鉄筋工事の能力評価基準について:施工管理職種の共通評価項目「見積」
鉄筋工事業の施工管理職種には能力評価基準が設定されています。
能力評価は、人材育成や能力開発、人事評価、採用活動などに活用されるものです。
本記事では、施工管理技士も知っておきたい「見積」の能力評価基準について紹介します。
出典:厚生労働省「05_鉄筋工事業/共通能力ユニット(見積)」
この記事でわかること »
評価の概要
鉄筋工事業は、建設物の骨格主体を施工する工事業です。
評価の基準概要は以下の様に定められています。
レベル1
上司の指示に従い、定型的な数量拾いの実施や指定書式と整合した提出書類を作成できる。
レベル2
上司の指示や打合せに基づいて、図面を基に見積に必要な業務を任せられる。
レベル3
設計図書や見積条件、施工条件等を把握し、積算、見積書の作成および顧客(との折衝を任せられる。
レベル4
最終見積金額を経営者から任されて判断できる。など
「見積」の評価基準レベル1・2
ここではレベル1と2の評価基準をご紹介します。
レベル1
能力細目と職務遂行のための基準
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- 見積条件の明確化
上司や先輩の現場踏査に同行し、条件を明確にするチェックポイントを早く体得する努力をしている。
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- 鉄筋施工条件の確認
上司と一緒に現場を訪問し、顧客との打合せに参加して、必要なメモを取っている。
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- 積算および見積書作成
見積計算の基礎知識を学んでいる。 など
必要な知識
- 鉄筋工事に関する法令や諸規定の知識
- 積算に関する知識
- 現場調査に関する知識
レベル2
能力細目と職務遂行のための基準
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- 見積条件の明確化
顧客が提示した資料や条件と打合せ議事録などに食い違いがないかどうか確認し、上司に報告できる。など
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- 鉄筋施工条件の確認
上司の指示に基づいて当該現場を訪問し、設計図書と現場条件の照査できる。など
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- 積算および見積書作成
上司の指示を受け、設計図書を基に数量の拾い出しをして、結果の確認ができる。など
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- 見積折衝
上司と一緒に顧客との見積折衝に同席し、交渉の仕方を学んでいる。など
必要な知識
- 鉄筋工事に関する法令や諸規定の知識
- 積算に関する知識
- 現場調査に関する知識 など
「見積」の評価基準レベル3・4
ここではレベル3と4の評価基準についてご紹介します。
レベル3
能力細目と職務遂行のための基準
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- 見積条件の明確化
顧客の提示条件に対して疑問点や見解の相違がある場合には、書面で顧客に確認できる。など
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- 鉄筋施工条件の確認
部下の報告を基に、予定工法の費用対効果を考慮して、見積書作成条件としている。など
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- 積算および見積書作成
部下や職長が作成した数量のチェックを行い、疑問点があれば積算方法の確認や指導ができる。など
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- 見積折衝
納得のいかない事項についてはきちんと質問し、顧客担当者との協議には落着いて自社の考え方を明確に述べられる。など
必要な知識
- 鉄筋工事に関する法令や諸規定の知識
- 積算に関する知識
- 現場調査に関する知識 など
レベル4
能力細目と職務遂行のための基準
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- 見積条件の明確化
顧客の見積提示条件に対して見解の相違や疑問点がある場合は、書面で最終確認している。など
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- 鉄筋施工条件の確認
事前に現場へ訪問し打合せを行い、設計図書と現場条件等を把握している。
また留意点などを逐一確認して、必要に応じて確認事項を文書化する様に指導できる。など
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- 積算および見積書作成
歩掛や実績に基づく加工、運搬、組立の人工数の算出を部下に指示し、社内標準として適正な労務単価を設定している。など
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- 見積折衝
先を読んだ信頼関係を築き、冷静かつ論理的な態度で協議や話し合いを行える。など
必要な知識
- 鉄筋工事に関する法令や諸規定の知識
- 積算に関する知識
- 現場調査に関する知識 など
人事評価に関する評価基準
職業能力評価基準は、仕事をこなすための知識や技術があるかどうかを確認するための基準です。
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編集部
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