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トラフィカビリティを知る為の詳しい手順10つ|試験機の特徴や注意点も

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公開日時 2022.08.08 最終更新日時 2022.08.08

トラフィカビリティとは

トラフィカビリティ(trafficability)は、建設工事を行なう際に地面を建設機械が走行できるかどうかの度合いを表す数値で、コーンペネトロメータという機器で測定したコーン指数で表せます。

コーン指数の数値が大きいほど機械が走行しやすい地面であると評価ができ、コーン指数が小さい場合は何かしらの改良を行なうなどの処理が必要となります。

ポータブルコーン貫入試験機の特徴について

ポータブルコーン貫入試験機は、地盤の表面に人力でゆっくりとコーンを貫入させることでコーン貫入抵抗値を求めるための試験機です。この試験によって地盤の地層構成や厚さの分布状況、強度、粘性土の粘着力などを迅速かつ簡単に求められます。

試験機には大きく分けて単管式と二重管式があり、それぞれ特徴があるので両者の違いを知った上で必要に応じて使い分けることが大切です。

単管式

ポータブルコーン貫入試験機の種類としてまずは単管式があります。コーン貫入抵抗にロッド周辺の摩擦を含んで測定する方式の試験機で、外径が16mmで長さが50cmのロッドを継ぎ足して計測します。

ロッドは10cmごとに目盛が刻んであり、貫入した深さをmm単位で測定できる構造です。ロッドの周りの摩擦抵抗力を含んで測定するため、貫入深さは3~5mまでが限界でそれ以上の深さを測定する場合は二重管式を使用します。

二重管式

ポータブルコーン貫入試験機の種類としてもう1つは二重管式です。コーン貫入抵抗をロッド周面の摩擦を除いて測定できる方式の試験機で、外管は外径が22mmで内管は外径16mmで長さ50cmのロッドを継ぎ足して計測します。

先端シュー付きのロッドは40cm程度の物が一般的で、深い位置まで計測したい場合には単管式よりも二重管式が正確に確実にコーン指数を測定できます。

トラフィカビリティの測定手順10選

ここからポータブルコーン貫入試験機を使って具体的にトラフィカビリティを測定する手順について順番に解説します。正しい方法で測定しなければ、測定したコーン指数が間違った結果になり地盤の判断を誤ってしまう危険があります。

これから10項目に分けて試験方法を説明するので、書かれた通りの試験方法で正しい数値を計測することを心がけましょう。

トラフィカビリティの測定手順1:機器を正しく組み立てる

トラフィカビリティの測定手順として、まずは試験機を説明書に従って正しく組み立てることです。先端のコーンをロッドに緩みがないように接続して、ロッドの上端部分を本体に付属のスパナを使用してしっかりと固定します。

使用する最初のロッドは目盛に10と記載されたものを使用し、続いて60、110、160の順に50cmずつ目盛が増えるように順番に接続します。測定する地盤の表面に瓦礫などがないことを確認します。

トラフィカビリティの測定手順2:機器を直立にする

トラフィカビリティの測定手順として、続いては組み立てた試験機を地盤に対して垂直に立てることです。試験機が地盤に直立していないと、ロッドが斜めに入るため正しい測定ができません。

ロッドだけを見ていると垂直かどうかの判断が難しいので、ロッドの上に付けたハンドル付きのブルーピングリングと呼ばれる装置を見て、ハンドルが水平かどうか確認すると分かりやすいでしょう。

トラフィカビリティの測定手順3:ダイヤルゲージを0に合わせる

トラフィカビリティの測定手順として、続いてはダイヤルゲージの面盤を回転させて大指針を0に合わせることです。この時押し込み用のハンドル部分に力がかからない状態で0を合わせなければなりません。

コーンペネトロメータが地盤に対して垂直に立っていることを確認したら、ダイヤルゲージの数値が揺れ動かないようにハンドル部分の重量だけが作用した状態で0目盛に合わせることが大切です。

トラフィカビリティの測定手順4:1cm/sの速度で地面に貫入する

トラフィカビリティの測定手順として、続いては毎秒1cmの速度で先端のコーンを貫入させます。試験機を地盤に対して垂直に立てたままの状態で押し込み用ハンドルを握ったら、衝撃が掛からないように注意しながら垂直に力を加えます。

毎秒1cmずつコーンが貫入する速度は非常にゆっくりとした速さですが、同じペースで徐々に力を加えて貫入させることがコツです。

トラフィカビリティの測定手順5:10cm間隔の刻線で一時停止する

トラフィカビリティの測定手順として、続いてはロッドに付いた10cm間隔の刻み線まで貫入したら一旦力を抜いて停止させます。刻み線は5cmごとに目盛が刻まれているので、2目盛分のロッドが貫入されたら停止すると覚えておきましょう。

毎秒1cmの速度で力を加えながらロッドが貫入する状況を注視していると、10cmの目盛が地表面に一致したタイミングで力を抜き停止します。

トラフィカビリティの測定手順6:ダイヤルゲージの値Dを記録する

トラフィカビリティの測定手順として、続いてはロッドの貫入が10cmになった時のダイヤルゲージの読み値Dを記録します。ロッドが10cm貫入した時の数値が後で重要になる数値なので、動かないように注意してゲージを読み取り正確に記録します。

トラフィカビリティの測定手順7:最終深さに達したら引き上げる

トラフィカビリティの測定手順として、貫入と記録の作業を続けていき最終深さまで達したらロッドを引き上げます。表面では徐々に貫入していた地盤も深くなるに従って10cm貫入するまで大きな力が必要となります。

最後は力を加えてもロッドが下がらない状態になるので、その深さを最終深さとして記録し試験を終了します。先端のコーンとロッドを全て引き上げて取り外したら、コーン等に変形や曲がりがないか点検します。

トラフィカビリティの測定手順8:同一試験付近で2回以上測定する

トラフィカビリティの測定手順として、続いては同じ試験場所の近くで2回以上同様に試験を行なうことです。測定する地盤の状態などによって測定誤差が出ることや、場所によっては周囲と極端に違う結果が出るケースがあります。

そのため、同様に近くで2回以上試験することで、正確に地盤を評価でき精度も上げられます。試験回数が多いほどより正確に評価できます。

トラフィカビリティの測定手順9:各測定深さ毎の平均値を出す

トラフィカビリティの測定手順として、続いては2回以上測定した結果を元に各測定深さ毎の平均値を計算します。同じ深さでも試験場所によって少しずつ数値が違うため、平均値を計算してコーン指数の計算に使用します。

平均値を用いて地盤の評価を行なうため、試験回数を増やすほど精度が上がる理由がここにあります。

トラフィカビリティの測定手順10:コーン貫入抵抗を計算する

トラフィカビリティの測定手順として、最後は測定して得られた数値を用いてコーン貫入抵抗を計算します。コーン貫入抵抗qcは、qc=1.55×(K×D+1.28+7.65N)という計算式で算出できます。

数式の中のKは補正係数、Dは各深さ毎の読み値の平均値、Nは単管式の場合のロッド本数を入力して計算します。試験により現地の土の強さがコーン貫入抵抗qcで表され、その単位はkN/㎡です。

土質区分基準表

国交省などが定めた土質の統一分類表があり、各土質とコーン指数の相関が示されています。土質区分は大分類で礫質土や砂質土、粘性土などに区分され、中分類では更に礫や砂礫、砂、細粒分混じり礫など細かく分かれます。

コーン指数は大まかな目安として土質分類の大分類と相関があることが分かっており、試験結果を元に地盤の種類が何かを判断できます。

トラフィカビリティの他にも分かること

ポータブルコーン貫入試験機を使用して求めたコーン貫入抵抗からトラフィカビリティを判断できますが、コーン貫入抵抗から他の土木係数も推察できます。ここでは一般的に相関があることが知られている、一軸圧縮強度と粘着力について詳しく解説します。

一軸圧縮強度

一軸圧縮強度とは、側面からの圧力がない状態で上下方向に力を作用させて発揮する供試体の強度のことで地盤の強度を表すものです。供試体と呼ばれる容器に土を詰めて、容器を外した状態で上から力を加えて測定します。

地盤工学会が発行する地盤調査の方法で測定したコーン貫入抵抗と一軸圧縮強度には一定の関係があることが分かっています。一軸圧縮強度の5倍がコーン貫入抵抗値とほぼ同等になります。

粘着力

土の性質を表すものとして、土を構成している土粒子間の相互の摩擦やかみ合わせの抵抗を角度で表した内部摩擦角と土粒子同士を互いに結合している力を表す粘着力があります。砂のようにサラサラで粘着力が小さい土は山盛りにしても崩れてしまいます。

粘度のように粘着力が大きい土は急な角度で盛っても崩れません。この粘着力とコーン貫入抵抗にも相関関係があり、コーン貫入抵抗の1/10がほぼ粘着力になります。

ポータブルコーン貫入試験を行う前の注意点

ポータブルコーン貫入試験を行なう時には正確に測定するために事前にチェックしておくことがあります。試験を行なう地盤の表面が凸凹では正しく試験ができないため、土の表面はできるだけ平らに均しておきます。

またコーンを貫入する時に大きな石や瓦礫などがあると土の中に先端コーンが正しく貫入されないので、表面の木の根や小石は撤去してから試験を行ないましょう。

トラフィカビリティを理解して安全を確保しよう

建設現場においてトラフィカビリティ知ることは、建設機械が走行できるかの判断や、土の強度など性質を把握する大切な情報源になります。ポータブルコーン貫入試験機で簡単にコーン貫入抵抗を測定してトラフィカビリティを把握できます。

正しい方法で試験を行なうと土の一軸圧縮強度や粘着力などを知ることもできるので、トラフィカビリティやコーン貫入試験について知り安全に工事を進めましょう。


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