建設業から新分野への進出事例:一次産業関連
近年、建設業から新分野への進出が盛んです。
たとえば農業・林業・漁業などの第一次産業にも建設業が進出しています。
本記事では、施工管理技術者も知っておきたい建設業の一次産業関連への進出事例について紹介します。
この記事でわかること »
一次産業とは
一次産業とは、自然界に働きかけることで作物を育てたり、採取したりする産業を指します。
農業・林業・漁業などが一次産業となります。
食などを含めた人々の生活を支える上で重要な産業です。
この一次産業にも、さまざまな面で建設業が進出しています。
進出事例
具体的に建設業が進出した事例には以下のようなものがあります。
出典:厚生労働省「建設業から新分野への進出事例」
農業コントラクター事業への進出
北海道の土木工事業者は、地元の酪農家が高齢化などにより労働力が不足していることに着目しました。
そこで農業コントラクターとして牧草の収穫作業の請け負いを始めたそうです。
たい肥の運搬や家畜の糞尿などの処理も行うことで、従業員の通年雇用が可能になりました。
人にも環境にもやさしい野菜の生産
岩手県の建設業者は余剰労働力を有効活用するため、雇用を維持するために農業分野へ進出したそうです。
事業化にあたり、地域の風土に根ざした農業を行うため、農産物の生産から販売までを一貫して行います。
その際に製材所から排出される樹皮などを使用したたい肥を土壌にまぜて、有機土壌で野菜を作ることで、人にも環境にもやさしい野菜が生産できました。
大型機械によって行われる低コスト稲作と地域の共存
山形県の重機サービス会社では、農業従事者の高齢化と後継者不足から受託事業の需要が高まっていると考えて、稲作の作業受託と農地の経営受託を引き受けました。
農業生産法人を設立し、農繁期には大型機械オペレーターや従業員を充てることで雇用を確保しています。
さらに高齢の農作業経験者も雇用することで、雇用の受け皿として機能していいます。
造園業から大規模畜産経営に参入
島根県の造園業者は、ノウハウを生かし、大規模畜産経営に着手しました。
農業生産法人を設立し、飼料には本業で発生する刈草を有効活用しています。
飼料にならあない木材チップや剪定くずなどはたい肥化し、土壌改良材などとして販売しています。
青森ヒバを原料とした商品開発
青森県の建設会社は、地域の活性化のため青森ヒバを活用した商品開発をはじめました。
ヒバ材を加工する際にでるおが屑を用いて芳香剤を作ったり、青森ヒバ油を用いた化粧品などの商品開発を行ったりしています。
一次産業でも活躍する建設業
建設業は本業だけでなく、農業や林業などの一次産業に参入し、成功を収めている事例が多くあります。
今後もその流れは続くものとみられています。
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