施工管理なら知っておきたい!建設現場で活用する重機の故障・修理箇所:クレーン
数ある重機のなかでも高所で作業をするクレーンの事故やトラブルは、特に避けなければいけない災害の一つです。
今回は、中央労働防止協会の資料をもとにクレーンの操作による「感電」の事例と防止策について紹介します。
大きな事故を発生させないためにも、施工管理者は必ず確認してください。
ペンダントスイッチの故障に起因する事故
鉄骨材の溶接組み立ての担当者が、故障したペンダントスイッチの点検中に感電してしまった事故事例です。
まずは事故の流れを確認してみましょう。
■事故の詳細
作業中のクレーンが作動しなくなってしまい、担当者はペンダントスイッチの故障と判断。交換用のペンダントスイッチと取り換えた結果、一時は起動したものの再び作動しなくなってしました。
そこで作業員はペンダントスイッチの中を点検するためにドライバーを使用。その際に電源を遮断していなかったためドライバーを通じて感電し、死亡事故となってしまいました。
事故の原因
クレーンのペンダントスイッチの故障による感電事故の原因として、以下の点があげられます。
・電源を遮断していなかった
・電気工事用のドライバーではなかった
・絶縁用の手袋などを使っていなかった
・電源を遮断していなかった
・クレーンの故障修理の担当者以外の作業員が点検した
・クレーンの整備、点検が不十分だった
不具合を起こしたときに取るべき対応
前述した事故を二度と起こさないためにも、対策を徹底しなければなりません。現場の作業員と責任者が、クレーンが故障したときに守るべき項目を以下でまとめました。
1.クレーンの電源回路を個別にする
前述した事故の大きな原因である「電源を遮断しなかった」理由は、電源が集約されており、コンセントを抜くと他のクレーンも停止してしまう仕組みだったことです。
クレーンの不具合を個別に対応するためには、別個の電源回路に設定する必要があります。
2.クレーンの整備を徹底する
チェックリストを作成して、自主点検を行うことで修理する機会を減少させます。
3.特別教育を実施する
前述した事故で点検作業をしていた作業員は、クレーンの整備に関わる教育を受けていませんでした。適切な人材を配置できるように教育を実施しましょう。
事故の防止は徹底した対策が必要
今回紹介した事故の一例はもちろん、すべての工事における事故の防止は先例から学ぶことが多いです。
自分が受け持つ現場で悲しい災害が起こらないように、日常からしっかりと対策を打っておきましょう。
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