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地盤工事が適切でない場合に起こるトラブル4つ紹介|地盤改良工事とは?

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公開日時 2023.02.20 最終更新日時 2023.02.20

地盤改良工事とは

地盤改良工事は「地盤を強化」するための工事です。地盤がしっかりしていないと建物を建てても安定感がなく、いつ事故が起きても不思議ではありません。
将来的に地盤沈下が起きることもあるほか、地震によって土地が液状化し建物が倒壊するリスクも考えられます。
地盤が弱ければ、その地盤の上に立った建物には安心して住むことができません。そのため、地盤を強化するために手を加え、立てた建築物に不具合が生じないように工事します。
その工事のことを地盤改良工事と言います。

地盤改良工事の3つの種類

地盤改良工事には3つの工法があります。それぞれ利点や注意点があり、さらに適している土壌や環境などが異なります。
地盤改良工事の3つの工法とは、「小口径鋼管杭工法」「表層改良工法」「柱状改良工法」です。「小口径鋼管杭工法」は、小径の鋼管を埋め込み建物を支える工法です。「表層改良工法」は、表層の軟弱地盤にセメントを混ぜ込むことにより必要な強度を得る工法になります。「柱状改良工法」はセメントで柱状の改良体を作りそれを地中に埋め込み、支持力を高めます。
各工法の利点や注意点について詳しくご紹介します。

小口径鋼管杭工法

軟弱地盤に建築物を建てる際にする地盤改良工事手法です。建築物を支えることができる地盤まで小口径鋼管杭を圧入します。
軟弱地盤の下の支持地盤が深い場合に適応されることが多いです。
鋼管の先端にスパイラルフィンを取り付け、地盤を掘削すると同時に、鋼管杭を所定の深度まで回転圧入します。
圧入された杭は杭周面の摩擦抵抗(周面摩擦力)、支持地盤の強さ(先端支持力)、鋼管杭にかかる上から押し下げようとする力(鉛直支持力)によって、不同沈下を防ぎます。
重量のある建物も十分に支えられ、さらに支持地盤の傾斜や起伏にも対応できますが、コストがかかります。

利点

地盤改良工事での小口径鋼管杭工法の利点は次のように挙げられます。
小口径鋼管杭工法は施工後の地盤強化が、他の後方に比べ高いため、重量のある建物も十分に支えられます。
地上も傾斜や起伏があるように、地盤も一定ではありません。しかし、この工法では鋼管の長さを変えることにより、支持地盤が傾斜していたり起伏している土地でも対応が可能です。
また、残土や地盤の盛り上がりがほとんどなく、工事後の現場も綺麗に保てます。
後述する柱状地盤改良では、コンクリートを養生するための期間が必要ですが、この工法では養生期間も必要なく、すぐに基礎工事を進められるため納期に影響を及ぼすことも少ないでしょう。地下水脈などの問題も起こりにくい工法です。

注意すること

小口径鋼管杭工法のデメリットは比較的費用が高いと言う点があります。
そのほか、施工時は振動や騒音が発生しやすいため、施工前に近隣へ事前周知し了承を得ることが必要です。
また将来的に土地を売却する可能性がある場合、小口径鋼管杭は廃棄物となるため、その撤去費用は売り主の負担となります。
将来的に土地を売却するのであれば、地中に杭を残さずに引渡す必要があるため、撤去についても考慮する必要があります。

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表層改良工法

軟弱地盤の深さが2m以内の場合には表層改良工法が用いられます。これは、地盤の軟弱な部分を掘りセメント形固化材と現地土を混ぜ合わせ、攪拌し、30〜50cmの厚さごとに圧力をかけて地盤を固めていく地盤改良工事です。
重機で締め固めし、ローラーで均して完了となります。
基礎の下に杭を打つのではなく、均一に安定した層を作り、上部の建物を支える工法で、軟弱地盤が浅い場合に有効な工法です。
既存の土を使うため土の搬出などの必要がなく効率よく工事を進められます。しかし、セメントで固めるため、土壌が腐葉土や農耕地だった場合には土の入れ替えや配合試験を実施しなければなりません。

利点

この地盤改良工事のメリットは、現地の土とセメント固化材を混ぜ合わせて使用するため、効率が良い点です。また、固化材も入手しやすく、小型重機でも施工ができるので改良層が浅い場合比較的低コストでの工事が可能です。
また、土質の対応範囲が広く、岩やコンクリートが混じった地盤や産業廃棄物が混じっていても施工ができます。ただし、産業廃棄物が混じった地盤の場合は産廃の撤去は必要です。
地盤状の構造物の滑り止めに有効なほか、液状化対策にも有効な地盤改良工事です。

注意すること

この地盤改良工事の工法は勾配のほとんどない土地、地盤改良面積が小さい土地、地下水位が低い土地に有効な工法です。
言い換えると、急勾配の地盤での施工は難しい、地下水位が地盤改良面より高い場合も施工ができません。地下水が安定していない土地もこの工法は向きません。
また、構造物が隣接している場合には、隣接の構造物に影響が出ないように山止めなどの対処が必要となります。
軟弱層の土が腐葉土の土地の場合にはセメントの必要硬度が得られないので、配合試験を必ず実施しましょう。またph4以下の酸性土地盤の場合も同様です。
また、高度な技術が必要となるため、施工者の能力により仕上がりにばらつきがあります。

柱状改良工法

柱状改良工法は地盤改良工事の中でも軟弱地盤が2mから8mの深さがある場合に適用される工法です。
セメントミルクを現地土に混合攪拌し、所定の深度まで専用の施工機を用い地中に圧送、柱を作る工法を言います。建築物の規模により柱の太さを変え、地盤の支持力を高めることが可能です。
支持地盤がなくても施工が可能なため軟弱地盤に適するポピュラーな地盤改良工事として知られています。
短期間で強度を保てるほか、長年にわたって建物の維持ができるほか、支持地盤がなくてもセメントの柱で建物を支えるため、問題なく施工ができます。
しかし、作業には給水設備が必要となるほか、腐葉土などがあると施工が難しいです。

利点

柱状改良工法の利点は、短期間の工事で長年にわたり地盤強化を維持できることにあります。
支持地盤がなくとも施工可能で、比較的入手しやすい固化材を使用するため、鋼管杭よりも低コストです。
また、施工に使う危機が小型のため、比較的狭いスペースでも対応できるほか、施工時の騒音や振動が少なく、近隣住民への影響を減らすことができます。
基礎地盤の支持力向上のほか不同沈下対策としても有効な工法です。

注意すること

柱状改良工法は地面に柱を埋め込むため、一度工事してしまうと土地を元に戻すのが困難になります。また、作業にあたっては給水設備が必要です。施工には、セメントに水を加えたセメントミルクを使用するため、規定量以上の水が入ってしまうと柱の必要な強度を得られなくなるため、給水設備が必須となります。
産業廃棄物が埋没している場合には、攪拌翼の作業に制限が生まれます。そのため、事前に産廃物を撤去し良質な土と入れ替える必要があり、また、腐葉土土壌でも必要な強度を得られないので、事前の配合試験が必要です。

地盤改良工事が適切でない場合に起こるトラブル4つ

地盤改良工事が適切でない場合に起こるトラブル4つ

地盤改良工事の知識が不足していると、建設に適切ではない地盤改良工事となりトラブルに繋がります。施工管理者として理解した上で、確実な地盤改良を行いましょう。
トラブルに繋がる地盤とは「軟弱層の厚さが異なる地盤」「農耕地など腐葉土が混在する土壌」などがあります。
また、地層内の起伏や傾斜によっては打った杭が支持層に届かない、軟弱層と良好地盤の厚みにより杭を支えるための摩擦力に差が発生するなどの影響が出ます。
目に見える地盤だけではなく地下の地層に問題があると、地盤改良をしても地盤事故のリスクは回避できません。地盤改良工事を進めるには念入りな地盤調査が必要です。
事故を防ぐためにも、施工管理者は地盤改良工事の知識を持ち、的確な管理体制を整える必要があります。

軟弱層の厚さが異なる

軟弱層とは建築物を支えきれずに沈下を起こす可能性が高い地盤のことです。河川や水田の跡地や、埋め立て地、切土や盛り土混在の造成地などがこれに当たります。軟弱地盤に家を建てた場合には、地震の時に大きく揺れたり、不同沈下の発生などの危険があるため注意が必要です。
支持地盤に傾斜があり、その上に軟弱な地層が分布している場合など、きちんとした地盤調査をしなければそれがわかりません。支持するための杭を打ち込んだとしても、片方は支持層に届いているが、片方は届いていないといった不良な工事になり、支持層に届いていない方の地盤や軟弱層の厚い方に建物が沈下するといったトラブルが発生します。

腐葉土があるとセメントが固まらない

軟弱地盤に建築物を建てる場合には、セメントを流し込み地盤の強化をしたり支持杭にします。農耕地に建築物を建てる場合にも地盤改良工事は必要です。
しかし、農耕地は腐葉土や栄養が豊富な土壌ですが、これらの土壌とセメントの相性が良くないので、農耕地などではセメントを用いた工法の地盤改良工事は適していません。
特に腐葉土があるとセメントの固まりが悪く、地盤が固まらなかったり、セメントが固まったかを確認できないままの状態になります。
セメントが固まらなければ、支持力を得ることが難しく地盤改良工事は意味のないものになります。

軟弱層の起伏次第では杭が届いていない場合もある

地盤改良工事で杭を打つ場合、硬い地質で建築物を支えられるだけの力を持つ「支持層」まで杭を打ちます。しかし、支持層の上の軟弱層に起伏があったり、支持層に傾斜などがあった場合、同じ長さの杭を打っていては、片方は支持層まで届いているのに、もう片方は支持層まで杭が届かないという危険性があります。
杭の支持層に傾斜がある場合には、支持層に支持させた杭とそうでない杭とで支持力に差が生まれ、支持力の小さな方へ沈下が発生します。

軟弱層と良好地盤の厚みが異なると摩耗にも差が出る

土と杭が接触することで摩擦が生じます。杭の周面に生じる摩擦の力でも建築物は支持し、また沈下量を平均化する、と言った作用が期待できるのです。しかし、地質によって、摩擦の強さも異なるため、固さがランダムな地盤では摩擦力にも影響し、支持力の強弱が発生します。
軟弱層に傾斜ある場合には、軟弱層の深い部分の支持力は弱くなり、浅い場所では支持力が強くなるといったアンバランスが生まれます。

地盤改良工事における施工管理者の仕事

地盤改良工事で施工管理者が行うのは、局所的な管理ではなく作業全般に対する施工管理になります。スムーズに施行できるようにスケジュールを調整し、杭打ちや材料発注などのほか、報告書の作成も業務内容に含まれます。また安全性が確保された地盤改良工事の提案や、コスト削減について考えるのも施工管理者の大切な業務内容です。
施工管理者にはプロジェクト全体を把握するマネジメント力、トラブルに対する対応力、コミュニケーション能力のほか、基本的なWord、Excelの知識も求められます。

地盤改良工事を通じて安全性を高める専門家

地盤改良工事の施工管理者になるために必要な資格は特にありません。未経験者でも始められ、企業の求人の中には無資格でも募集しているケースが見られます。ただし、実務経験年数を積んだら国家資格「施工管理士」を取得することをお勧めします。
建設業許可は各営業所に専任技術者の配置が義務付けられています。施工管理士はこの専任管理者となることが可能なため、企業も継続的に欲しい人材です。
また、ハウスメーカーなどが家を建てる際、地盤調査や改良工事が原則義務となっているのもポイントです。資格がなくても経験の有無によって転職も有利となりますが、施工管理士を取得することにより、さらに転職先の幅が広がります。

地盤改良工事の重要性について理解しよう

地盤改良工事は、建物を建てる人々の安全を考える上でも重要な仕事です。軟弱な地盤の上に建物を築けば、地盤沈下や建物が壊れる可能性も出てくるでしょう。
それを防ぐためにもその土地の地盤を見極める地盤調査を行い、その土地の地盤に形状にあわせた地盤改良工事が必要不可欠です。一部の例外を除き、建築基準法によって地盤調査が義務付けられているほか、地質改良せずに建築した跡地盤沈下などがあれば全て施工側の責任になり大きな損害になります。そのため、地盤改良工事は「間接的」に義務化されていると言っても過言ではありません。
人々が安心して過ごせるための基盤を築くために、ぜひこの記事を参考にしてください。

建築基準法施行令第93号

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