陸で行う工事があるように、海岸でも行われる工事があります。
主に海や河川・ダムなどの水上または水中で行う工事のことを「海岸工事」と言いますが、どのような仕事をしているかご存知でしょうか？
ここでは、海岸近くや水の工事に携わる人の工事内容や全体の流れを具体的にご紹介します。

海岸工事って何？工事内容と特徴

海岸工事は海岸やダム・排水溝のある建造物・船上まで、実に様々な水回りの工事を行います。
一番大きな仕事内容が「海岸の整備工事」となるわけですが、陸の工事と違って潜水をしての工事もあるので命に関わる内容も多いことが特徴です。

そこで、海岸工事の際には「周囲の事前調査と事前確認」が何よりも重要であり、厳しい法律もいくつかあるのです。

工事内容としては「海岸の保全施設の建設や改良に関する工事」・「海岸の自然設備の改善」などになります。

海岸工事の気になる全体の流れと施工方法

ではここで、海岸工事について全体の流れと施工方法をご紹介します。

1. 着工前事前調査
まず始めに、海岸工事を安全に行っていくために一番大切なのが「事前調査」だと言われています。
これは、どのような海岸工事であっても施工計画の中に組み込まれている留意事項となります。

具体例として、「河川や海岸の上流域の降雨量や水位・ダムの状況の確認」・「推進・地形・地域状況」・「水上・海上交通路の交通状況」・「発生の恐れがある公害内容」など、細かいものまでいくつも注意事項があります。

このような注意事項をしっかり確認し、安全な工事に勤めていくことが命を守ることに繋がります。

2. 工事用道路工
次に、工事用道路として現場内にストックしておいた発生材（捨石）をダンプトラックに積み込んで築立→砕石を重ねて均一にして工事の際に道を空けておきます。

3. 盛り土
海岸工事による盛り土には「段切り」・「盛り土」・「転圧」という3つの工程があります。

段切りとは「作業場を階段のようにして滑りにくくする作業のこと」です。
盛り土は、高く積み過ぎないように注意しながら排水機能を考えながら作業に取り掛かりましょう。
転圧とは「盛り土の最後の仕上げのこと」で、均一に土を強くしていくことです。

4. 海岸コンクリートブロック製作
海岸工事では主に品質の向上のためにコンクリートブロックを作成していきます。

5. 護岸基礎工事
次に、護岸基礎工事として「床掘り→捨石→プレキャスト基礎」というように、海岸の基礎工事を行っていきます。
ここからがメインの海岸工事となっていきます。

床掘りからプレキャストという基礎工事が終わると、今度は「吸出し防止剤→基礎砕石＋割栗石→海岸コンクリートブロック据付」という工事に移っていきます。

6. 階段工事＋裏法被覆法
工事も最終段階に移ってきました。
裏法被覆工事とは、ブロックによって鋼棒とで連結させる工事のことです。
ブロックは下段より順序良く注意しながら設置するようにしましょう。

7. 堤防天端工事
この工事では陸地をローラーによって均一に整えていく工事となります。
土を固めていく路盤が終わると、ハンドスプレーによって表層をキレイに固めていきます。

8. 運搬路整備
路面状況を監視しながら清掃や散水などを行います。
また、車両の待機場所や回転場所をチェックして接触事故を防止します。

9. 残土処理
最後に、ブルドーザーで土を均一にならしていきます。
キレイに整えたら完成です。

海岸工事は住みやすい環境や施設づくりには大きな影響を与える仕事

いかがでしょうか？海岸工事と聞くとあまり聞き慣れない現場ですが、その土地の景観つくりやキレイな自然環境の保持・公共施設を維持させる取り組みに大きく影響しています。海岸工事はほかにもまだまだ種類があるので、興味がある人はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか？