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公開日時 2019.11.01
最終更新日時 2022.04.06

建物のライフサイクルコストと施工管理技術者

施工管理技術者の経験と知識の重要性


ライフサイクルコストマネジメントの重要性は日に日に増しています。トータルコストマネジメントを実施するマネジャーとして施工管理技術者の経験と知識がどのように生きてくるのか見てみましょう。

総トータルコストを削減するためには、イニシャルコストの建設費、設計費を抑えることはともかく、完成後に発生するランニングコストをいかに抑えるかが重要になります。ただし、必要である保全、機能性を落とさないための更新をおろそかにしていては建物の価値を下げてしまいます。

トータルで最適化を図った建物として、発生費用を抑えながら機能性を維持するためには、豊富な経験が必要となります。建物を建てる作業と、運営管理する作業とは別のものであると思われがちですが、発生する費用のおおよそは、企画実施設計段階でほぼ決まってしまうものです。

そのように考えると、建物の設計概要が決定するまでにいかに将来発生する、エネルギー費用、保全費用を考慮した企画設計が行えるかが、建物のライフサイクルコストマネジメントにとって大切なことと言えます。

企画設計段階で将来発生するランニングコスト費用まで鑑みた設計を固めるためには、建物の予想保全コストの算出、設備のエネルギー使用量予想コストの算出、そして、将来発生コストを建物使用終了まで予測した長期修繕・保全計画の作成が必要となります。

統括マネジャーは、設計者の意向、施工者の意向、設備会社の意向、そして、運営管理者の意向をまとめて、最適化してお客様の要望に応える責務を負います。各専門スタッフの調整業務と数値的集約を進め、実施ベースで有効性の確かなコスト管理マネジメントを行うことが大切になります。

建物の細部まで知り尽くした、経験豊富な施工管理技術者は、高いコミュニケーション能力と共に、数値管理能力に長けていますので、トータルコストマネジメントの適任者と言えるでしょう。

環境配慮型建築マネジメントへの移行


建物のライフサイクルコスト削減により収益性と機能性の向上を図り、資産価値を保つことが大切になっている現在の建築マネジメントでもう一つ重要視されていることに、環境に配慮した建築マネジメントへの移行が求められています。

地球の温暖化は進行しており、近年では日本各地でも猛烈な降雨等の異常気象に悩まされています。これ以上の地球温暖化は、世界の自然環境の破壊につながり生態系の維持にもかかわってくる重要課題です。

建築産業においても、建物を廃棄する際、資材等を処分するときに発生する温室効果ガスが問題視されています。多くの資材を使って建築を行う建設業界では、その廃棄量の削減、リユースが課題です。

建設現場を全体マネジメントしているのは、現場所長である施工管理技術者です。現場から出る資材等の廃棄物の処分については、処理計画書の提出が義務付けられています。少しずつ進歩していますが、総合的に廃棄物の排出量を削減する方法で実績を上げている現場では、BIMを活用しているという実例があります。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)は、3次元モデリングシステムを使って、意匠設計データ、施工図データ、運営管理データを一元管理するシステムを使用してプロジェクトを運営する手法のことで、徐々に運用事例が増えてきています。

すべての設計・施工・管理上のデータを共有することによって、実際の施工での取り合いや、作業の手間が大幅に減ることにより、結果として廃棄物の発生量を大きく削減できます。特に設備工事においては製品をユニット化し搬入を行うことで廃棄物の大幅な削減を可能としたケースが出てきています。

環境配慮型建築マネジメントへの移行は、今後更に進むでしょう。そのために必要なことは、現場全体をマネジメントする現場所長、施工管理技術者の更なる意識改革と、I o Tを駆使した施工管理マネジメントシステムの向上が不可欠とされています。

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