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常圧蒸留装置で精製される5つの成分と沸点!主な構成4つや石油業法とは?

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公開日時 2022.09.27 最終更新日時 2022.09.27

常圧蒸留装置とは

常圧蒸留装置とは原油をガソリンや軽油などの成分に分ける役割を持っている装置で、運ばれてきた原油はまずこの装置に入れられます。物質を次々に分けていく性質から、蒸留常圧装置は「トッピング」または「トッパー」と呼ばれることもあります。

常圧蒸留装置は製油所の代表的な装置で、蒸留常圧装置の処理能力によって製油所の規模が表されるとも言われているほどです。

常圧蒸留の仕組み

常圧蒸留装置の名称の元になっている「蒸留」とは、混ざり合った物質を蒸気になる温度の違いを利用して分ける方法です。ガソリンや軽油などの物質はそれぞれ沸騰する温度(沸点)が違うので、その温度差を利用し、蒸留によって分けられています。

原油を常圧の下で加熱していき、温度差を利用して蒸留によってガソリンなどの各物質を取り出す仕組みが、常圧蒸留です。

常圧蒸留装置で精製される5つの成分と沸点

常圧蒸留装置は原油を加熱し、沸点の差を利用して成分を取り出す装置です。原油は主に5つの成分に分けることができるので、常圧蒸留装置で5つの成分が精製できます。

装置の各成分の沸点は、石油製品の需給状況などを考慮して変える場合もあります。そのため一定していませんが、目安はあります。

では、常圧蒸留装置ではどのような成分が精製され、それぞれの沸点の目安はどれくらいなのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

常圧蒸留装置の精製成分と沸点1:LPガス

常圧蒸留装置で精製できる成分の1つ目は、LPガスです。常圧蒸留装置で得られたLPガスは、さらにLPガス回収装置によって精製と分離が行われます。その結果、製品プロパンや製品ブタンとして利用されます。

LPガスの沸点は、プロパンの場合でマイナス42℃、ブタンの場合でマイナス1℃です。

常圧蒸留装置の精製成分と沸点2:灯油

常圧蒸留装置で精製できる成分の2つ目は、灯油です。常圧蒸留装置で得られた粗灯油は、さらに水素化精製装置で処理されます。

水素化精製装置で処理された粗灯油は、私たちが生活の中で使っている灯油として利用できるようになります。灯油がより多く求められるようになっているので、近年は水素化分解装置の建設が進められる傾向にあります。

灯油の沸点は、170℃から250℃程度です。

常圧蒸留装置の精製成分と沸点3:重油

常圧蒸留装置で精製できる成分の3つ目は、重油です。重油は、常圧蒸留装置の常圧残油・減圧残油・脱硫残油・接触分解装置の軽油留分など複数の成分を調合して製造されています。

粘度によって、A重油・B重油・C重油という区分があります。近年では、環境への配慮で需要が減っている成分です。

重油の沸点は、350℃以上です。

常圧蒸留装置の精製成分と沸点4:ナフサ

常圧蒸留装置で精製できる成分の4つ目は、ナフサです。常圧蒸留装置で得られたナフサは、次に水素化精製装置に運ばれて硫黄分が除去され、軽質ナフサと重質ナフサへと分けられます。

分けられた軽質ナフサなどはガソリンの基材や石油化学用の原料となり、重質ナフサは接触改質装置を利用して、主にガソリンの基材にします。基材を調合してできたものが、製品ガソリンです。

ナフサの沸点は、30℃から200℃程度です。

常圧蒸留装置の精製成分と沸点5:軽油

常圧蒸留装置で精製できる成分の5つ目は、軽油です。常圧蒸留装置から得られた軽質軽油を水素化精製装置で処理すると、軽油が製造されます。

近年では環境への配慮で、軽油にできるだけ硫黄を混ぜないように対策が取られています。そのために、軽油深度脱硫装置という名称の装置が多く導入されるようになってきています。

軽油の沸点は、240℃から350℃程度です。

常圧蒸留装置の主な構成4つ

常圧蒸留装置は、主に4つの部分から構成されています。それぞれの部分が異なった役割を持っているので、どのような構成になっているのか知っておくことが重要です。

では、常圧蒸留装置はどのように構成されているのか、主な構成4つについて詳しく見ていきましょう。

常圧蒸留装置の構成1:スタビライザー

スタビライザーとは、ナフサと液化石油ガスが混ざった成分を、それぞれの成分に分ける役割がある装置です。

ナフサと液化石油ガスが混ざった成分は、主蒸留塔と呼ばれる部分で取り出されます。その後、スタビライザーで再蒸留すると、ナフサと液化石油ガスを分離させることが可能です。

ナフサはさらに分離できるので、軽質ナフサと重質ナフサに分離するまで蒸留を行うケースも見られます。

常圧蒸留装置の構成2:主蒸留塔

主蒸留塔は、常圧蒸留装置の中心となっている、50m程度の円柱状をした装置です。主蒸留塔には、大気圧より少しだけ高い圧力をかけることによって、蒸留が行える仕組みがあります。

塔の高さによって取り出せる成分が異なっていて、たとえば上の部分からはナフサや液化石油ガスが混ざった成分が取り出せます。主蒸留塔にはトレイも設置されていて、段になっています。トレイからは軽油や灯油などの液体が取り出される仕組みです。

常圧蒸留装置の構成3:原油加熱炉

原油加熱炉は原油を加熱する役割を持っている部分です。主蒸留塔自体には加熱装置がついておらず、原油は原油加熱炉で加熱されてから主蒸留塔に送られる仕組みになっています。

加熱された原油は、送られた主蒸留塔内で一度蒸気になった後に冷やされます。この時に原油が分離します。

分離された後の灯油などは高温になっていますが、それらを冷却するために原油加熱炉で発生した熱エネルギーが利用されます。この方法が熱回収です。

常圧蒸留装置の構成4:脱塩装置

脱塩装置とは、蒸留する前の原油から塩分や水分などの不純物を取り除く目的で使用する装置です。原油の中に不純物が含まれていると、原油を精製する流れのなかでチューブを汚したり腐食の原因になったりします。

塩分が残っていると、生成された重油の品質悪化の原因にもなります。これらを防ぐために脱塩装置が取り付けられているのです。

脱塩装置には高電圧がかけられる電極付きの槽があり、電圧を利用して不純物を取り除きます。

常圧蒸留装置と関係している石油業法とは?

石油業法とは、原油の輸入が自由化されるのに伴って、1962 年に制定された法律です。

石油精製業の事業活動を調整して石油の安定的・低廉な供給の確保を図るという目的のもとで、精製設備の新築や増設は許可制にする、毎年度各社の石油製品生産の計画書を提出させるなどの内容となっています。

一次石油ショックの時にはこの法律によって市場の混乱が回避できましたが、その後は石油需要が伸び悩み、見直し論も出ています。

常圧蒸留装置の精製成分や構成を知ろう

常圧蒸留装置は、原油を加熱し、成分の沸点の違いを利用して蒸留するための装置です。主に4つの部分から構成されていて、ガス・軽油・灯油・ナフサなどの成分を精製することができます。

常圧蒸留装置の精製成分や構成を知って、原油から取り出せる成分を理解しましょう。


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