ページトップに戻る
公開日時 2019.09.20
最終更新日時 2022.04.06

徹底した安全衛生管理で作業環境の向上と労働災害の未然防止を!

日頃から「ご安全に!」と声をかけ合うことが日課となっている皆さんですが、なぜ安全衛生管理が必要なのか、何のためにこのような活動を行っているのか、考えたことはありますか?

労働災害は従業員や作業員の身を危険に晒すだけでなく、会社にも多大な損害を与えます。

安全衛生管理の徹底はそういった労働災害リスクを抑制することはもちろんのこと、生産性や品質の向上にも繋がるなど、実は大変メリットの多い活動でもあるのです。

具体的にどのような活動を行っているのか、詳しく見ていきましょう。

安全衛生管理が求められる理由

企業には、労働者の職種や作業内容等に応じて安全に対する必要な配慮をすることが求められています。

中でも建設業は、他業種に比べて安全衛生に関する規定が厳しくなっているのです。

まず、その理由について説明します。

建設業における労働災害の発生状況

2018年に発生した労働災害は死亡災害が909人、死傷災害が12万7千人で、その内建設業における死亡災害は309人、死傷災害は1万5千人でした。

死亡災害については前年より7%減少しているものの、全産業における死亡災害の3分の1が建設業で起きているという現実は、とても見過ごせるものではありません。

昭和30~40年台には年間2,000件超、平成の始めには年間1,000件を超えていた建設業の労働災害による死亡災害件数は、長年にわたる安全衛生活動が功を奏し、緩やかながらも着実に下降を続けてきました。

しかし、ここ数年は300件前後で停滞している印象を受けます。

2018年度の建設業における事故発生状況を見ると、死亡災害で最も多いのは「墜落・転落」で44%。次いで道路上での「交通事故」と、機械などによる「はさまれ・巻き込まれ」が10%。「激突され」「崩壊・倒壊」「飛来・落下」が6%となっています。

死傷災害では最も多いのが死亡災害と同様「墜落・転落」で34%、次いで「はさまれ・巻き込まれ」「転倒」の11%です。

(出典:厚生労働省|平成30年建設業における労働災害発生状況

労働災害の発生によって生じる損害

実際に労働災害が発生してしまった場合、企業が負うリスクとはどのようなものなのでしょうか。

建設業者の責任において労働災害や人身及び物損事故が発生した場合、建設業者は企業として4つの責任を負うことになります。

まず「刑事責任」。労働安全衛生法違反などにより死傷災害が発生した場合、業務上過失致死傷の罪に問われることがあります。

2つ目は「行政責任」。建設業者に対し、使用停止命令や指名停止・入札参加停止の他、許可取消や営業停止などの処分が行われます。

3つ目「民事責任」。民法の安全配慮義務や注意義務に反したとして、慰謝料等の支払いが発生する場合があります。

最後に「社会的責任」。各種メディアで報道されることにより、社会的信用が失墜します。

その他にも、労災保険の保険料増額、被災者への療養費の支払いや遺族への補償、訴訟にかかる費用、建設現場における物的な損失や工事の中断・遅延などによる損失・費用の増加といった金銭的な負担も大きくのしかかります。

労働力を失うことや、企業イメージの低下による営業上のダメージなど、間接的に受ける損失も決して少なくありません。

そして、残念なことに、このような不利益や責任から逃れるための労災隠しが後を絶たないのも現実なのです。

労働災害が発生する理由

このように、常に危険と隣り合わせで作業を行っている建設現場ですが、建設業において労働災害が多発するのは、その作業内容や作業場所だけが原因ではありません。

建設業には一品受注生産という特性があり、工事が完了すれば現場も変わります。

安全設備を配するなどして作業環境を整えても、それを永続的に使用できるわけではなく、現場が変わればまた新たな場所で新たな対策を講じなければなりません。

一つの現場においても、完成までの間、現場の状況や作業内容は日々変化していきますから、それに伴い安全対策も変えていく必要があります。

建設業のもう一つの特性である重層下請構造も、安全性の低下に拍車をかけています。

下位下請けの意見が元請に届きにくく、元請からの指示が下位下請けに伝わりにくい上、工事の進捗に合わせて専門業者が次々と入れ替わることで、安全衛生について意思疎通を徹底することが難しい状況にあるのです。

このような状況下において労働災害の発生を抑えるには、企業全体で安全衛生管理に取り組み、従業員・作業員の一人一人が基本的な安全ルールを守っていくことが重要だと言えます。

労働安全衛生法について

安全に関する基本的なルールとして、まず挙げられるのが「労働安全衛生法」です。

昭和22年の日本国憲法の第27条第2項(賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める)を受けて労働基準法が制定され、その中の労働者の安全と衛生についての規定を分離独立させる形で、昭和47年に制定されました。

(目的)

第一条 この法律は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。

(引用:労働安全衛生法第1条)

上記のとおり、労働災害を防止するために責任体制を明確化し、労働者の安全と健康及び快適な職場環境の確保を目的とした法律で、主に安全衛生に関わる組織体制や事業者が講ずべき措置、安全衛生教育等について規定されています。

改めて労働災害の発生の推移を見てみると、昭和47年から昭和50年にかけて死傷災害件数に大幅な減少が見られます。それは、建設業においても例外ではありません。

これはやはり、労働安全衛生法が制定されたことによる効果があったと考えるべきでしょう。

俺の夢は「施工管理技士の派遣転職」に特化し、業界最大級の求人数、30年以上の転職サポート実績を誇る求人サイトです。
このサイトでは、施工管理技士の方に役立つ情報を「トレンド」「キャリア」「知識」の3つに分けてお届けしています。
運営企業:株式会社 夢真

Twitter LINE
NEW

新着求人

2024年4月19日更新
新着情報0
現在、新着求人はありません。