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給排水設備工事の基本を詳しく解説!

屋内排水工事の解説と注意点


屋内排水工事の施工方法は、建築物の種類や構造、設備の種類、施主の要望などにより決定されます。
屋内排水管の径、排水管の立ち上げ方法、排水トラップの種類やそれぞれの注意点、パイプスペースの必要性を解説します。

屋内排水管の径の種類と注意点

屋内排水管の径は、設備の種類や使用人数、排水管を流れる流量により大きさが違います。建築物の使用用途や設備の使用状況を考えながら、問題がないか確認しましょう。

※屋内排水管の一般的な管径
・大便器 75mm又は100mm
・小便器 40㎜又は50mm
・洗面 40㎜又は50mm
・キッチン 40mm又は50㎜
・ユニットバス 40㎜又は50mm
・造成浴室 50mm又は65mm
・掃除流し 65mm
・床排水 50mm又は65mm

屋内排水管の横走り排水管(水平に施工する排水管)の勾配は、排水管の径と流れる物の種類(雑排水か汚水か)により変わります。一般的には、管径が太いものほど緩くし、細いものほど急勾配とします。横走り排水管の水平距離が長い場合、排水管が下がる寸法が大きくなります。構造梁と干渉したり、予定していた天井高さが確保できなくなったりすることがあるので注意が必要です。

※屋内排水管、横走り排水管の最少勾配
・管径 65mm以下    勾配1/50以上
・管径 75mm・100mm  勾配1/100以上
・管径 125mm       勾配1/150以上
・管径 150mm以上   勾配1/200以上

屋内の排水管の立ち上げ方式

キッチンや洗面・浴室・便器などの水回り設備に必要な排水管を立ち上げる方法には、床排水方式と壁排水方式があります。どちらの方式を採用するかは、設備の種類や建物の構造・使い勝手・デザイン性などを考慮して選びます。

便器は床排水方式で、設備を取付ける時に直接便器内部で便器の排水口と排水管をつなぎます。また、ユニットバスも床排水方式で、ユニットバスの床下で排水口と排水管をつなぎます。

システムキッチンや洗面化粧台は、排水方式が決まっている設備もあれば、床排水か壁排水か選ぶことができる設備もあります。床排水方式と壁排水方式はそれぞれメリット・デメリットがあるので、理解した上で選ぶようにしましょう。

床排水方式は、排水管が床から出ている排水方式です。施工しやすい、施工費用(部材・人工)が安い、漏水が見つけやすい、メンテナンスしやすいというメリットがあります。デメリットは、配管回りに収納がしづらい、デットスペースができる、掃除がしにくいなどです。

壁排水方式は、排水管が壁から出ている排水方式です。壁排水方式は、排水管の周りの掃除がしやすい、配管が見えないためすっきりし、デザイン性が良いなどのメリットがあります。デメリットは、建築物の構造によっては施工が難しい、漏水がわかりづらい、メンテナンスが不便などです。

排水管は給水・給湯管と比較すると径が大きいため、構造の検討をする時から配管経路の確認が必要です。特に2階以上の設備や鉄骨造・鉄筋コンクリート造の建物の場合は、構造梁に配管のための貫通穴が必要になるケースがあります。貫通穴をあける場合には、構造補強や構造計算が必要になるので注意が必要です。

排水トラップとは?

排水管又は水回り設備には、必ず排水トラップがあります。排水トラップには水が常時たまっている場所があり(=封水)、排水管や下水から臭いや虫などが室内に侵入するのは防止する機能を持っています。

排水トラップの主な種類は5つで、Pトラップ・Sトラップ・Uトラップ・わん型トラップ・ボトルトラップがあります。

① Pトラップ
最も多く使われているトラップで、他のトラップと比較すると、封水が安定しています。壁排水方式で使われます。

② Sトラップ
床排水方式で使われている排水トラップで、洗面化粧台やトイレ手洗いなどの床排水方式でよくみられます。Sトラップは、自己サイホン現象が起こりやすいため、封水切れ(排水トラップ内の封水がなくなる)が発生しやすいというデメリットがあります。

③ Uトラップ
形状がU型で、トラップの入口も出口も水平になっているトラップです。主に排水管の横管に使われます。沈殿物がたまりやすく、流れが悪くなりやすいため、採用する際には検討が必要です。

④ わん型トラップ(ベルトラップ)
お椀をひっくり返したような構造のトラップで、システムキッチンやユニットバスなどで使われています。手を入れて掃除ができたり、わんトラップの上部を外して掃除ができるというメリットがありますが、封水切れを起こしやすいというデメリットもあります。

⑤ ボトルトラップ
新しいタイプのトラップで、ボトル型の形状をしたトラップです。洗面や手洗器などに使われています。デザイン性が良く、封水切れを起こしにくいため、PトラップやSトラップを使う設備に使われています。価格が高い、トラップサイズが大きいというデメリットがあります。

排水トラップの封水切れは、蒸発、吸い出し、はねだし、自己サイホン現象、毛細管現象などにより起こります。排水トラップの封水深さは50~100mm、設備の排水口から排水トラップウエア(上部)までの垂直距離を600mm以下にすることで、排水トラップが正常に機能し、封水切れが起こりにくくなります。

排水トラップの施工では「二重トラップ」に注意が必要です。キッチンなどの器具トラップ(キッチンの排水口にはわん型トラップがついている)がついている排水管にSトラップを取り付けたり、トラップがついている排水管の外にトラップ桝を接続するなどの二重トラップになる事例があります。二重トラップになっていると、水の流れが悪くなったり、排水するときに異音がするようになります(トラップ間の空気により音などの現象があらわれます)。このような現象がある場合は、二重トラップになっていないか確認しましょう。

パイプスペースとは?

2階以上の階に水回り設備がある場合、階下にパイプスペースを設ける場合があります。パイプスペースは、階上の水回り設備の給水管・給湯管、排水管を使用する階まで立ち上げるためのスペースです。パイプスペースがない場合は壁体内で立ち上げることになりますが、構造梁や柱に配管用の貫通穴をあけることになります。

パイプスペースを施工する場合は構造に負担がかからない、メンテナンスがしやすい、漏水などのトラブルを発見しやすいというメリットがあります。

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