さらに地元ゼネコンでは400万円から600万円程度が相場といわれています。

ゼネコンの利点と欠点


ゼネコンは建設業であるため、景気などに大きく左右されます。2011年の東日本大震災以降は震災復旧、復興の工事があり、好調が続くとともに、オリンピックの関連工事でも増収が続いていました。

その後、新型コロナの影響により、工事の中断や延期があり減収の状況です。ここからはゼネコンでの仕事の利点と欠点を見てみましょう。

利点

ゼネコンの利点としては、日本全国で様々な建物が建てられているため、仕事には困らないというところです。

また、世代交代により高齢者の引退が見込まれるため、施工管理技士などの資格を取っておけば将来的にも仕事が継続できると考えられます。建築した建物は長く存在するため、自分の作品が世に残るということも喜びに感じられます。

欠点

ゼネコンの欠点は、季節によって忙しさが異なるところです。特に年度末は激務が続きます。また納期は厳守のため、忙しいときは残業も多く、休日も休みなく働くことがあります。現場の仕事の進行は天候によって左右されるため、忙しさにばらつきがあります。

また、現場の職人の方々との人付き合いがあり、コミュニケーションが苦手な人には不向きな場合もあります。

ゼネコンの施工管理職の仕事や待遇について6つ


ゼネコンの施工管理は、工事現場全体を統括します。元請業者の施工管理としての4つの業務である、工程管理、原価管理、品質管理、安全管理を行います。

工程管理では、納期に間に合うように下請業者に作業を割り振ります。原価管理では、予算に収まるように人件費等を計算します。品質管理は工程ごとに仕様書に合った施工ができているかを管理し、安全管理では下請業者が安全に作業できる環境づくりをします。

1:施工管理職の休みについて

施工の現場では、納期に間に合うようにスケジュールが組まれているものの、天候や資材の遅延などのトラブルで、休みを返上して働くということがあります。

そこで一般社団法人日本建設業連合会では、建設現場における週休2日を実現するための「週休二日実現行動計画」を2017年12月22日に策定しました。これで2021年末までに4週8閉所を目指しています。

出典:日建連の取組み|一般社団法人日本建設業連合会
参照:https://www.nikkenren.com/2days/action.html

2:施工管理職の1日のスケジュールイメージ

ゼネコン系の施工管理職では、次のような1日を過ごしています。まず朝8時、現場で朝礼をします。朝礼では当日の仕事の内容や安全配慮について確認します。

8時半から夕方17時までが現場での見回りです。途中12時から1時間の昼休みがあります。そして17時以降に施工管理の書類作成、18時に帰宅というイメージです。

3:ゼネコンの施工管理のプラス要素とマイナス要素

ゼネコンの施工管理では、大規模な仕事に関わることができ、1つ1つの建物がそれぞれ特徴的です。さらに最先端の建築技術に触れられて、技術の進化を感じられるという点がプラス要素です。

一方で、全国的な規模の仕事であるため出張や転勤が多く、建築中は単身赴任となる可能性があるなど、家族と過ごす時間が短くなる点がマイナス要素です。

4:建設業界でゼネコンが関わる範囲や役割

ゼネコンは総合建設業者の意味で、土木一式工事や建築一式工事を請け負う業者を指します。一式工事は複数の下請業者により施工される大規模工事を、元請業者として企画などを行うことを表します。

連結売上が1兆円越えのスーパーゼネコンの他、それに次ぐ準大手ゼネコンや中堅ゼネコンがあります。建設業界には他にゼネコンから工事を下請するサブコンといった専門工事業者があります。

5:ゼネコンでの施工管理の仕事内容

ゼネコンの施工管理では、工事の元請業者として下請業者が安心して働けるように調整するための、全体的な統括の仕事です。

ゼネコンが関わるのは、企業文化が異なる様々な会社の集合体です。いくつもの会社を調整し、工期が遅れないように人員や重機を手配するなど、様々な業務をします。

6:ゼネコンの施工管理職の年収

ゼネコンの施工管理職の年収は、企業規模により異なりますが、スーパーゼネコンや大手ゼネコンの場合、700万円から850万円程度といわれています。資格があれば、1000万円越えということもあります。

中堅ゼネコンでは650万円から750万円程度、小規模ゼネコンでは600万円から700万円程度と、ゼネコン全体の平均程度の年収である場合が多いです。

ゼネコンの施工管理職は転職しやすい


ゼネコンの施工管理職は、施工管理の知識や現場の知識を活かした転職ができます。ゼネコンへ仕事を発注する側のデベロッパーや、ゼネコンの中での異動となるゼネコンの営業といった仕事が考えられます。

また、施工管理の知識を活かす中で、資材調達する先の建築資材の営業職に転職するという方法もあります。

ゼネコンの施工管理職に就くための学歴とは


超大手のスーパーゼネコンへ勤めるためには有名大学を卒業しているといった条件がある場合が多いですが、それ以外の大手ゼネコンであれば、大学や専門学校の建設系学科を卒業していれば就職できます。

さらに中堅ゼネコンであれば、学歴に自信がない方にも入るチャンスがあるため、そこに入ってスキルアップを図る方法があります。

ゼネコンの施工管理は未経験でも働けるのか


どんな人でも、最初は未経験からスタートするわけですが、施工管理は現場で複数人配置されることが一般的です。そのため、現場の所長のサポートとして施工管理職が働いているというイメージです。

施工管理の国家資格である施工管理技士の2級は、建築系の学科を卒業していれば1年の現場経験で受験条件を満たしますが、文系など指定学科でなければ1年半以上の現場経験が必要です。新卒でも現場で働きながら資格の取得を目指せる仕事です。

出典:技術検定試験について|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk1_000055.html

ゼネコン以外の施工管理の仕事について


ゼネコン以外にも、ハウスメーカーなどでも施工管理の仕事はあります。

ゼネコンの施工管理の場合は、1つのプロジェクトをまとめるといった工事全体の統括としての働きが多いですが、ハウスメーカーでは、たくさんの物件を同時に建てることとなり、複数の現場をかけもちすることが多いです。従って、担当する現場の数が大きく異なります。

ゼネコン以外の施工管理職の長所と短所


地域の道路工事を主な業務とする工務店や、多くの住宅を建設するハウスメーカーにも、工事の規模に関わらず現場の施工管理は必要です。

ゼネコンと異なるのは、下請に出さずに完結する仕事が多く施工管理も1人で行うという点で、発注者と近い距離で仕事ができるというのが長所です。

一方で、施工管理技術者の資格を持っている人が少なく、専任技術者として届出をしている人が施工管理をすべて担当する、複数の現場を担当するといった点が短所です。

ゼネコンの施工管理について理解を深めよう


ゼネコンの施工管理の仕事は建設会社に入社すれば担当できる仕事です。ハウスメーカーや地域の工務店の施工管理とは異なり、先輩とともに施工管理を担当し、業務を学べます。

現場の経験を重ねながら、施工管理技士の資格を取得すれば、給与アップにもつながります。未経験からキャリアアップが狙える施工管理の仕事について、ぜひ理解を深めてみましょう。

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