ページトップに戻る
公開日時 2019.09.17
最終更新日時 2022.04.06

施工管理者としての働き方のいろいろ

独立事業主として業務委託契約をして働く


経験豊かな施工管理技術者は、高度なコミュニケーション能力を持っていますし、多様な人材が複合的に連なって、建物を完成させていく施工管理の現場に於きましては、その現場の現場所長は一つの会社を経営する経営者に近い能力が必要とされます。

建設会社によっては、一つの現場、または、複数の現場を束ねる現場所長、統括所長を外部から経験豊かな施工管理技術者を独立事業主として招き入れて、業務委託契約を結んで、現場を一つの企業体として管理させているケースがあります。

独立事業主なので、正社員と比べて、契約内容を利益目標、工事完成度目標等シビアに決めている場合が多く、独立事業者として会社に業務貢献すれば高い報酬を得ることが可能になっています。経験が豊富で、多彩な工事経歴をもっている施工管理技術者にとっては魅力の高い働き方であると言えます。

現場の所長、統括所長に当たる施工管理技術者は経営者に近い権限が与えられてはいますが、正社員だけでは、現場所長の経験年数、スキルにより、建物の完成度、会社への利益貢献度等に若干のバラツキが出ることがあります。

外部から優れた技術を持った、施工管理技術者を独立事業者として契約し、現場を運営させて、場合によっては複数の現場を統括させることによって、会社全体の現場施工能力を競わせるために積極的に独立事業者を求めているゼネコンも増えています。

経験と知識を活かして施工会社以外で働く


高度な技術と、マネジメントスキルを持った施工管理技術者はゼネコン等の施工会社以外からそのマネジメント能力を買われて働いている方が増加しています。なぜならば、一つの現場を仕上げる経験が豊富な施工管理技術者には人材マネジメント能力とコストマネジメント能力が備わっているからです。

デベロッパー、不動産開発業者で働く

建物を大量供給するデベロッパー、不動産開発業者では、商品開発にかかる建築工事費の比率が高いため、全体の開発費用のなかで建設コストをマネジメントする人材がどうしても必要になります。

開発コストの中で、建築工事費は同じマンションを作る場合においても、その敷地の状況、施工する地域、施工する時期、そして、トータルで施工にかかる時間である工期によって、同じ仕様のマンションでも一室当たりの建築コストは思ったよりも変動してきます。

いかに開発にかかる建設コストを平均化していくかが、デベロッパーの仕入れ、開発業務に於いて重要な課題です。会社全体の開発にかかる建設コストを平均化して、できるだけコストダウンを図るためには、高度な施工管理のスキルを持った人材がマネジメントする必要があるのです。

例えば一つのマンションの開発物件を考えてみますと、100坪の敷地のワンルームマンションを開発した場合、土地代が10000万円として、400%の商業立地であれば、400坪は建物が建つので100万円/坪の建設費の場合、40000万円の建設費がかかります、開発案件に関して、いかに建設コストの比率が高くなるか分るでしょう。

全体の建設コストを無理なくコストダウンマネジメントできる人材はデベロッパーにとって必須の人材です、そして、もう一つ不動産デベロッパー、開発業者のリスクとして、開発物件を販売する時期がずれることが挙げられます。販売時期がずれることは開発コストの金利がかさむことになります。

企画段階から、設計、建物施工の中で、一番時間がかかるのが建物を建てる時間、工期であり、10回建ての建物であれば13か月程の工期がかかります。そして、技術者不足がつづいている各ゼネコンとの工期の調整、近隣住民との調整等でもしトラブルがあると工期に大きく影響を与え、販売時期がずれることになります。

建物施工に関する工期、近隣調整を行えるのも経験豊富な施工管理技術者の経験が一番生きてくる点です。デベロッパー、不動産開発業者のコストマネジメントの大部分を占める建設工事費、工期をマネジメントできる施工管理技術者は重要視されています。

建物総合管理会社で働く

日本の建設、不動産業界は建物については、ほぼ新築供給物件の開発を主業としてきました。しかしながら、少子高齢化で人口が減っていく中、また、環境保全への観点から、リニューアル、リノベーション市場の開拓、推進が課題となっています。

建物自体は鉄筋コンクリートの建物であれば60年程度躯体は大丈夫であると言われながら、その大半は、対応年数が経過する以前でスクラップ&ビルドされてきました。

その原因としては、スクラップ&ビルドした方が、開発にかかる関係者は儲かるという点と、新築建て替えに比べて金額が張らない割に手間のかかるリニューアル、リノベーションは仕事として割が合わないという固定観念がある点も挙げられます。

これからの世の中で、環境保全の点も考えて、建物を大事に使うためには建物の完成時から、建物が使えなくなる時点までの建物全体のライフサイクルコストを管理マネジメントする必要があり、そのマネジメントスキルを持った人材は多くありません。

建物をリニューアル、リノベーションする際には、建物の現状を調査して、補修個所を割り出し、設備等の更新がどこまで必要か判断した上で、的確なリニューアル、リノベーションを提案する複合的なマネジメント能力が必要であり、施工管理技術者の経験・技術が一番頼りとなるところです。

建物総合管理会社は、建物全体の維持管理、テナント管理を行う会社のことを指しますが、以前は建物の現状管理、テナントの管理、日常の点検、清掃などが主な業務でありました。

建物全体のライフサイクルコストを総合管理して、建物のポテンシャルを最大限に発揮する手法が、欧米から導入されてきてから、中規模、大規模修繕、リニューアル、リノベーションを複合的に提案して、実施できる総合管理会社が建物所有者から求められるようになってきています。

建物全体のライフサイクルコストを踏まえたハード・ソフト提案を行う人材としては、建物の施行に精通した施工管理技術者が当たるのが一番適切です。欧米ではプロパティーマネジメント(PM)、ファシリティーマネジメント(FM)と呼んでいて、PM・FMマネジャーは高額な報酬で働いています。

俺の夢は「施工管理技士の派遣転職」に特化し、業界最大級の求人数、30年以上の転職サポート実績を誇る求人サイトです。
このサイトでは、施工管理技士の方に役立つ情報を「トレンド」「キャリア」「知識」の3つに分けてお届けしています。
運営企業:株式会社 夢真

Twitter LINE
NEW

新着求人

2024年5月17日更新
新着情報0
現在、新着求人はありません。