一級建築士の年収は?平均年収・年齢性別による違いや収入アップのコツ

「一級建築士っての年収ってどれくらい?稼げるの?」
「男女で年収は違うのかな?」
「働き口はどんな所があるんだろう?」
こういった疑問をお持ちではありませんか。
本記事では一級建築士の年収について、平均年収や初任給、性別や働く場所による違いといった、さまざまな切り口で紹介しています。
読むことで、何が年収に影響するのかや、年収アップのコツも知ることができます。一級建築士の年収について知りたい方はぜひ読んでみて下さい。
この記事の目次
一級建築士の年収は高い?
国家資格である「一級建築士」の年収は高いのでしょうか?
厚生労働省が発表した「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者全体の月額平均賃金は30万7,700円でした。一方、一級建築士の月額平均賃金は41万300円となっています。
上記はどちらも超過労働給与額やボーナスなどを除いた金額ではありますが、一級建築士の年収が高いことがうかがえる調査結果であると言えます。
出典:「令和元年賃金構造基本統計調査」の結果を公表します|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/dl/13.pdf
出典:統計表・グラフ表示|e-Stat
参照:https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003084610
一級建築士の年収

「一級建築士の年収」と一口に言っても、年齢や勤続年数、性別や職場によって金額は変わってきます。
そのため、ここでは厚生労働省が行う「賃金構造基本統計調査」の調査結果をもとにして、さまざまな条件下における一級建築士の年収を見ていきます。
平均年収
「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、基本給や通勤手当、超過労働給与額などが含まれる「きまって支給する現金給与額」の平均は46万1,800円でした。
また、ボーナスのことである「年間賞与その他特別給与額」は148万7,200円です。
そのため、「きまって支給する現金給与額」×12か月+「年間賞与その他特別給与額」として計算した一級建築士の平均年収は702万8,800円になります。
出典:統計表・グラフ表示|e-Stat
参照:https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003084610
初任給
「令和元年賃金構造基本統計調査」によって、一級建築士は初任給も高額なことが分かります。
平均勤続年数が1年未満である20~24歳の項を確認してみると、「きまって支給する現金給与額」は32万3,000円です。
「年間賞与その他特別給与額」は0円となっていますが、年収に換算してみると、387万6,000円にもなります。
なお、この項で公表されている金額は、男性のみを調査対象としたものです。
出典:統計表・グラフ表示|e-Stat
参照:https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003085570
年齢や性別による違い
「令和元年賃金構造基本統計調査」では女性の一級建築士の年齢別平均年収は公表されていませんが、男性の場合、40~44歳の826万7,200円が最も高く、20~24歳の387万6,000円が最も低い結果となりました。
また、全年齢層を対象とした調査では、男性の平均年収が718万900円、女性が607万5,200円となっています。
出典:統計表・グラフ表示|e-Stat
参照:https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003085570
出典:統計表・グラフ表示|e-Stat
参照:https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003084610
働く場所の規模による違い
働く場所の規模によっても、年収は大きく変わってきます。
「令和元年賃金構造基本統計調査」の調査結果によると、企業規模が10~99人の場合の平均年収は576万6,800円、100~999人が747万1,400円、1,000人以上が900万3,500円となっています。
企業規模が大きくなるにつれて、収入も高くなる傾向がうかがえる調査結果です。
出典:統計表・グラフ表示|e-Stat
参照:https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003084610
中央値
「中央値」とは、いくつかの数を小さいものから並べた際に、中央にくる値のことを言います。「平均値」は1つでも極端に大きな値や小さな値があると大きく変動してしまうため、年収の実情を掴むには中央値の方がイメージしやすいとも言われています。
「令和3年賃金構造基本統計調査」では、建築技術者の中央値は32万700円でした。
また、この値は「きまって支給する現金給与額」から「超過労働給与額」を除いたものとなります。
出典:データセット一覧|e-Stat
参照:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001164106&tclass2=000001164107&tclass3=000001164111&tclass4val=0
一級建築士が働く場所
年収について分かったところで、今度は一級建築士が働く場所について紹介していきます。
職場探しをするにあたり、どういった働き口があるのかを掴んでおくことは大切です。また、一級建築士として働くイメージも湧きやすくなるでしょう。
建設会社(ゼネコン)
建設会社は建物の建築に加え、土木や電気といったさまざまな分野の工事を行います。
規模の大きなものはゼネコン(General Constructor[総合建設業者])と呼ばれており、必要に合わせて下請け業者に仕事を発注したり管理したりしながら、建設の上流から下流までを一括して請け負います。
商業施設や高層ビル、市庁舎といった大規模な建設を行うのが一般的です。特に収益が大きなゼネコンは「スーパーゼネコン」と呼ばれています。
建設事務所
建設事務所は「建築設計事務所」や「建築士事務所」とも呼ばれ、設計図面の作成や建築工事全体の管理の他、工事に関わる手続きや書類作成などを行います。
また、大きく分類すると建設事務所には「アトリエ系建築設計事務所」と「組織系建築設計事務所」の2種類が存在します。
設計に建築家の作家性が強く反映される事務所は「アトリエ系」、規模が大きく、設計を専業にする事務所は「組織系」と呼ばれます。
役所の建設部門
建築士の中には、地方自治体の建設部門で公務員として働いている人達もいます。
仕事内容としては、市営住宅・空き家の管理、地方自治体が有する建築物の調査設計や施行に関する業務などを行っています。
給与や休日を安定して得られる点は魅力ですが、建築物を1から設計するといった業務はあまりないため、設計が好きで建築士になりたい人は注意しましょう。
ハウスメーカー
ハウスメーカーは主に、個人用の住宅や小さな集合住宅といった小規模の建設を請け負っており、設計から販売までを行います。全国展開している企業が多いのも特徴です。
また、大手企業では工場で生産した部材を建設地まで持って行き、組み立てて建設するといった手法もよく使われています。
個人事務所
独立して、個人事務所を開いて働くという選択もあります。
なお、個人事務所を開業する際には、管理建築士になるための講習過程を終了し、都道府県に建築士事務所として登録する必要があるため注意しましょう。
管理建築士の講習を受けるには、建築士事務所の建築士として3年以上の業務経験を持つことが必要となります。
個人事務所を開業する場合、まずは他の建築士事務所で業務経験を積みながら、実績や人脈を作っておきましょう。
出典:管理建築士|建築技術教育普及センター
参照:https://www.jaeic.or.jp/koshuannai/koshu/kk/index.html
出典:建築士法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC1000000202
一級建築士として年収を上げるコツ
一級建築士の中には年収が1,000万円を超している人もいます。しかし同じ一級建築士でも、人によって年収が大きく異なることもまた事実です。
そのためここでは、年収を上げるために知っておきたい「コツ」を、3つ紹介していきます。
一級建築士の資格を活かしてしっかりと稼ぐために、ぜひ参考にしてみて下さい。
早めに二級建築士を取得する
一級建築士の資格を取得するためには、最低でも2年の実務経験が必要となります。
しかし二級建築士資格であれば、学歴によっては実務経験は必要とされません。
そのため、早めに二級建築士の資格を取得し、建築士としての経験を積んでおくといいでしょう。
令和3年の一級建築士試験の合格率は9.9%でした。二級建築士試験の23.6%と比較しても、非常に低い合格率となっています。
まずは二級建築士資格を取得し、一級建築士へステップアップするのがおすすめです。
出典:試験結果|公益財団法人 建築技術教育普及センター
参照:https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-data.html
出典:試験結果|公益財団法人 建築技術教育普及センター
参照:https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/2k-data.html
出典:令和2年から建築士試験の受験要件が変わり、新しい建築士制度がスタートします!|国土交通省 住宅局建築指導課
参照:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001314965.pdf
大手ゼネコンで働く
大手ゼネコンでは、大規模な建設を行っています。従業員数も多く、収益の多いスーパーゼネコンであれば1万人を超している所もあります。
前述した通り企業規模が大きい程、年収は高くなる傾向があり、大規模なプロジェクトの経験を積むことで、実績や人脈を得ることもできます。
大手ゼネコンで培った人脈や実績を活用して、独立開業するのもいいでしょう。
実績を積んで独立する
実績や人脈のある建築士の場合、独立することで、より多くの収入を得られる可能性があります。
独立すると個人事業主となるため、営業や受ける仕事、報酬の決定も自分で行わなければいけません。そのため当然、収入が減るリスクも伴います。
しかし逆に言えば、実力や人脈のある優秀な建築士であれば、企業で働くよりも高い収入を得ることが可能です。
一級建築士は高年収を狙える仕事!
前述した通り、一級建築士の平均年収は702万8,800円です。国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、この金額は建設業界全体の給与分布と比較しても上位20%に位置する高い金額となっています。
また、年齢や実績、働く場所によっては、年収1,000万円以上を視野に入れることもできます。手に職をつけられる一級建築士の資格を取得して、高年収を目指してみてはいかがでしょうか。
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編集部
建設業界の人材採用・転職サービスを提供する株式会社夢真の編集部です。
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