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公開日時 2019.07.12
最終更新日時 2022.04.06

公共工事に伴う現場監督の諸業務

施工図の多さ


施工図は、設計図書を元にして工事を進める中で、実際の細かい工事の内容を反映させた詳細図面です。
職人の方が求める細かい情報を記載した主に現場で通用する図面であり、実際に施工図を使って現場で細かい施工を行い、施工物をつくり上げていきます。
なぜ、設計図があるのに施工図を作成するのでしょうか。
その理由は、設計図はある程度の詳細までしか記載されておらず、つくりや寸法などのあいまいな矛盾点が残っている図面となっていることが大半です。
そのため、設計図だけでは細かい部分まで熟知して施工ができないからです。
施工図は不明瞭な点や矛盾点を全て解決して、施工に必要な情報を充分に盛り込んでいる、とても明確な図面です。
施工図の作成は現場を熟知していないと描けない難しい図面ですので、誰でも描ける図面ではありません。
作成にも時間がかかるので、現場監督にとって大変な重労働となります。
大変な業務ですが、施工図を作成していると工事の内容が自然と頭に入ってくるので、現場監督としては効率的な作業となります。
施工図は、出来上がらないと工事を進めることができません。
そのため、必要な時期までに正確な施工図を作成し、工事間監理者に確認を得ないといけません。
工期を遅らせることがないように必要な時期まで施工図を完成させることが、非常に重要となります。
下記、施工図の主な図面を紹介します。

仮設計画図

仮設計画図とは、建物を完成させるために現場に必要な仮設設備を総合的にまとめて記載している施工図です。
現場を動かすためには様々な仮設物が必要となりますが、それを現場監督だけが把握していても全く意味がありません。
仮設計画図で図にして明確な状態にすることにより、職人の方や他の従業員と内容を共有して、スムーズに現場の施工を進めます。
仮設計画図の内容により、現場の流れが良くも悪くもなります。
そのため、現場に出入りする誰もがスムーズに行き来できる、完璧な仮設計画としないといけません。
仮設計画図に必要なポイントといえば、安全にスムーズに施工できる計画図となっているかです。
実際に施工を行う職人の方たちが作業しやすい内容とし、ケガなく安全に工事を進めることができるようにしなければいけません。
現場を出入りする職人の方全てに熟知してもらうことで、コンクリート打設や資材の運搬の際にも適切な仮設位置でスムーズに対応させることができます。
仮囲いやゲートなどの仮設物や、仮設事務所、物置、仮設便所などの仮設建物、現場出入り口、生コン車の設置位置、ポンプ車の設置位置などの施工の際の配置スペースや動線の確認などの、仮設物の位置や動きの全てを記載して図面化します。

根伐図

根伐図とは、土工事の根掘りを行う際に根掘りの幅や深さを明確に記載した施工図です。
建物の基礎の深さは一定ではない場合があり、それらを明確にすることで職人の方が根掘り底の深さや幅を間違えずに掘削作業を進めることができます。
基礎下砂利の幅や厚み、捨コンクリートに幅や厚みまでを記載し、根伐図にて捨コンンクリート打設工事まで完成させることができます。
伏せ図と断面図を記載して、根伐状態を明確にします。
基礎の深さがところどころ違う場合や、根伐幅が部分的に異なる場合、根伐図で明確にして正確な根伐工事を施工することができます。
根伐図は作成しない現場もありますが、作成することで管理が楽になり、1度説明するだけで職人さんがスムーズに作業することができるようになります。
また、監督員に提出することで現場の印象を高めることができます。

平面詳細図

平面詳細図は、平面図をより大きな縮尺で細かく描いた詳細図面です。
平面図は1:100や1:200の縮尺で描くことに対して、平面詳細図は1:30や1:50の大きな縮尺で作成します。
縮尺が大きいので、平面図とは違い細かい寸法まで明記することができます。
平面詳細図は設計図書でも作成されますが、現場施工においてさらに細かく詳しい内容とし必要なポイントを明確に反映させ、より明確とした平面図とします。
建具寸法や家具寸法はもちろん、壁厚や躯体寸法なども明確に表記してあり、出入り口や窓の有効寸法も把握することができます。
実際の様々な仕上がりの細かい寸法が確認できるので、各部分の納まりも明確に把握することができます。
平面図は比較的簡単に作成できますが、平面詳細図は非常に細かく難しい図面です。
各部分の仕上げの納まりがわからないと正確に作成することができない、とても手間と頭を使う図面です。

基礎伏図

基礎伏図は、基礎コンクリートを平面状に描いた図面です。
基礎の位置や大きさなどを明確にあらわした伏図であり、構造図のうちの1つとなります。
主に基礎や基礎柱、基礎梁を記載し、木造の基礎伏図の場合は土台やアンカーボルトの位置を描くこともあります。
基礎伏図には、基礎や基礎柱、基礎梁のレベルを記載し、梁やスラブ、開口、人通口などを、躯体図符号にて明確に寸法をあらわします。
また、基礎の断面形状や配筋、断熱材の位置も記載し、基礎伏図1枚で基礎を完成することができます。
基礎伏図も設計図書にありますが、現場の内容に沿って実際に土工屋さんや鉄筋屋さん、型枠屋さんが使う現場対応の基礎伏図です。

コンクリート躯体図

コンクリート躯体図は、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の建物において、仕上げ材を除いたコンクリートの形状をあらわした図面です。
施工図の中で、特に重要な図面となります。
設計図書の鉄筋コンクリートの構造図を参考にして、作成します。
図面はあくまで2次元ですが、コンクリート躯体図は3次元の実際の形を効率よく表現するために、Z方向の寸法を四角や楕円、円などの符号の中に記載してあらわし記載します。
この符号を、躯体図符号といいます。
躯体図符号の表現する内容は同じであっても、施工会社により形状や表現方法は異なります。

このように、施工図というのは実際の現場の工事に則ったとても詳しい図面です。
それぞれの施工図には段階別の目的があり、全ての設計図や施工図を関連させながら作成しないといけません。
そのため、様々な知識を頭に入れて作成しないといけなく、正確な施工図を描けるようになるのは、実務10年以上はかかるといわれています。
施工図は、熟練した現場監督のみが描ける難易度の高いプロの図面といえます。
施工図の作成は難しいですが、作成することで工事内容を頭に入れることができます。
そのため、作成に手間はかかってしまいますが、現場監督にとっては現場熟知のために大変必要で合理的な作業といえます。

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