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公開日時 2019.09.06
最終更新日時 2022.04.06

給排水設備工事の基本を詳しく解説!

公共下水設備と浄化槽設備


公共下水設備と浄化槽設備について、それぞれの設備の違いや施工方法、費用、注意点などを解説します。

公共下水と浄化槽の違い

汚水・雑排水・雨水の最終排水処理方法には、公共下水設備と浄化槽があります。どちらの方法で排水を処理するかは、建築地が下水道設備のある地域かどうかで決まります。それぞれの特徴と費用の違いなどをまとめました。

① 公共下水設備
公共下水は敷地前の道路下に下水道管が敷設されていれば使用できるため、敷地内の排水を下水道に流して処理することができます。下水道工事は、敷地内に下水桝(最終桝)を設置し、下水桝と道路下の下水道本管を接続する工事を行います。

新築住宅の場合の下水道接続工事費用は、道路下の下水道管が敷地の前まで敷設されていれば30~50万円です。下水道管が道路反対側や敷地前まで敷設されていない場合は、50~80万円かかります。

公共下水道のランニングコストは、下水道使用料を上水道使用料と一緒に支払います。上水道の使用量と同量が下水道使用量として計算されます。

② 浄化槽
下水道が使用できない地域では、河川や側溝に排水を流すために水をきれいにする「浄化槽」を敷地内に設置します。

浄化槽工事は、敷地内に土中に浄化槽を埋め、汚水と雑排水(合流方式の場合のみ)の排水管を浄化槽に接続します。浄化槽できれいにした排水を排水管で側溝や河川に流します。浄化槽を設置するには、浄化槽を埋めるための空地が敷地内に必要です。

浄化槽工事の費用は、浄化槽の大きさにより変わります。浄化槽の大きさは、建築物の種類と延べ床面積により変わり、5人槽合併処理浄化槽の工事費用は50~80万円かかります。

浄化槽は微生物の働きによって排水を浄化するため、浄化槽に酸素を送るブロアーが必要です。ブロアーを24時間動かすために電気代がかかります。また、浄化槽は点検(年4回)と清掃(年1回)・法定検査が必要です。住宅の場合、維持費とランニングコストで年4~6万円の費用がかかります。

下水道の接続方法と注意点

建築物を建て替える際、下水道を使っていた場合は使用していた下水桝に排水をつなげば、下水道に排水を流すことができます。新しく下水道を使用する場合は、まず市町村などへの使用許可申請が必要になります。申請をしてから工事が可能になるまで時間がかかります。また、道路を掘って敷地内の下水桝と下水道本管を接続する工事では道路使用許可が必要になります。下水道の接続工事は工期に余裕をもって、申請や工事準備を行うようにしましょう。

浄化槽の必要人槽と種類・注意点

浄化槽の必要人槽とサイズ、種類、注意点をまとめました。

① 浄化槽の必要人槽とサイズ
浄化槽の必要人槽(処理対象人数n)は、建築基準法の定めにより建築物の種類と延床面積をもとに決定します。床面積によって浄化槽の必要人槽が変わるため、増築や敷地内に新たな建物を建てる場合は浄化槽の必要人槽の確認が必要です。

浄化槽は処理対象人数が増えると、浄化槽のサイズが大きくなり、浄化槽を埋めるための空地が必要になります。浄化槽の必要人槽とサイズを給排水設備の配管工事前に確認しておきましょう。

※浄化槽の必要人槽 算定例(抜粋)
・住宅の場合
延べ床面積が130㎡以下の場合   5人槽
延べ床面積が130㎡を超える場合  7人槽
・共同住宅の場合(アパートやマンションなどの場合)
n(人員)=0.05A(延べ床面積)なので、200㎡の場合  10人槽
・事務所(業務用厨房設備がない場合)
n(人員)=0.06A(延べ床面積)なので、200㎡の場合 12人槽
引用:建築基準法 告示3184号より

② 浄化槽の種類
浄化槽の種類は、大きく分けて2つの種類があります。1つは「単独処理浄化槽(=みなし浄化槽)」、もう1つは「合併処理浄化槽」です。

単独処理浄化槽(=みなし浄化槽)は、水洗トイレの排水(汚水)だけを処理する浄化槽で、一般家庭で使われていました。平成13年の浄化槽法の改正により、新設することが禁止され、現在は生産されていません。平成13年前に設置された単独処理浄化槽は使用できますが、「合併処理浄化槽」への切り替えが求められています。

合併処理浄化槽は、水洗トイレの排水(汚水)とともにキッチン、お風呂、洗濯排水、洗面などの生活排水(雑排水)も一緒に処理する浄化槽です。

単独処理浄化槽と合併処理浄化槽のどちらを使っているか見分けるには、蓋の枚数で見分けられます。一般的に蓋の数は、単独処理浄化槽が2枚、合併処理浄化槽は3枚です。最近では浄化槽がコンパクトになっているため、合併処理浄化槽でも蓋が2枚の場合があります。浄化槽の種類に不安がある場合は、雑排水が浄化槽につながっているか確認しましょう。雑排水が浄化槽につながっていれば、合併処理浄化槽と判断できます。

③ 浄化槽の注意点
浄化槽は、槽内に酸素が送られないと微生物が死滅し、排水が浄化されなくなってしまいます。そのため、ブロアーの設置位置に注意が必要です。常に人が通る場所などは避け、電源コンセントがはずれることがない場所に設置します。

駐車場下に浄化槽を設置した場合は、浄化槽の蓋を耐圧タイプのものにし、かつマンホールの周囲だけでなく浄化槽全体が車の荷重に耐えられるように、全体を配筋入りのコンクリートで覆うように施工しましょう。

浄化槽は。微生物のはたらきで水を浄化する設備です。浄化槽内に紙おむつやたばこの吸い殻・天ぷら油などが入ることで微生物が死滅してしまうことがあります。また、浄化槽の蓋が浮いて異物が入ることがないように蓋の上に植木などの物を置かないように注意しましょう。

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