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公開日時 2018.11.08
最終更新日時 2022.04.06

【資材を学ぶ⑥】セメントの種類

建設現場では職人がセメントを使用して作業を行っていることがよくあるでしょう。
セメントにはたくさんの種類があり、建設現場では用途によって使い分けています。
では、どのような種類のセメントがあるのか見ていきましょう。

JIS規格に規定されているセメント

ポルトランドセメント

セメントの中でもっとも幅広く使用されているのは、ポルトランドセメントという種類のセメントです。
1種類だけでなく、硬化する早さや長期強度の程度などにより数種類に分かれています。
もっとも汎用性が高く一般的なのは「普通ポルトランドセメント」です。
単にセメントと言った場合には、通常はこれを指します。
また、硬化が早い「早強ポルトランドセメント」もありますが、水和熱による発熱が大きいです。
この傾向をさらに強めた「超早強ポルトランドセメント」もあります。
工期が短いときや緊急の補修工事などで使用されることが多いです。
水和熱が低めの「中庸熱ポルトランドセメント」や「低熱ポルトランドセメント」もあります。
長期強度に優れているのが特徴で、主にダムや橋脚工事の際に使用されることが多いです。

混合セメント

普通ポルトランドセメントと無機質材料を混合して作ったセメントです。
製鉄の際に得られる副産物である高炉スラグを混ぜて作った高炉セメントや、二酸化ケイ素を混ぜて作ったシリカセメントなどがあります。
あまり使われていませんが、石灰を燃焼させたときに得られるフライアッシュという物質を混ぜたフライアッシュセメントも混合セメントの一種です。

JIS規格にない特殊なセメント

JIS規格に規定されているセメントだけでは、工事で使用するのに不都合が生じる場合もあります。
そのようなときには、JIS規格にない特殊なセメントを使うことが多いです。
例えば、トンネル工事などで、ひび割れを防止するため、ポルトランドセメントに膨張剤を加えて作ったセメントを使用することがあります。
また、ダム工事などでは発熱を抑えるために中庸熱ポルトランドセメントに高炉スラグを加えて作ったセメントなどを使うことも多いです。
他にボーキサイトと石灰石から作ったアルミナセメントも特殊なセメントの代表例として挙げられます。
JIS規格にない特殊なセメントは、使用する場面が限られており、あまり汎用性が高くありません。
そのため、一般に出回っておらず、発注を受けてから作られることが多いです。

用途に合った最適なセメントを使用

セメントは一見するとどれも同じように見えますが、硬化するまでの時間や発熱量などが異なります。
使用するセメントの種類により固まって工事が完了した後の強度にも影響することが多いです。
用途に合った種類のセメントを選ぶと工事がスムーズに行き、建築物や設備も長持ちするでしょう。

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