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造成地購入にあたっての注意点は?切土と盛土の特徴とその見分け方3つ

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公開日時 2023.04.04 最終更新日時 2023.04.04

日本の地形について

まずは、日本の地形についてのお話ですが、日本の国土は約7割が山地・丘陵地で、台地・低地などの平地は2割ほどしかありません。そのため、宅地を作る際に切土や盛土などの方法で傾斜地を造成した宅地が多く存在しています。

全て平地であれば切土・盛土などの方法を用いて造成する必要などありませんが、日本は山地の多い地形であるためにこうした造成工事が多く行われるわけです。

造成工事について

分かりやすく一言で言うと、建物を建てられる土地を作るのが造成工事となります。造成地を作るための工事です。そして、その工事の方法に切土や盛土と言った工事の方法があるわけです。

また、傾斜地を削ってその土を下に盛って段々に宅地を作ることもあります。このように、山や丘を宅地に作り替える土地の形質変更を宅地造成と言います。

造成地について

山や丘を宅地に作り替え土地の形質を変更することを宅地造成と言うとお話ししましたが、これによって作られた宅地は造成地と呼ばれます。住宅を建てることができる土地として人工的に造成された宅地です。

都市計画法で、宅地の開発には知事(指定都市等では市長)の許可が必要であるとなっていますので、これらの開発許可を得て作られている宅地になります。

出典:「都市計画法」(国土交通省)

切土と盛土の特徴

切土と盛土の特徴

造成工事や造成地のことについてお話ししてきましたが、その際に工事で行われる方法に切土と盛土の2つの方法があるということを述べました。

2つの方法の内、どちらの方法が用いられたかでその土地の地盤の状態などが変わってきますので、造成地購入の際はこの2つの違いをしっかりと頭に入れてどちらの方法で作られた造成地なのか確認しておきたいところです。

ここからは、切土と盛土のそれぞれの特徴などを紹介していきます。

切土

切土は、高い地盤・斜面などを切り取って平坦にして造成地を作る作業方法です。

切土の特徴は、もともと地盤の固い山地や丘陵地の締まった土をそのままその場に使うため、比較的安全な地盤を保てることです。実際に盛土に比べると切土は、災害に対して耐性が高いと言われていて、住宅を建てる上で安全面で優秀だと言えそうです。

盛土

盛土は、低い地盤・斜面などに土砂を盛り上げて平坦にして造成地を作る作業方法で、他には湿地帯や畑・水田などを埋め立てる際にも用いられる方法です。

盛土の特徴は、人工的に盛った土のため、どうしても地盤が緩くなってしまうことです。地盤改良工事やしっかりと転圧をかけてあったとしても盛土後数年しないと地盤が安定しないと言われます。東日本大震災でその脆さが露見していますし、その他豪雨などの水害にも弱くなります。

切土と盛土の見分け方3つ

切土と盛土の見分け方は難しいと言われていましたが、東日本大震災がきっかけで国土交通省の指示で自治体などによる調査が進み、今では切土か盛土かなど土地の情報はしっかりしてきています。

それらの情報を確認するにあたって、直接自治体に聞いてみたり、大規模盛土造成地マップを見てみたりといろいろとありますが、切土と盛土の見分け方についての方法を具体的に3つ紹介します。

切土と盛土の見分け方1:各自治体に聞く

残念ながら、国土交通省のサイトなどを見ても、細かい土地の区別はつきません。ですので、各自治体に聞くのが手っ取り早く詳しい情報を得られる可能性が高いです。

知りたい区画が造成地であるかを自治体で確認し、造成地であれば切土か盛土のどちらなのかも聞いてみましょう。大規模盛土造成地に該当しない造成地の場合などは、直接確認しないとわからないことも多いです。

切土と盛土の見分け方2:大規模盛土造成地マップを確認する

大規模盛土造成地マップを確認すれば国が設けた基準以上の大規模な盛土造成地の位置を確認することができます。これにより、災害時に危険となり得る大規模造成地の位置は確認することができますが、切土と盛土を細かく見分けるのはほぼ不可能です。

ですが、大規模な盛土造成地の場所を把握しておけば災害に巻き込まれにくい宅地を見極める基準にはなるでしょう。

大規模盛土造成地マップの概要

このマップは、国が設けた基準である谷埋め型(盛土面積3,000平方メートル以上のもの)と、腹付け型(盛土以前の地盤面の角度が水平に対し20度、かつ、盛土の高さ5メートル以上のもの)の大規模な盛土造成地をマップで表したものです。

これは、造成前と造成後の地形を合わせた大規模盛土造成地を抽き出し作成されています。

切土と盛土の見分け方3:過去の災害事例から遡る

切土はともかく、盛土で作られた土地は災害に弱いという特徴があります。東日本大震災では地盤沈下や崩壊など多数の災害が出たことで問題になりました。

とくに、盛土の埋め立て地での液状化による被害はひどく、道路や下水などもやられ地下のライフラインはかなりの打撃を受けています。こういった災害は人工的に盛土で造成された土地でよく起こります。

大規模盛土造成地マップを公表する意図

大規模盛土造成地マップは直接的に造成地の危険性を表すものではありません。公表する意図としては、造成地の位置などの情報を共有し防災意識を高めていこうというものがあります。

宅地の所有者の方々が大規模盛土造成地の場所などを把握したうえで、常日頃から宅地や周辺の点検をし、異常があれば各自治体に連絡し対応するといった体制ができたら理想的でしょう。

切土にある土地を購入する際の注意点4つ

切土にある土地を購入する際の注意点4つ

切土と盛土がどのような感じかは説明してきましたが、いざ土地を購入する際はどのようなところを注意すべきなのでしょうか。切土と盛土では基本的に切土の方が地盤は固く災害のリスクは少ないとは言いますが、切土であればどこでもいいのでしょうか。

切土にある土地を購入する際に気になること、注意すべきであろうことを4つご紹介していきます。

切土にある土地を購入する際の注意点1:災害による地盤事故が発生しやすい?

切土にある土地自体は災害による地盤事故は発生しにくいです。地盤事故のほとんどが盛土で造成されている土地であり、全くないとは言えませんが盛土に比べると切土は災害による被害は少なくて済むことが多いです。

しかし、切土と盛土が交わり合っている境界の土地だと、かなり注意が必要になってきます。

切土にある土地を購入する際の注意点2:切土と盛土の境界の土地は避ける

実は、災害による地盤事故が多く発生している場所が切土と盛土が交わる境界の土地です。

上記では、切土にある土地自体は地盤事故が発生しにくいと言いましたが、切土部分は実際に崩れにくいのですが、対して盛土部分は脆く崩れてしまうため、その境界の土地には段差ができて建物が傾くなどの被害が出たりするのです。

このため、土地を購入する際はこのような境界の土地は避けましょう。

切土にある土地を購入する際の注意点3:造成工事に関する図面の提示をしてもらう

購入を検討している造成地が見つかれば、その造成地の開発許可を出した役所で造成計画平面図を確認させてもらい、切土か盛土かなどを確認しておきましょう。

もちろん、購入するのであれば切土にある土地で、盛土との境界になっていない土地であることが望ましいです。そのためにもこの造成計画平面図の確認はちゃんとしておいた方がいいでしょう。

切土にある土地を購入する際の注意点4:自然災害のリスクを理解しておく

注意すべきことを確認し理想的な造成地を購入できたとしても、災害を防ぎきれるわけではありません。購入した宅地が大丈夫だったとしても周辺の土地で災害が起こって間接的に災害に巻き込まれることもあるかもしれません。

自然災害により、崩壊・沈下・崖崩れ・地鳴り・液状化など、いろいろと起こり得ます。購入予定の土地だけでなく周辺の土地も踏まえて、起こり得る自然災害のリスクというのも理解しておく必要があります。

造成地の土地購入を検討する際は切土と盛土を見極めよう!

傾斜地が多いこの日本では、建物を建てるために切土・盛土などの方法で斜面を平坦にしながら開発していくしかありません。そのため、脆くなる可能性があっても盛土で造成せざるをえない土地もあり、それは現状では避けられないでしょう。

しかし、土地購入というと人生の大きな買い物の一つでありますし、切土と盛土をしっかりと見極め、失敗しない良い土地選びをしましょう。


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