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公開日時 2018.11.07
最終更新日時 2022.04.06

しっかり報告する必要がある12条点検の概要と目的と怠るリスクをご紹介

建築業界にいると、ついつい建物を完成させることがゴールと思ってしまう時があります。
でも、建物というのは、完成した時がスタート。それから長い間、人々が命を預ける場所にもなります。建物を長く安全に使うために建築基準法で定められているのが12条点検です。今回は12条点検の概要と目的、怠った場合のリスクも合わせて紹介します。

12条点検の概要と目的

12条点検とは、建築基準法によって建造物の安全を確保し、人々の命を守ることを目的とした制度です。
デパートや病院、ホテルなど、不特定多数の人々が日々利用する建造物は、老朽化による損傷や腐食、避難設備の不備などで、思わぬ大事故が起こる恐れがあります。
そのため建築基準法では、1級建築士、2級建築士、または国土交通大臣の定めた資格を、持つ専門の調査官らによって定期的にこれらの建物を検査し、行政庁に報告することを義務付けられています。

12条点検の対象となる建築物

すべての建物に12条点検の義務があるのではなく、次の2種類の建築物に対して調査・報告義務が発生します。

  • 病院、ホテル、学校、共同住宅などの「特定建造物」のうち、その面積は100㎡を超えるもの。
  • 階数が5階以上でかつ、延べ床面積が1,000㎡を超える「事務所その他これに類する用途に供する建築物」。

12条点検の内容

12条点検は建築物自体の点検と、建築設備の点検に大きく分けられます。
建築物の点検とは、やねや外壁、外部と屋内の防火設備や、避難経路などに関係するところを指し、3年ごとの点検が必要です。
建築設備の点検は、エレベータやエスカレータを除いた、換気や非常証明、排煙や排水の設備を調査するもので、1年ごとの点検が必要です。

12条点検を怠るリスク

12条点検を怠るとどのようなことが起こるのでしょうか。
まず建築基準法では、通知があったにもかかわらず定期報告を怠ったり、虚偽の報告をしたりした場合は、100万円以下の罰金が科せられます。
ただ、この罰金どころではない惨事となるのが、定期点検を怠った場合に火災などが起きて人が死傷した場合。
責任は所有者や管理者がとることになります。

建造物と人々を守る12条点検

12条点検は、建築物にとってなくてはならない制度です。
これまで、この点検を怠ったことにより発生した事故として、福山ホテル火災事故や、歌舞伎町ビル火災事故などがあります。
大切な建物と人々の命を守るために、12条点検があることを忘れてはいけません。

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