得られる年収は、年齢や働く地域や所持している資格によって異なります。
施工管理の仕事も例外ではなく、さまざまな要因で年収は変動します。
給与を上げるために、なにをすれば良いのか模索しているという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、厚生労働省が公開している賃金構造基本統計調査を参考に、建設業界や施工管理技士の平均賃金について紹介します。
(更新日:2020年6月8日)
業界ごとに平均賃金は変わってきます。
ここでは、月額の平均賃金を通して建設業・製造業・情報通信業・運輸業・郵便業の業界別平均年収を比較しました。
・建設業(企業規模合計・単位:万円 ・平成30年)
男性 | 女性 | |
---|---|---|
〜19歳 | 18.96 | 16.86 |
20〜24歳 | 22.44 | 22.26 |
25〜29歳 | 25.76 | 23.34 |
30〜34歳 | 30.20 | 24.29 |
35〜39歳 | 33.04 | 24.49 |
40〜44歳 | 37.52 | 25.27 |
45〜49歳 | 41.87 | 25.65 |
50〜54歳 | 43.43 | 26.63 |
55〜59歳 | 42.60 | 27.87 |
60〜64歳 | 33.39 | 22.62 |
65〜69歳 | 28.57 | 21.13 |
70歳〜 | 24.58 | 19.64 |
・製造業(企業規模合計・単位:万円・平成30年)
男性 | 女性 | |
---|---|---|
〜19歳 | 18.15 | 17.22 |
20〜24歳 | 20.32 | 18.59 |
25〜29歳 | 23.63 | 20.88 |
30〜34歳 | 27.11 | 21.55 |
35〜39歳 | 30.53 | 22.49 |
40〜44歳 | 33.63 | 23.41 |
45〜49歳 | 37.54 | 24.03 |
50〜54歳 | 40.84 | 23.42 |
55〜59歳 | 41.81 | 22.40 |
60〜64歳 | 27.82 | 17.55 |
65〜69歳 | 24.62 | 16.34 |
70歳〜 | 22.87 | 15.87 |
・情報通信業(企業規模合計・単位:万円・平成30年)
男性 | 女性 | |
---|---|---|
〜19歳 | 16.95 | 17.15 |
20〜24歳 | 23.75 | 23.14 |
25〜29歳 | 27.27 | 25.77 |
30〜34歳 | 32.33 | 29.45 |
35〜39歳 | 37.25 | 30.60 |
40〜44歳 | 43.05 | 32.96 |
45〜49歳 | 48.01 | 37.00 |
50〜54歳 | 52.57 | 40.29 |
55〜59歳 | 53.39 | 39.63 |
60〜64歳 | 33.15 | 21.97 |
65〜69歳 | 29.29 | 21.88 |
70歳〜 | 36.02 | 26.02 |
・運輸業・郵便業(企業規模合計・単位:万円・平成30年)
男性 | 女性 | |
---|---|---|
〜19歳 | 17.77 | 18.15 |
20〜24歳 | 21.47 | 20.40 |
25〜29歳 | 24.10 | 22.76 |
30〜34歳 | 27.56 | 23.36 |
35〜39歳 | 29.86 | 23.41 |
40〜44歳 | 30.89 | 24.43 |
45〜49歳 | 31.56 | 24.80 |
50〜54歳 | 32.20 | 24.76 |
55〜59歳 | 31.63 | 23.10 |
60〜64歳 | 24.48 | 18.77 |
65〜69歳 | 22.08 | 18.05 |
70歳〜 | 20.84 | 18.49 |
出典:厚生労働省「平成 30 年賃金構造基本統計調査の概況」
平成30年度の賃金構造基本統計調査の概況によると、今回紹介した4業種のいずれも50代が賃金のピークを迎えています。
建設業の男性の年収のピークとして、43.4万円となっているため年収換算であると約500万円となります。
年間賃金の総支給額の推移
国土交通省が発行している「建設業における賃金等の状況について」によると一般的に年齢とともに平均年収が増加していきます。
ただし54歳をピークに下がっていく傾向にあるほか、年間賃金の総支給額はその年ごとに変わってきています。
たとえば建設業の場合、2012年から平均賃金が上昇しています。
2012年の建設業男性生産労働者の年間平均賃金は「391.57万円」ですが、2017年には「444.99万円」と136%上昇しています。
出典:国土交通省「建設業における賃金等の状況について」
・建設業(企業規模合計・単位:万円・平成30年)
男性 | 女性 | |
---|---|---|
〜19歳 | 18.96 | 16.86 |
20〜24歳 | 22.44 | 22.26 |
25〜29歳 | 25.76 | 23.34 |
30〜34歳 | 30.20 | 24.29 |
35〜39歳 | 33.04 | 24.49 |
40〜44歳 | 37.52 | 25.27 |
45〜49歳 | 41.87 | 25.65 |
50〜54歳 | 43.43 | 26.63 |
55〜59歳 | 42.60 | 27.87 |
60〜64歳 | 33.39 | 22.62 |
65〜69歳 | 28.57 | 21.13 |
70歳〜 | 24.58 | 19.64 |
出典:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査の概況」
建設業を例にとると、給与は男女ともに40〜50代がピークとなっています。
男性は50〜54歳で、女性は55〜59歳ごろにピークの時期を迎えています。
このことから、給与は現場での経験や管理能力を重視しているのではないかということがうかがえます。
ここまでは業種ごとの平均年収の違いをご紹介しました。
では施工管理技士の資格別となると、年収はどう違ってくるのでしょうか。
ここでは建築、電気工事、土木、管工事、電気通信工事、造園、建設機械の7種類の資格の概要と平均年収を紹介します。
施工管理の平均年収と給料:建築
建築施工管理に関係する資格には「建築施工管理技士」があり、建築工事の施工計画の作成や工程管理、安全管理などを行います。
1級の場合、以下のいずれかに該当している必要があります。
・大学卒(指定学科)の場合、3年以上の実務経験
・短期大学卒(指定学科)の場合、5年以上の実務経験
・高等学校卒(指定学科)の場合、10年以上の実務経験
・学歴問わず15年以上の実務経験
資格がない場合の平均年収は約400〜500万円とされています。
建築施工管理技士の資格があれば、資格手当が出るため、年収アップが期待できます。
企業によっても異なりますが、700万円を超える平均年収をもらえる可能性もあります。
施工管理の平均年収と給料:電気工事
電気工事に関連する資格には「電気工事施工管理技士」があります。
1級電気工事施工管理技士の資格があれば、特定建設業の監理技術者になることが可能です。
2級の資格があれば、一般建設業のおける主任技術者に認められます。
1級と2級、そして学歴によって受験資格が異なります。
1級の場合、以下のいずれかに該当している必要があります。
・大学卒(指定学科)の場合、3年以上の実務経験
・短期大学卒(指定学科)の場合、5年以上の実務経験
・高等学校卒(指定学科)の場合、10年以上の実務経験
・学歴問わず15年以上の実務経験がある
電気施工管理技士の平均年収は約500〜700万円とされています。
やはり1級の資格を持っている方が平均年収は高めに設定されていることが多いです。
施工管理の平均年収と給料:土木
土木施工管理に関係する資格は「土木施工管理技士」で、他の施工管理の資格同様に実務経験が必要です。
1級の場合、以下のいずれかに該当している必要があります。
・大学卒(指定学科)の場合、3年以上の実務経験
・短期大学卒(指定学科)の場合、5年以上の実務経験
・高等学校卒(指定学科)の場合、10年以上の実務経験
・学歴問わず15年以上の実務経験がある
1級は比較的大規模の土木工事を、2級は比較的小規模の土木工事の施工管理を担当できます。
土木施工管理の平均年収で最も多いのは400〜500万円とされています。
しかし、1級土木施工管理技士の資格があれば資格手当が出る場合もあるため、700万円以上の年収アップが可能です。
施工管理の平均年収と給料:管工事
管工事に関連する資格は「管工事施工管理技士」です。
1級の資格は特定建設業の監理技術者に、2級は一般建設業の主任技術者に認められます。
1級を受験する場合、以下のいずれかに該当している必要があります。
・大学卒(指定学科)の場合、3年以上の実務経験
・短期大学卒(指定学科)の場合、5年以上の実務経験
・高等学校卒(指定学科)の場合、10年以上の実務経験
・学歴問わず15年以上の実務経験がある
1級管工事施工管理技士の場合、500〜700万円ほどとされています。
受験には実務経験が必要です。
1級と2級では必要な受験資格が異なるので、受験前にしっかり確認することが大切です。
施工管理の平均年収と給料:電気通信工事
電気通信工事に関連する資格には「電気通信工事施工管理技士」があります。
電気通信工事施工管理技士は2019年に新設された資格です。
この資格があれば、営業所の専任技術者や電気通信工事の主任技術者、監理技術者として認められます。
1級を受験する場合、以下のいずれかに該当している必要があります。
・大学卒(指定学科)の場合、3年以上の実務経験
・短期大学卒(指定学科)の場合、5年以上の実務経験
・高等学校卒(指定学科)の場合、10年以上の実務経験
・学歴問わず15年以上の実務経験がある
電気工事現場に必要な資格ですが、平均年収は約500〜700万円ほどとされています。
1級の資格があればさらなる年収アップも期待できます。
施工管理の平均年収と給料:造園
造園に関連する資格は、「造園施工管理技士」です。
造園工事に関する責任者としての役割を担います。
この資格があれば、専任技術者、主任技術者、監理技術者として認められます。
1級を受験する場合、以下のいずれかに該当している必要があります。
・大学卒(指定学科)の場合、3年以上の実務経験
・短期大学卒(指定学科)の場合、5年以上の実務経験
・高等学校卒(指定学科)の場合、10年以上の実務経験
・学歴問わず15年以上の実務経験がある
造園業は実績に左右されることが多いとされており、平均年収は約300〜600万円と幅があります。
他の資格同様、1級と2級で必要な受験資格が異なるため注意しましょう。
施工管理の平均年収と給料:建設機械
建設機械に関連する資格には「建設機械施工技士」があります。
建設機械施工技士とは、建設工事の機械化施工に関する資格です。
この資格があれば建設業法で定められている専任技術者・主任技術者、監理技術者として認められます。
資格には1級と2級があり、それぞれ受験資格が異なります。
1級を受験する場合、以下のいずれかに該当している必要があります。
・大学卒(指定学科)の場合、3年以上の実務経験
・短期大学卒(指定学科)の場合、5年以上の実務経験
・高等学校卒(指定学科)の場合、10年以上の実務経験
・学歴問わず15年以上の実務経験がある
平均年収は約400〜500万円ほどとされていますが、資格があればさらなる資格アップが見込めます。
平均年収はエリアや月別によっても異なります。
厚生労働省の「平成29年度産業別1人平均月間所定内給与額(事業所規模30人以上)」によると、月別の賃金は以下のようになっています。
年月 | 建設業 |
---|---|
1月 | 338,769円 |
2月 | 339,400円 |
3月 | 346,166円 |
4月 | 347,137円 |
5月 | 335,836円 |
6月 | 344,424円 |
7月 | 341,681円 |
8月 | 340,658円 |
9月 | 340,783円 |
10月 | 340,758円 |
11月 | 332,014円 |
12月 | 338,569円 |
出典:厚生労働省「62表 産業別1人平均月間所定内給与額(事業所規模30人以上)」
全体的に月別の賃金に大きく違いはありませんでした。
では、都道府県ごとに比較するとどのようになるのでしょうか。
都道府県別の平均月間現金給与額
平均月間現金給与額は、都道府県によってかなり差があります。
ここでは厚生労働省の「都道府県、産業別1人平均月間現金給与額(事業所規模30人以上)」を参照に、建設業界の都道府県別の月間賃金の上位3都道府県を紹介します。
1位:愛知県 648,164円
2位:大阪府 636,157円
3位:東京都 563,365円
上位3都道府県を比較すると、都市部で月額賃金が多いことが分かりました。
出典:厚生労働省「65表 都道府県、産業別1人平均月間現金給与額(事業所規模30人以上)」
業種別・年齢別の平均年収を見て、自分の年収が低いと感じた場合、上げるにはどうしたらいいのでしょうか。
ここでは年収を上げるために今からできるポイントを紹介します。
資格を取る
現在資格を持っていないなら、資格取得を検討してみましょう。
まずは2級、2級を持っているなら1級と、より上位の資格を目指すのがおすすめです。
上記で紹介したように、より上位の資格になるほどできることが増え、年収も増える傾向にあるためです。
より好条件の求人に応募するために、資格があれば有利になるでしょう。
業務量を増やす
物理的に業務量を増やすことで年収を上げる方法です。
副業がOKの企業であれば、本業のほかに副業を行うことで年収を上げられます。
しかし働く時間が増えるので、体調を崩す可能性があります。
その場合本業にも影響が出てしまう可能性があるので、自分の体調と相談しながら働く時間を調整しましょう。
労働環境を変える
転職して労働環境を変えることも有効です。
転職することで年収が上がり、キャリアアップにつながる可能性があります。
自分ひとりでは転職が難しい場合、転職エージェントなどに相談するのもおすすめです。
転職の際に自分ひとりでは年収の比較や交渉が難しいことも多いですが、転職のプロであるエージェントならフォローしてもらえることも多いです。
自分ひとりで悩んでいる場合は、ぜひ転職の相談をしてみましょう。
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平均年収を知ってこれからのキャリアを決める
建設業界の平均年収は、年齢・エリア・資格の有無によって異なります。
年齢の場合、40〜50代にピークを迎えます。
また愛知県や大阪府、東京都など都市部で給与が多い傾向にあります。
これらの平均年収を見て、さらに年収を上げたい場合は資格取得を検討するのがおすすめです。
施工管理技士には分野ごとに資格があり、より上位の資格があるほど年収も上がることが多いです。
さらに年収をアップさせたいなら転職を検討してみましょう。
転職によって資格やスキル、経験などを評価されたり、ベースの年収が現職より高かったりすることで、年収が上がる可能性があります。
ひとりでの転職が不安な場合は、転職エージェントなどを利用するのがおすすめです。
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