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公開日時 2020.02.12
最終更新日時 2022.04.06

施工管理者なら知っておきたい建設現場でのAI活用事例:道路劣化度管理AI

建設現場において地面の状態は、これから作っていく建物や施設の基盤となる重要なポイントです。
以前は人が対象の道路を巡回し、目視で行われていた道路の劣化度の点検も今やAI技術によって可能になりました。
今回は、道路劣化度管理AIの紹介と、道路劣化度管理AI導入のメリットや課題について解説していきたいと思います。

道路劣化管理AIとは


道路劣化管理AIとは、車にカメラを搭載し、走行しながら撮影した画像や映像を元にひび割れや「わだち掘れ」と呼ばれる車の走行によってできる凹凸などの道路の劣化具合を自動で判定することができるシステムのことです。
また、撮影しながらGPSによる位置情報も取得することができるので地図上にその判定結果を反映することができます。

このシステムでは、ひび割れとわだち掘れそれぞれ6万枚の画像を学習させることで制度の高い判定結果を可能にしています。
従来は人間が巡回し目視による劣化点検が行われていましたが、車で走行するだけで判定できるという点、人の目だけでは確認できない劣化具合まで判定することができるという点、継続的に記録データを蓄積することで道路劣化における傾向をつかむことができるという点から注目を集めています。

なお、この道路劣化度管理AIは既に実用段階に進んでおり、活用している地域もあるようです。

道路劣化度管理AIのメリットと課題


道路劣化度管理AIを導入するメリットは、点検作業の効率化とシステムの判定精度の高さにあります。
目視による道路巡回点検では対象の道路の幅や距離によってかなりの日数や人数が必要でしたが、このシステムを導入すれば車で道路を走行するだけで判定が行えるため点検日数や人数を大幅に削減することができます。
また、目視による点検ではひび割れやわだち掘れの劣化具合を判断するのにある程度の経験が必要でしたが、それぞれの割れ方のパターンを学習したシステムを使用すれば経験の少ないものでも点検を行うことが可能になります。
そんなシステムの課題は、あくまで車が通れる場所でしか使用できないという点と、ひび割れ・わだち掘れ以外の損傷に対応していないという点です。
今後は、歩道や自転車通行帯も判定できる小回りの利く方法を考えたり、舗装や工事に伴う埋め戻しによって生じる劣化具合なども判定できるようにしたりする必要があります。

AI技術を現場に活かすために

今回は道路劣化度判定AIの紹介と、システム導入のメリットや課題について解説してきました。
どの作業を人の手で行い、どの作業をAIで行うのか判断するにはAIの知識が不可欠です。
施工管理者としてAI導入のメリットや課題を理解し、現場管理に活かしていきましょう。

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