国土交通省発行「建設業における賃金等の状況について」を分解：建設労働者の雇用機会や職業能力開発機会の確保

国土交通省では、建設業の賃金などの状況についての情報を発表しています。

本記事では、国土交通省発行の「建設業における賃金等の状況について」を分析し、建設業務労働者就業機会確保事業や建設業務労働者就業機会確保事業について紹介します。

建設業務労働者就業機会確保事業

建設業務労働者就業機会確保事業は、労働者の雇用の機会を確保し、雇用の安定を図るための事業です。
通常、建設業務に関わる労働者派遣は禁止されています。

一方で建設産業は、単品受注産業のため繁忙期と閑散期の発注の波が大きいのが特徴です。
そのため労働力のバッファとしての非正規雇用や日給制が増え、それが技能伝承を阻害する原因となっていると考えられています。

このことから、建設労働者の社員化や月給制などに処遇を改善し、雇用機会や職業能力開発機会を確保する対策が必要とされています。

具体的には送出事業主や受入事業主と就業機会確保契約を結び、その契約に関して事業主段階が指導や援助を行います。
建設業務労働者は、送出事業主と雇用関係に、受入事業主と指揮命令関係にあります。

※出典： 国土交通省「建設業における賃金等の状況について」

許可基準の概要

1. 認定された実施計画に従い建設業務労働者就業機会確保事業を実施する
2. 一定の要件を満たした雇用管理責任者が配置されている
3. 個人情報を適正に管理し、送出労働者などの情報を守るための措置が講じられている
4. 上記の他十分な財産的基礎を有しており、事業を的確に遂行できる能力がある

※出典： 国土交通省「建設業における賃金等の状況について」

在籍型出向による建設業務労働者就業機会確保事業

全鉄筋が設定した基準を満たした事業主間においては、在籍型出向を実施しています。
全鉄筋は事業主（出向元）に求人情報を出し、事業主から求職情報を求めます。

また事業主（出向先）には全鉄筋に求人情報を出し、全鉄筋から求職情報を得ます。
求人情報や求職情報については、全鉄筋が運営する掲示板で各事業主に提供されます。

※出典： 国土交通省「建設業における賃金等の状況について」

労働者派遣事業関係業務取扱要領

在籍型出向は、労働者が出向元事業主と雇用契約関係があるだけでなく、出向元と出向先の事業者との間に出向契約があり、出向先事業主にも雇用させることを約して行われています。

このため、労働者派遣には該当しないとされます。

※出典： 国土交通省「建設業における賃金等の状況について」

建設労働者の雇用機会を確保するために行われる

建設産業は非正規雇用や日給制の仕事が多く、それが技能伝承の阻害となっているとされています。
そのため在籍型出向などを行い、雇用機会の確保などが行われています。

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