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圧密沈下とは?圧密沈下検討までの流れ3ステップや即時沈下との違いを紹介

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公開日時 2023.02.15 最終更新日時 2023.02.15

圧密沈下とは

圧密は、土質力学を触ったことがある方なら一度は耳にしたことがある単語でしょう。今回はこの圧密によって地盤が沈下する現象、圧密沈下について解説していきます。

軟弱な粘土地盤の上に荷重がかかると、土の中の水が押し出されて抜けていきます。そして土の体積は減少し、その結果地盤が沈下する、この現象を地盤の圧密沈下と言います。

そもそも圧密とは

粘性土は土粒子と間隙水で構成されています。そのため、押しつぶされると水が抜けて体積が減少します。この間隙水が押し出されて粘土が圧縮する現象が圧密と呼ばれ、土質力学の中心的課題となっています。

圧密の進行は時間tと場所zの関数として数学的に表すことができ、テルツァーギの圧密理論として扱われます。

圧密沈下の原因

圧密沈下の仕組みについて解説しましたが、実際はなぜ圧密沈下が起こってしまうのでしょうか。

原因は様々ありますが、軟弱地盤への対策を適切に施していない場合や、過剰な地下水のくみ上げが挙げられます。地下水のくみ上げは、荷重の作用により排水が起こるのではなく、地盤から水を採取することで土の体積が減少します。

圧密沈下の問題点

圧密沈下は、終わるまでに1年や2年の長期間を要することがあります。なので、建築物が完成した後も圧密沈下が続く可能性があるのです。

沈下で家が傾いた場合、バランス感覚の悪化によるめまいや頭痛、吐き気などが引き起こされる可能性があるため、国交省告示(住宅紛争処理の参考となるべき技術基準)によると、家の傾き許容範囲は3/1000までとされています。

不可逆な圧密沈下は一度起こると修復することは難しいため、事前にしっかりと対策をしておく必要があります。

圧密沈下検討の流れ3ステップ

圧密沈下を予測し、対策を講じるためには、地盤調査と圧密試験が不可欠です。不可逆な現象である圧密沈下ですが、事前にその挙動を十分予測して適切な対策を講じるならば、軟弱地盤上にも問題なく建築物を建てることができるでしょう。

ここでは、圧密沈下対策に必須である地盤調査と圧密試験について解説していきます。

圧密沈下検討の流れ1:地盤調査

地盤調査とは、構造物が作られる場所の地盤特性を調査することです。堆積環境や履歴について、地物理的な性質や力学的な性質を土質力学にもとづいて調査します。

地下水位や粒径、地盤種別、N値など地盤調査で明らかになる多くの情報をもとに、基礎形式選定や液状化検討、耐震設計など様々なことを行っていきます。あらゆる構造物の設計に、この地盤調査は不可欠です。

圧密沈下についても、この地盤調査の結果を用いて判断していきます。

圧密沈下検討の流れ2:圧密試験

そして、地盤調査結果をもって、圧密沈下が起こりそうだと判断された箇所については、圧密試験を行っていきます。圧密試験は、粘性土の圧密による沈下量、透水性、沈下速度について調査する試験です。

圧密試験は、土の段階載荷による圧密試験、土の定ひずみ速度載荷による圧密試験の2種類が存在します。

土の段階載荷による圧密試験

段階載荷による圧密試験は、8~10段階の荷重を加えていきながら、各荷重段階の決められた時間に沈下量(変位量)を測定し、圧密係数、体積圧縮係数、圧縮指数、透水係数を求める試験です。

試験の詳細な方法はJIS A 1217(土の段階載荷による圧密試験方法)に記載されています。

土の定ひずみ速度載荷による圧密試験

定ひずみ速度載荷による圧密試験は、供試体の片面排水を許しながら一定のひずみ速度で圧密し、供試体非排水面の間隙水圧の変化と軸圧縮応力から圧密係数、体積圧縮係数、圧縮指数、透水係数、圧密降伏応力を求める試験です。

試験の詳細な方法についてはJIS A 1227(土の定ひずみ速度載荷による圧密試験方法)に記載されています。

この2つの試験方法は結果に大きな差はありませんが、定ひずみ速度載荷試験のほうがより明確な結果が求められます。

圧密沈下検討の流れ3:建設前の有効地中応力の計算

土は、土粒子と水と空気から構成されていますが、土のみに働く応力を有効応力といいます。土の上に荷重(全応力)がかかる場合、水圧と土の有効応力によって荷重を支えようとしますが、排水が起こるため、荷重を支えるのは有効応力のみになります。

そのため、沈下量を予測するためには建設前の有効応力を算出し、荷重と合わせて最終的な沈下量を予測します。

計算例

全応力=有効応力+間隙水圧の原理を理解するために簡単に計算をしてみましょう。

深さ6mの地層で地盤の密度(飽和単位体積重量)は18kN/m3の飽和度が下面から排水可能だとします。水の単位体積重量を簡単のため10kN/m3とすると、間隙水圧は10kN/m3×6m=60kN/m2、有効応力は(18-10)kN/m3×6m=48kN/m2となります。

よって、深さ6m地点での全応力は、108kN/m2です。

今回は簡単な条件で計算しましたが、実際は地下水位が地盤の途中にあるなど、条件が複雑になるでしょう。

圧密沈下と即時沈下の違い

即時沈下は、圧密沈下とは異なり、荷重を加えるとすぐに沈下します。地盤の締固めが不十分かつ不均一であることが原因で起こります。

圧密沈下は粘性土で発生しますが、即時沈下は主に砂質土で発生します。透水係数の大きい砂質地盤は間隙水があってもすぐに排水されるため、収束も速いです。

圧密沈下について正しく理解しよう

今回は圧密という現象によって発生する沈下、圧密沈下について解説しました。圧密に関しては他にもたくさんの理論や仕組みがあるので、機会があれば、より詳しく勉強してみてもいいでしょう。

このほかにも地盤の特性は様々に存在します。複雑な地盤の特性を徐々に理解して、現場や設計、転職や就職に活かしていきましょう。


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