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そもそもバスダクト工事とは?バスダクト工事のメリット12選解説

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公開日時 2023.03.10 最終更新日時 2023.03.10

目次

そもそもバスダクト工事とは


バスダクト工事とは、バスダクト(電力幹線用部材の一種)内に板状導体を通して、機械や器具に送電する工事方法のことです。バスダクトは、大電流を要する変圧器二次側の主観線にも使うため、分岐が多い工場内電力幹線などにも施されます。

バスダクトにおける接地工事には種類があり、工事の実施が許される場所も電気設備技術基準の解釈で定められています。電圧関連の工事なので、相応のリスクがあると言えます。まず概要として、接地工事の種類や施工方法について紹介していきます。

バスダクト工事の種類

バスダクト工事には、フィーダバスダクト・プラグインバスダクト・トロリーバスダクトといった3つの種類があります。フィーダバスダクトはプラグ受口を持たないタイプで、幹線で使います。接続部にはボトルナット、導体全体には絶縁被覆を備えています。

プラグインバスダクトは、バスダクトから分岐できるようにプラグ受口を設けてあるタイプです。トロリーバスダクトは、バスダクト下部を開放し、走行可能な絶縁トロリーを導入したタイプを指します。

 バスダクト工事の施工方法

機械や器具に電気が送られるよう、バスダクト内に板状導体を通す方法で施工します。バスダクト工事は施工可能な場所が予め決められており、屋内の乾燥した露出場所や点検可能な隠蔽場所にのみ施工が行えます。

ただし、露出場所や隠蔽場所がダクト内部に浸水と滞水が起こるリスクがない構造で、且つ使用電圧300V以下の場合には、屋側や屋外での施設が可能とされます。また、低圧屋内配線で施工する時には、ダクト支持点間距離や電線相互接続などに注意が必要です。

バスダクト工事のメリット12選


バスダクト工事のメリットは実にたくさんあります。もちろんデメリットもありますが、それ以上にメリットの数が多いのです。たとえば、大電流に最適・電圧降下を抑制可能・負荷バランスの不均等に対応できるなどがあります。

送電設備の工事方法は他にもある中、なぜバスダクト工事が選ばれるのかはメリットを知ることで理解できます。一般的に挙げられる12個のメリットを以下にご紹介しますので、把握しておきましょう。

バスダクト工事のメリット1:導体を絶縁で固定する大電流に適している

バスダクト工事のメリット1個目は、導体を絶縁で固定する大電流に適することです。定格電力は小型タイプで200Aから、大型タイプで4000〜6000Aまで流すことができます。さらにプラグイン遮断器の差替で分岐変換が簡単なため、工場でよく採用されます。

大電流に対応できることから、変圧器二次元でも用いられます。変圧器の二次側母線に流れる電圧は数千Aにもなるため、銅バーなどを使った送電方法が一般的です。感電の恐れがある開放式変電設備などでは特に、バスダクトによって安全性が向上します。

バスダクト工事のメリット2:電圧降下を小さく抑えられる

バスダクト工事のメリット2個目は、電圧降下を小さく抑えられることです。電圧降下は回路・装置に電圧をかけた時に電線やケーブルの末端に行くにつれて電圧が下がる現象で、線が持つ少しの電気抵抗による電圧で電流が流れると熱が発生して低下します。

バスダクトの構造は、ケーブルよりも導体が太く、導体相互距離が小さいといった特徴があります。これによりリアクタンス(コイルやコンデンサーの交流時に電流位相を変更する抵抗部)が小さくなるため、電圧降下の幅が低く収まります。

バスダクト工事のメリット3:負荷バランスの不平衡に対応できる

バスダクト工事のメリット3個目は、負荷バランスの不均等に対応できることです。バスダクトの幹線は大容量な集中幹線になっており、その構造上たくさんの分岐を作ることができます。

分岐が増えると1つにかかる負担が少なくなるため、負荷バランスが平準化します。また、負荷が大きい分岐幹線とバスダクト工事を混在させた場合でも、負荷バランスが不均等にならないよう保つことができます。

バスダクト工事のメリット4:ケーブルより短絡容量が高い

バスダクト工事のメリット4個目は、ケーブルより短縮容量が高いことです。バスダクトの短絡容量は、ケーブルよりも高くなっています。大電流に対応可能な堅牢性は、この短絡容量の高さによって実現されているのです。

変圧器の直近で発生する短絡事故に対する耐久性も高いため、降圧変圧器や特高変圧器の近くに位置する二次側母線にも使用できます。ただし、変圧器のインピーダンス(交流回線における電流の流れにくさ)で耐久性は変動します。

バスダクト工事のメリット5:温度勾配の発生を防ぐことができる

バスダクト工事のメリット5個目は、湿度勾配の発生を防げることです。バスダクトなどダクトの内部は導体で充填されているため、熱対流が起きません。

そういった構造の影響で、垂直敷設や縦向敷設などの設置方法を行なっても温度勾配が発生せず、電力品質が均一に保たれます。

バスダクト工事のメリット6:接地の連続性を確保しやすくなる

バスダクト工事のメリット6個目は、接地の連続性を確保しやすいことです。バスダクトは取り付けた導体カバーによって電気的に接続されるため、基本的に接地が連続します。つまり、フィーダーごとにボンディング(接着や結合)を行う必要がありません。

ただし、導体カバーの取り付けを行わない部分ではボンディングアースを要する場合もあります。バスダクトの中で導体カバーを取り付けない部分には、端部などがあります。場所により必要・不必要が分かれるため、事前に確認しておきましょう。

バスダクト工事のメリット7:漏洩磁束を低減することができる

バスダクト工事のメリット7個目は、漏洩磁束を低減できることです。導体相間が近くて外部に向く漏洩磁束が小さいため、近接する通信線に対しての誘導障害を低減します。

これにより、OA関連機器や測定機器にかかる負担を最小限に抑えることができます。特に漏洩磁束が重大な事態を招く環境(医療機器など)では、バスダクトでリスクの低減を図っています。

バスダクト工事のメリット8:延焼のリスクを防げる

バスダクト工事のメリット8個目は、延焼リスクを防げることです。導体で充填されたダクト内部は、火災時に発生した煙の煙道(排ガスや煙を炉やボイラーなどから煙突に導く通路)になるリスクがありません。つまり、延焼する可能性が低いのです。

バスダクト工事が工場で取り入れられることが多い理由には、この延焼リスクを低減できるメリットも関係しています。ケーブルは構造的に延焼リスクがあるため、火災の心配がある場所ではバスダクト工事の導入も検討しましょう。

バスダクト工事のメリット9:工期短縮が期待できる

バスダクト工事のメリット9個目は、工期短縮が期待できることです。ケーブルは建物の上棟後に配線√(ケーブルラックなど)が確保されないと敷設工事を行えませんが、バスダクト工事は建築工程に合わせて下層階から組み立てることができます。

バスダクト工事は建物の上棟を待たず建築工程の段階と同じタイミングで敷設を進めることができるため、工程が短縮される可能性があります。工程が短縮された結果として、完成までの工期も短く済むということです。

バスダクト工事のメリット10:増設の施工性が高まる

バスダクト工事のメリット10個目は、増設の施工性が高まることです。プラグインブレーカーで分岐機構を持たせると、分岐増設が簡単に行えます。特に容量のあるバスダクトであればプラグインブレーカーの接続だけで幹線を分岐でき、増設がより簡単です。

負荷変動が頻繁な工場系建築物では、設備の増強や改修などで必要・不必要なケーブルが残置されている状況が珍しくありません。これは放熱性能低下や異常加熱による火災原因などリスクがあるため、増設後の危険性も低減できるバスダクトが有用です。

バスダクト工事のメリット11:活線での増設や変更ができる

バスダクト工事のメリット11個目は、活線で増設や変更が行えることです。敷設されたバスダクトは、活線でプラグインできるシステムなら増設や変更が起きても停電しません。増設により負荷が増えることになっても、停電の心配は極めて低いとされます。

停電なく負荷を変更できるメリットは、停電が致命的な事態に繋がる環境やOA化が高度なオフィスなどでは非常に助かるものとなります。病院などでバスダクト工事を採用することが多い理由には、増設時に停電しないことも含まれています。

バスダクト工事のメリット12:ケーブルよりも美観が高まる

バスダクト工事のメリット12個目は、ケーブルよりも美観が高まることです。ケーブルは大量に敷設されるため、見栄えのまとまりがありません。また、増設後には不要となったケーブルも混ざって山積みになりがちで美観性に優れません。

一方、バスダクトは電路がまとまっているため、スッキリした美観が実現できます。また、電路がまとまっているとトラブル発生のリスクも低減されます。

バスダクト工事のデメリット4選

バスダクト工事のデメリット4選

バスダクト工事にはたくさんのメリットが存在していますが、もちろんデメリットもあります。デメリットとして挙げられる内容は主に4つ、複雑な施工に向かない・周辺環境に注意・トラブル時の影響範囲が広い・コストがかかるなどです。

デメリットの数はメリットの数よりもかなり少ないのですが、安全のために把握しておく必要があるものです。参考までにご紹介しますので、確認しておきましょう。

バスダクト工事のデメリット1:施工方法が複雑である

バスダクト工事のデメリット1つ目は、複雑な施工方法を行うことが難しい点です。直線的な施工であれば効率的ですが、直線がズレたり曲がったりする場合にはその部位に専用の部材(曲がり部材や分岐部材など)が必要になります。

直線ではない部位が増えれば増えるほど必要になる部材も多くなり、時間や手間がかかります。複雑な施工方法にも不向きであり、できる限り直線的な部分が多くなるように施工計画を練る必要があります。

バスダクト工事のデメリット2:敷設する周囲環境に注意が必要となる

バスダクト工事のデメリット2つ目は、敷設する周囲環境に注意することです。大電流に対応した主幹線として用いられるため、一部でも劣化などで支障が起きれば系統全体に危険が生じます。

そのため、万が一の時を考慮して周辺環境には注意しなければなりません。敷設に不向きな環境(湿気・高温・腐食ガス・異常振動など)がある場所は避けること、また敷設後にそれらが生じる可能性がない場所に施す必要があります。

バスダクト工事のデメリット3:トラブル発生時の影響が大きい

バスダクト工事のデメリット3つ目は、トラブル発生時の影響が大きいことです。流せる電流が大容量の幹線として使用することから、バスダクトでトラブルが起きると停電範囲がケーブルと比べてとても広くなります。

つまり、被害が拡大する可能性が高いのです。電流の許容範囲はバスダクトを構成する銅バーの大きさで決まりますが、さらに周辺湿度などの兼ね合いも含めて考える必要があります。敷設前に、トラブル発生リスクをできるだけ抑えるための設計が重要です。

バスダクト工事のデメリット4:コストがかかりやすい

バスダクト工事のデメリット4つ目は、コストがかかりやすいことです。分岐や曲がり部分が多い設計では、その部分ごとに専用の設置道具が必要になります。つまり、直線でない部分の数だけコストが増えてしまうのです。

さらに、熱膨張の影響対策や地震など振動で三次元変位を吸収させる目的で、一定の間隔ごとにエキスパンション部材を設ける必要があります。ケーブルよりも必要になる部材などが増える可能性が高いため、コストがかかりやすいと言われています。

バスダクト工事のメリット・デメリットを理解しよう

バスダクト工事にはさまざまなメリットがあり、その特徴から工事や病院などで用いられる需要の高い工事方法です。しかし少数ながらデメリットもあるため、その点は考慮しなければなりません。

バスダクト工事をする時には、設計の仕方などでデメリット対策を図りながら、バスダクト工事のメリットを活かすことが大事です。そのために、メリットとデメリットの双方をしっかりと理解しておきましょう。


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