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はい作業
公開日時 2022.01.28
最終更新日時 2022.04.01

【施工管理の採用担当者監修】施工管理の求人数が多い理由とは?|主な業務内容や魅力を詳しく紹介

施工管理とは


施工管理は、工事現場で工事に関わる全てのことに関わります。工事現場の施工の進行や予算管理、安全管理のみならず、役所への手続きや書類作成なども業務に含まれます。

施工管理と混同しやすい現場監督の仕事では、作業員の管理や指示、さらに工事の進捗を管理するもので、施工管理の方がより多くの仕事を含んでいます。また、施工管理には施工管理技士という国家資格があります。

出典:建築施工管理技士(1級・2級)|CIC日本建設情報センター
参照:https://www.cic-ct.co.jp/course/building

施工管理の求人は多いのか

施工管理の仕事は不景気な中でも求人が多い仕事といえます。建設現場では様々な職人の方々が働いていますが、それをまとめる施工管理者が少ない現状があるからです。

人間関係の調整能力が必要ですし、資格も必要です。現場の仕事とともにデスクワークも必要ということで、大変ではありますがやりがいのある仕事です。

施工管理職の平均年収

国税庁の平成30年分民間給与実態統計調査結果によりますと、給与所得者の年間の平均給与は441万円です。

施工管理職の年収に関する公的なデータはありませんが、年収で提示されている施工管理技術者の求人情報からは、正社員であれば年収400万円~500万円程度が多いです。

出典:平成30年分民間給与実態統計調査結果について|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/minkan/index.htm

施工管理の主な業務4つ


施工管理の業務としては、工事そのものが予算オーバーしないように、スケジュールの遅延がないように進めることです。

さらに、事故が起こらないようにする安全面や、役所などへの届出書類の作成、建物の設計者や材料の納入業者等のやりとりも施工管理の仕事です。その中の4つの業務について、詳しく見ていきましょう。

1:工程管理

工事がスケジュール通りに行われているかを管理するのが、施工管理の業務の1つである工程管理です。屋外で行われる、土木工事などの現場では、雨などの天候による影響でスケジュールの遅延が発生することがあります。

作業が想定よりも難しくて遅延したり、人手不足が発生して遅延したりといったこともあります。そうした場合のスケジュールの再設定や人手の調整、さらに作業の効率化なども工程管理の業務です。

2:原価管理

土木建設をしたり、建物を建てたりといった場合には、資材の他に様々な費用がかかります。重機のレンタルに必要な費用や、人件費といった費用も工事に必要な原価です。

帳簿をつけて無駄な費用の発生を避けるとともに、工事予算に収まるように管理するのが原価管理です。

3:品質管理

建築物には設計図や仕様書がありますが、その内容に合致しているかを管理するのが品質管理です。そのために工程ごとに写真を撮影します。

建築材料の荷姿、コンクリートの鉄筋の状態、コンクリート打つ状況などを写真で記録するわけです。写真により、設計通りに工事が進行しているかを記録し、証拠を残しながら次の工程に進行させていきます。

4:安全管理

工事を無事故で終わらせること、これが安全管理の基本です。安全器具の点検や安全確認のための現場巡回など、事故を起こさないように日々の活動を行います。

また、機材や資材が安全に使用できるかを確認することも、安全管理の業務の1つです。さらに天候により、強風での資材の飛散や高温での作業員の熱中症も注意しなければならないポイントです。

施工管理の求人数が多い理由5選


近年のオリンピック・パラリンピックによる競技場の建築やそれに伴う交通インフラの整備、さらに多数のホテルなどの建設があり、建築業界は特需の状況にあると言えます。

それに加えて、自然災害の多発などで施工管理の仕事は引く手あまたの状況です。求人数が多い理由について、さらに詳細に見ていきましょう。

1:給与面の待遇が企業によって違う

施工管理を行う会社の規模によって、給与が異なります。施工管理を行う会社は個人企業からゼネコンやサブコンといった大手まで、様々あるためです。

一方、大手では大きな現場を担当することとなり、それに伴う責任も大きいものとなります。小企業でも、工事費用に対して高利益を上げている会社であれば、給与に反映されますので、よく求人情報を確認するようにしましょう。

2:キャリアアップのため転職希望者の増加

総務省統計局の調査によれば、2019年の転職者数は351万人と過去最多を記録しています。前職を離職した理由には、事業不振などの会社都合のものも含まれているものの、会社都合による離職は2013年以降減少しています。

一方で伸びているのがキャリアアップのための離職です。2019年では、127万人が「より良い条件の仕事を探すため」として転職をしています。

出典:増加傾向が続く転職者の状況 ~ 2019 年の転職者数は過去最多 ~|総務省統計局
参照:https://www.stat.go.jp/data/roudou/topics/topi1230.html

3:復興事業の修繕工事の増加

平成28年の地域別建設投資の内訳をみると、やはり震災復興事業のために、東北地区で行われている多くの公共事業に投資されていることがわかります。地域別の建設投資自体は、南関東の127,929億円がもっとも大きいのですが、東北地区は67,387億円と地域別では2位です。

その中で、東北地区が全建設投資の63.9%、4兆円を超える公共事業の建設投資がなされています。これにより、東北地区での公共工事が多い状況であり、それに伴い求人も多くなる状況です。

出典:建設業を取り巻く主な情勢|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/common/001117243.pdf

4:ホテルの新設・公共事業の増加

2000年の東京オリンピックを目指して、数多くのホテルの開業が予定されました。一部は開業延期となったものの、超高級ホテルを含むホテルの建設が多い状況です。

また、オリンピックやパラリンピックを契機に、大会に関連する道路の新設やバリアフリー化、鉄道駅の改良工事など、多くの工事が行われており、求人数の増加につながっています。

5:ベテラン社員の退職

建設業では、就業者の高齢化が特に進んでいます。全産業では、55歳以上の社員が29.2%なのに対して、建設業では33.8%と特に多い状況です。

さらに60歳から64歳の就業者が35万7千人、65歳以上の就業者が42万4千人、施工管理者はこの中の一部ですが、10年以内に大半が退職するとみられているため、若手の求人で対応していかなければならない状況です。

出典:建設産業の現状と課題|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/common/001149561.pdf

業界で進む施工管理の業務改善7つ


施工管理の仕事は残業が多いというイメージがあります。天候不良や設計変更、さらに資材の未着があれば、その分工期が遅れます。

しかしながら、どんな理由があっても期限までに建物を完成させなければならず、それが残業につながります。とはいえ、働き方改革により残業や休日出勤を減らせるように様々な対策が考えられており、残業が少ないと明記されている施工管理の求人もあります。

1:週休二日制を目指す

一般社団法人日本建設業連合会では、2017年12月22日に「週休二日実現行動計画」を策定しました。土曜日と日曜日の閉所として週休二日を目指し、本社、支社のみでなくすべての工事現場を対象としています。

また、2017年から2021年の5年間を行動計画の計画期間として、2019年度末までに4週6閉所以上、2021年度末までに4週8閉所を目指すという行動フレームを掲載しました。

2:書類負担を減らしていく

施工管理の業務では、書類作成が夜になることがあり、負担となっています。そのような中で、書類の負担を減らすため、国土交通省では平成22年に「土木工事における受発注者の業務効率化実施要領」を作成しています。

その中で、工事書類一覧表による工事の業務効率化を実施、書類の二重提出の防止や資料の削減を掲げています。

出典:平成 22 年度 土木工事における受発注者の業務効率化実施要領|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/tec/sekisan/sekou/pdf/220929H22kouritsuka02.pdf

3:ICTツールを導入する

建設分野での生産性向上は避けられない問題として、国土交通省は2016年にICT導入協議会を設立しICT技術の全面的な活動への取り組みをスタートしました。

建設ICTの一環として、iPad等の図面管理アプリが登場しており、現場写真をそのまま撮影し図面管理や、電子黒板などの機能を取り入れています。

出典:ICTの全面的な活用|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/constplan/sosei_constplan_tk_000031.html

4:残業時間に規定を設ける

建設業における時間外労働の見直しとして、国土交通省は平成29年3月28日に「働き方改革実行計画」を決定しました。

労働基準法で規定されている、月45時間かつ年360時間の現行規制は、建設の事業においては適用を除外されています。しかしながら、建設業界でも原則月45時間かつ年360時間の残業規制を設け、さらに特別条項でも超えることができない年720時間を規定しました。

出典:建設業における働き方改革|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/common/001189945.pdf

5:工期に余裕を持てるようにする

働き方改革を推進するため、国土交通省は令和2年8月3日に適正な工期を確保するための基準を作成し、その実施を勧告しました。

工期に関する基準は6章で構成されていて、請負工事の工期の考え方や自然要因や休日、法定労働時間の考慮などの事項が書かれています。これにより、工期に余裕を持てるようにしています。

出典:工期に関する基準の実施を勧告
~建設工事の適正な工期の確保をするための基準が作成されました!~|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo13_hh_000711.html

6:社会保険の加入率を上げる

国土交通省では、建設業における社会保険の加入対策を進めるため、平成24年5月に「建設業社会保険推進・処遇改善連絡協議会」を設置しました。

平成24年度から建設業更新時に確認、指導を行うとともに、国土交通省直轄工事の未加入企業の排除を行っています。さらに平成29年度以降は、適切な社会保険に加入していない作業員の現場入場を認めないことで、対策を強化しています。

出典:社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001365251.pdf

7:成功・失敗事例を共有する

施工管理アプリの発達もあり、従来紙ベースであった書類の電子化とともに、工程をリアルタイムで共有できるようになりました。

かつては現場写真の撮影を現場監督代行が担当した場合に、撮り方の間違いがあっても共有されず後で撮り直すといった事態となっていたものが、その場で撮り直しの指示ができ、効率化が図られています。

施工管理のやりがい・魅力5選


施工管理は多くの人とかかわることができる仕事です。

中には気難しい職人さんなど、コミュニケーションを取ることが難しい方がいる場合もあります。そのような中でも、うまくコミュニケーションを取ることでみんなで建設物の完成というゴールに向かって進むという、やりがいのある仕事です。

施工管理のやりがいについて、さらに詳しく考えていきましょう。

1:建設物完成の達成感

施工管理は、何もない状態から建物を造り上げる仕事です。作業の工程の1つ1つを管理したり、現場の安全面を管理したりと、大変な面も多いのも確かです。

天候の変化などのトラブルでスムーズに作業が進まないこともありますが、そのような中で建物が完成した時の達成感はひとしおです。

2:スキル次第で収入アップが見込める

施工管理の仕事は、施工管理技士の資格を取ることで収入アップが見込めます。まずは2級施工管理技士の資格を取得します。施工管理技士の仕事は土木、建築、管、建設機械、電気、造園の6種類があり、学科試験と実地試験を行います。

さらに専門性が高い1級施工技士の資格を取得すれば、さらなる収入アップが見込めます。いずれの資格も実務経験の年数が規定されていますので、現場でキャリアを積みながら、試験を受けていきます。

3:技術が身につく

施工管理技士の資格を取るための技術は、現場で施工管理を行うことで身に付きます。施工管理技士の役割は工事を行う時の施工計画や施工図の作成、工事の施工管理である工程管理、原価管理、品質管理、安全管理を行うための知識と経験が必要です。

最終学歴や現場監督の経験の有無によって、必要な実務経験の年数が違ってきますが、いずれにせよ施工管理を実際に行う必要があるのです。

4:現場を指揮できる

施工管理の仕事は、工事現場の陣頭指揮を執るところにやりがいがあります。現場での職人の方々の監督指導や、工程管理、安全管理など、工事が計画通りに進行するように、現場のコーディネーターとして働きます。

建築物の完成まで、工程のそれぞれを全て引き受けて管理していくことは、他の仕事にはないやりがいがある仕事です。

5:社会の役に立っている実感がある

駅や病院、橋や道路など公共性の高い建物や建造物に関わるなど、施工管理の仕事は社会の役に立っている実感が得られる場面があります。

また、土木分野であれば災害復旧などで、住民の方々に感謝されるなど社会に役立つ、社会に残る仕事に携わることができます。

施工管理の求人数が多い理由を理解して転職を検討しよう


今、建設業界の高齢化の一方で、公共工事をはじめ様々な現場の増加で、施工管理の求人は多い状況です。仕事が大変なイメージがある建設業界ですが、週休二日制を目指し、残業時間の規定も設けられるなど、変化が見られます。

建築に関する幅広い知識を身につけるとともに、工期のスケジュール調整などの様々な能力を身につけられる施工管理は、手に職をつけてキャリアアップできる仕事としてチャレンジしてみる価値があると言えるでしょう。

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