【施工管理技士が覚えておきたい解体工事の工法】手壊し解体の概要とメリット
施工管理技士が覚えておきたい解体工事の工法のひとつとして、今回は「手壊し解体」について説明します。
手壊し解体は、重機を使用せずに手作業だけで建物の取り壊しを行う工法で、密集した住宅地や、繁華街での家屋解体で採用されます。
今回はその特徴やメリット、活用シーンなどについて説明していきますので、これを機におさらいしておきましょう。
この記事でわかること »
手壊し解体とは
「手壊し解体」は、別名「人力解体」とも呼ばれ、文字通り重機を使わず完全に手作業のみで建築物の取り壊しを行う解体工法になります。
重機の代わりにバールやかじやといった道具を使用します。
住宅解体を例に、手壊し解体の作業の流れを以下紹介します。
- 初めに畳や建具などを取り除いて内装を解体します
- 屋根瓦を下ろし、梁や柱を取り壊します
- 基礎のコンクリート解体を行い、撤去します
これは、家を建てるときとは逆の順番になります
重機を使った解体との相違点としては主に、騒音・振動の少なさと、リサイクルのしやすさの2点が挙げられます。
一方で工期・予算は、重機を使った解体に比べて場合によっては倍以上かかります。
手壊し解体は相応の技術を要するため、現在では手壊し解体が出来ない業者も出てきています。
手壊し解体のメリットと活用シーン
「手壊し工法」のメリットは、以下の3点です。
- 騒音・振動が少ないこと
- 分別がしやすいので廃棄物のリサイクル率が上がること
- 狭い場所でも作業できること
その一方で、デメリットもあります。
手壊し解体は重機による解体よりもずっと手間がかかるため、工期が長くなりコストも上がりやすい点です。
排出された廃材・廃棄物の運搬も、人力による手積み作業でする必要があります。
そのため、工期・コスト共に、重機を使ったときと比べると2倍以上はかかることもあります。
手壊し解体が採用されるのは、以下のような場所にある建物の解体時です。
- 重機が入れない住宅密集地
- 人通りが絶えない商店街や繁華街
- 交通の量の多い幹線道路沿い
- 解体物件の建っている土地が隣接する道路よりも高い/低い
以上のような場所では、重機は入れられませんので、手壊し解体で作業をしていくことになります。
また、工期・コストが高いため、家屋全体ではなく建物の一部を解体するのに向いている工法ともいえます。
相応の技術が求められる手壊し解体
「手壊し解体」は、重機解体にはない相応の技術が求められます。
施工管理技士として手壊し解体に関わることになった際、現場の条件に合った適切な指示が出せるよう、解体の詳細をしっかりと覚えておくことが大切です。
円滑に工事を進めるためにも、本記事をぜひ参考にしてください。
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