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アーク溶接2方式全9種類|アーク溶接のメリットや資格取得方法を解説

働く
公開日時 2022.08.09 最終更新日時 2023.10.27

目次

アーク溶接とは


アーク溶接とは、「アーク放電」と呼ばれる放電現象を利用して、金属同士などをつなぎ合わせる溶接方法のことを指します。

アークとは電流を電極に流した状態で物質に接触させた後、離した際に起こる気体放電現象です。高熱と強い光を空気中で発するのが特徴です。

アーク溶接の2方式


アーク溶接の種類は、現在ではその方式によって複数の種類にわかれています。

基本的にアーク溶接を行うときには、電極を用いてアーク放電を発生させています。金属であっても溶かすほどの熱で、溶けた素材同士がくっついて固まると溶接された状態となります。

消耗電極式と非消耗電極式の違い

アーク溶接の種類を大別すると、消耗電極式と非消耗電極式の2方式にわかれています。

消耗電極式と非消耗電極の違いは、電極が消耗品として扱われるのか、消耗品ではなく別の溶加材が消耗品として使われるかです。

消耗電極式では電極自体が溶加材となるため、電極を消耗しながら溶接を行います。一方で、非消耗電極式では電極からアークを発生させたところに、消耗品である溶加材を溶かしこんで溶接を行います。

アーク溶接消耗電極式の種類7つ

アーク溶接で、消耗電極式に該当する溶接方法は7つの種類に分類されます。

この消耗電極式に該当する溶接では、電流を流し続けている電極それ自体が溶け出して、部材を溶かし合わせることができる反面、連続使用には向かず電極を交換する手間があるのが特徴です。

消耗電極式の種類7つを解説しますので、参考にしてみてください。

アーク溶接消耗電極式の種類1:スタッド溶接

スタッド溶接とは、ガンにスタッドと呼ばれるボルトやナットが取り付けてあり、スタッドを母材に押し当ててアークを発生させて溶接を行う方法です。

スタッド溶接の種類には、スタッド径が太いスタッドの溶接を可能とするアーク方式、アーク方式を短時間のスパンで制御するショートサイクル方式、交流電流から溶接を行うコンデンサ方式の3つに分類されます。

スタッド溶接は、作業者の技量に依存せず、また溶接にかかる時間が短いので母材に与える影響が少ないという特徴があります。

アーク溶接消耗電極式の種類2:マグ溶接(MAG溶接)

マグ溶接(MAG溶接)とは、不活性ガスと炭酸ガスとの混合ガスを用いた、半自動または自動アーク溶接の方法です。

シールドガスとして混合ガスを用いるため、不活性ガスを用いたときと炭酸ガスを用いた溶接のときの両方の性質を合わせ持っているのが特徴です。

不活性ガス単体を用いるミグ溶接よりも、溶け込みが深くなります。また、炭酸ガスのみを用いた溶接よりもスパッタはできにくいという特徴を持ちます。

アーク溶接消耗電極式の種類3:ミグ溶接(MIG溶接)

ミグ溶接(MIG溶接)とは、不活性ガスをシールドガスに用いる、半自動または自動アーク溶接の方法です。

シールドガスを用いるため、風の影響を受けやすいという特徴があります。また、溶接に要する時間は短く、非鉄金属を溶接することも可能です。

ただし、不活性ガスを使用するため、溶接時の溶け込みが浅くなるデメリットがあります。

アーク溶接消耗電極式の種類4:サブマージアーク溶接

サブマージアーク溶接とは、フラックスと呼ばれる被覆剤をワイヤーに散布して、半自動または自動で送給するアーク溶接の方法です。

サブマージアーク溶接では、予め被膜しているので溶接時に不活性ガスを必要とせず、風の影響を受けにくい仕組みとなっています。

また、溶接時にスパッタやヒュームがあまり発生しないというメリットもあります。

アーク溶接消耗電極式の種類5:被覆アーク溶接

被覆アーク溶接とは、フラックスと呼ばれる被覆剤が塗られたアーク溶接棒を電極として使い、母材と接触させて溶接を行うアーク溶接の方法です。

溶接棒をクリップのように挟んで手動で行う溶接なので、「アーク手溶接」「手溶接」とも呼ばれます。被覆が溶融することでガスが発生したりスラグが発生して接地部分を覆うため、風の影響を受けにくいことが特徴です。

また、手作業で行うので作業者のテクニックが仕上がりに反映される手法です。ただし、溶接時に多量のヒュームが発生したり、溶け込みが浅いなどのデメリットがあります。

アーク溶接消耗電極式の種類6:セルフシールドアーク溶接

セルフシールドアーク溶接とは、被覆剤が塗られた専用ワイヤーを使い、ガスを使わずに行うアーク溶接の方法です。

セルフシールドアーク溶接では、不活性ガスを用いないため、風の影響を受けにくい溶接方法です。

ただし、シールドガスを使用するよりもスパッタやヒュームが多く発生し、また専用ワイヤーが高額になりやすいことがデメリットです。

アーク溶接消耗電極式の種類7:炭酸ガスアーク溶接

炭酸ガスアーク溶接とは、シールドガスとして炭酸ガスを用いて行うアーク溶接の方法です。

炭酸ガスは低コストで使用でき、また薄物の母材でも溶接が可能というメリットがありますが、厚板に溶接することは不向きです。

デメリットとしては、溶接時に一酸化炭素が発生するため換気を良くする必要がありながら、不活性ガスを使用するため、風の影響を受けやすい点があげられます。

アーク溶接非消耗電極式の種類

アーク溶接で、非消耗電極式に該当する溶接方法は2つの種類に分類されます。

この非消耗電極式に該当する溶接では、電極自体が溶け出すことはありません。専用の溶加材を溶かしていくことで、ある程度連続で使用することができるのが特徴です。

非消耗電極式の種類2つを解説しますので、参考にしてみてください。

プラズマアーク溶接

プラズマアーク溶接とは、電極と母材との間にプラズマアークを発生させて、溶加材を溶かし込みながら溶接を行うアーク溶接の方法です。

プラズマアーク溶接は、アルゴンガスなどの不活性ガスを用いて、タングステン電極を使用する方式となっています。ビード幅が狭く高速で溶接を行えるというメリットがあります。

また、電極の消耗を抑えられ、スパッタが発生しないという特徴もあります。デメリットとして、溶接トーチを操作するテクニックが求められる点があります。

ティグ溶接(TIG溶接)

ティグ溶接(TIG溶接)とは、不活性ガスを送り込むことで火花を抑えつつ、溶加材を溶かし込みながら溶接を行うアーク溶接の方法です。

アルゴンの不活性ガスを使用しており、不活性ガスの中でアークを起こすため、スパッタがほとんど発生しないというメリットがあります。溶加材としてフィラーワイヤーを用いて、多様な形状や金属性質でも溶接することができ、きれいに仕上がります。

ただし溶接時間が遅く、ガスを使用するので風の影響を受けやすいというデメリットがあります。

アーク溶接のメリット8つ

アーク溶接は、電極に電流を通して、気体中でアークを放電させて溶融させる溶接の方法です。電極には消耗電極式と非消耗電極式の方法があり、操作方法によって複数の種類があります。

これだけ多様な溶接方法がありますが、アーク溶接を行うメリットとは何なのでしょうか。ここでは、アーク溶接のメリット8つについて紹介します。

アーク溶接のメリット1:溶接機自体の構造が簡単で小型

アーク溶接の1つ目のメリットは、溶接機の本体構造が簡単で小型になっている点です。溶接機はAC100Vや単相AC200Vなどの電源で供給することができるため、とても手軽に使用することができます。

また、溶接機自体は電流を発生させる溶接電源としての機能のみで、溶加材などの道具を別に使用するため構造は単純になっています。

現在では、軽量化も進んでおり片手で持ち運びできる構造になっている小型の溶接機も登場しています。

アーク溶接のメリット2:安価でホームセンターでも入手可能

アーク溶接の2つ目のメリットは、ホームセンターなどで安く購入可能である点です。

現在の溶接機は軽量で持ち運びできる構造で、技術的な進歩もあり安価で販売されています。また、ホームセンターなどの小売店でも販売されています。

ホームセンターでは、溶接に関連する部品も同時に揃えることができるため、溶接設備を備えることが容易でしょう。

アーク溶接のメリット3:強度が高く小型部品の溶接に向いている

アーク溶接の3つ目のメリットは、強度が高く小型部品の溶接に向いている点です。

アーク溶接の際に発生するアーク熱は5,000℃~20,000℃と非常に高温になります。そのため、母材と溶接する金属を溶かし溶融することができます。こうして、部材ごとが溶け合うことで強度の高い溶接ができるため、特に小型部品が取れにくい溶接が可能となります。

接着を行う方式としてはろう付けといった方法もありますが、この場合は溶融温度の低いろうが部材をつないで固まっているため、溶接に比べて強度は低くなっています。

アーク溶接のメリット4:ガスを使用しない方法もあり危険性が低い

アーク溶接の4つ目のメリットは、溶接の方式によってはガスを使用しないものもあり、危険性が低いという点です。

ガス溶接などの溶接方法では、ガスボンベを使用して溶接作業を行います。そのため、火花などが引火する可能性があり、危険度は高くなります。

一方で、アーク溶接の種類には、不活性ガスを使わずに被覆剤が塗られた溶加材を使用した溶接方法があるため、危険性は低くなるでしょう。

アーク溶接のメリット5:屋外でも作業可能

アーク溶接の5つ目のメリットは、屋外でも作業が可能である点です。

ただし、屋外で行う場合でも作業者に呼吸用保護具を着用させることが義務付けられています。

出典:厚生労働省PDF
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/11305000/000654446.pdf

アーク溶接のメリット6:複数台同時稼働で作業の効率化を図れる

アーク溶接の6つ目のメリットは、複数台の同時稼働で作業の効率化を図れる点です。

溶接の種類によっては、大掛かりな溶接機材が必要になったり、ガスボンベが必要になるなど、装置や機材で場所を取られたり、移動に不向きな場合があります。

その一方で、アーク溶接機器は持ち運びできるほど小型で、比較的安価で購入できるため、複数台を所持することも容易です。よって、複数箇所で溶接の必要な建設現場などでも、同時に作業して効率良く溶接作業ができます。

アーク溶接のメリット7:スキルアップで仕事の幅が広がる

アーク溶接の7つ目のメリットは、スキルアップで仕事の幅が広がる点です。

アーク溶接には、溶接機械で自動的に作業できる部分がある反面、被覆アーク溶接などの手溶接と呼ばれる方法も多く存在します。

特に屋外の現場や人の手が必要な細かな溶接箇所も存在しています。よって、溶接技術をスキルとして身につけておくことがメリットになるのです。

アーク溶接のメリット8:転職・就職に有利

アーク溶接の8つ目のメリットは、溶接する技術があれば転職や就職に有利になる点です。

手作業で行うアーク溶接では、作業者の技量によって仕上がりに差が生まれます。溶接ビードが安定しているかや、溶け込みが十分行えているかなど、コツをつかんで高品質な作業を行うことが求められます。

そうした技術や資格を有していると、転職・就職市場でも他者と差をつけることができます。

アーク溶接作業時の注意事項6つ

アーク溶接には、他の溶接方法にはないメリットが多く存在します。しかしながら、アーク溶接は正しい操作で行わないと危険な場合もあります。

アーク溶接を使う際にもデメリットが存在しており、その点を正しく理解しておくことで、作業時の事故を防ぐことにつながります。

ここでは、アーク溶接作業時の注意事項を6つ紹介します。

アーク溶接作業時の注意事項1:溶接機に気を付ける

アーク溶接作業時の注意事項の1つ目は、溶接機に気を付けなければならない点です。

アーク溶接の方式は、被膜アーク溶接、ティグ溶接、マグ溶接、炭酸ガス溶接、プラズマアーク溶接など、様々な方法があります。

各種の溶接方法によって溶接機材や溶加材の有無などの違いがあるため、作業に合った溶接機を使うことで、安全面と作業の効率化に気を付ける必要があります。

アーク溶接作業時の注意事項2:遮光マスクに注意する

アーク溶接作業時の注意事項の2つ目は、遮光マスクに気を付けなければならない点です。

アーク溶接でアーク放電が発生する箇所では、高熱とともに強い発光が生じます。その発光を直接目で見てしまうと、強い可視光と紫外放射を浴びてしまいます。

これによって、目の網膜に障害を引き起こしてしまうことがあります。そのため、遮光マスクを装着して、強い光から保護することに注意が必要です。

アーク溶接作業時の注意事項3:サングラスを着用する

アーク溶接作業時の注意事項の3つ目は、サングラスを着用することに気を付けなければならない点です。

遮光マスクと同様に、サングラスについてもアーク放電の際に発生する強い発光から目を保護する目的があります。

アーク溶接の発光を直接見てしまうと、目が痛いといった症状や、しばらく目を開けることができなくなるといった障害が発生します。そのため、サングラスで遮光してまぶしくならないよう対処することが重要です。

アーク溶接作業時の注意事項4:革手袋や防護服を着用する

アーク溶接作業時の注意事項の4つ目は、革手袋や防護服の着用に気を付けなければならない点です。

アーク溶接では、母材と電極との間にアーク放電が発生して、高温と火花が発生します。また、溶融した溶加材や金属が周囲に飛び散るといった危険性もあります。

そのため、革手袋や防護服を着用して、作業中に手をやけどするリスクや、服に火花が散ることで引火するといったリスクを回避する必要があります。

アーク溶接作業時の注意事項5:作業場所の換気を徹底する

アーク溶接作業時の注意事項の5つ目は、作業場所の換気を徹底するという点です。

アーク溶接の種類には、不活性ガスを使用する方法があります。これらの溶接時には、周囲にガスが発生します。中でも、炭酸ガスアーク溶接では、周囲に一酸化炭素が発生しやすく、換気が不完全な場所で行うと一酸化炭素中毒になる恐れがあります。

この他にも、アーク溶接を行ったときにヒュームが発生するため、それを吸い込むことも危険です。そのため、換気の良い場所で作業することが大切です。

アーク溶接作業時の注意事項6:多めに消耗品を準備しておく

アーク溶接作業時の注意事項の6つ目は、消耗品を多めに準備しなければならない点です。

アーク溶接の方法によっては溶加材を使用することがあります。溶加材自体は消耗品のため、溶接作業をしていると量が少なくなります。

しかし、アーク溶接作業中は危険物を放置して離れることができなくなるため、消耗品はあらかじめ多めに準備しておくことが重要です。

アーク溶接の資格と取得方法

アーク溶接は、使いこなすことができれば便利な溶接方法です。作業の種類によっては作業者の技術や知識が必要ですが、それらを身に付ければ効率的に作業ができます。

では、アーク溶接を行うためには、どのような資格が必要になるのでしょうか。

ここでは、アーク溶接を使えるようになる資格の種類と取得方法について紹介します。

アーク溶接特別教育講習を受ける

アーク溶接を行うためには、アーク溶接特別教育講習を受けることが必要になります。

アーク溶接の特別教育講習は各都道府県の公的機関や民間の事業所などで行われています。

講習の内容は溶接の知識や関係法令といった学科と、溶接の実技があります。両方を受講修了することで資格を得ることができます。

アーク溶接の技術が活かせる仕事とは

アーク溶接を行えるようになれば、自身の技術を実際の仕事に活かすことができるようになります。溶接作業では金属同士の溶接を行うことができるので、金属構造物を扱う仕事では重宝されます。

では、アーク溶接の技術はどのような現場や仕事で使えるのでしょうか。

金属加工を扱う業務

アーク溶接を行える仕事の例として、金属加工を扱う業務があげられます。金属の構造物を製造しているメーカーなどでアーク溶接の資格を活かすことができるでしょう。

主な例としては、自動車や鉄道、船舶、航空機といった重量物を扱う業務では、金属を加工して溶接する技術が必要になります。

専門性が高いアーク溶接の資格取得を目指そう!

アーク溶接という技術を扱えるようになると、金属加工の業務を効率的に行うことができます。

金属構造物を造るのに溶接は必要不可欠であるため、アーク溶接の技術を身に付けていることは有意義であると言えます。

こういった高い専門性を持ち、差別化を図ることができるので、アーク溶接の資格を取得してみてはいかがでしょうか。


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