KATOのロゴマークで知られ、1895年に創業した加藤製作所は、グローバルに事業を展開している重機メーカーです。
作業現場でも頻繁に登場しますが、メーカーごとの特徴や強みを知っておくと、現場の作業もより効果的に進められます。
ここでは施工管理者が知っておくべき加藤製作所の歴史に触れていきます。

重機メーカーKATOとは

国産重機メーカーの中でも、100年以上の創業実績をもち老舗重機メーカーとして知名度と人気を誇るのがKATOです。
建設業界で活躍する移動式クレーン（荷役機械）や油圧ショベル、アースドリルなどの重機をメインに開発から生産、販売までを行なっています。
また、道路清掃車や万能吸引車など、建設業界以外でも活躍している環境機械の開発や販売も中心事業の1つです。

オリジナリティを社風に

長年培われた実績を持っているため、中には「古い時代の名残が残る堅い社風の企業」というイメージを持っている方もいますが、実際は重機の開発においてオリジナリティを重視している社風が特徴的です。
時には時間がかかったとしても会社独自の付加価値にポイントを置くこともありました。
その結果、現在標準装備となっている3本ブラシを採用したスノースイーパー（除雪車）が誕生したこともあります。
「折れにくく広い範囲を素早く」と制限が多かったスノースイーパーにおいて、前方に3本のブラシをつけ回転数と速度を調整し、ブロワも使いながら除雪幅最大6mを実現しています。
オリジナリティを重視する社風により、KATOならではのスノースイーパー「S-580C」といった重機が誕生し、現在は除雪のメイン重機として雪国で重宝されているのです。

KATOの歴史

1895年（明治28年）、KATOの前身である加藤鉄工所が創業されましたが、当時は個人事業として展開されるほどでした。
1923年には、技術力を糧に内燃機関車および鉄道用モーターカーを成功させ、当時の鉄道省指定工場となり、事業拡大により1935年に株式会社加藤製作所が誕生。以降も事業拡大を続け、東証1部上場を経て2006年には加藤（中国）工程机械有限公司操業も誕生しています。
また、2016年にはタイでKATO WORKS（THAILAND） CO.LTDが誕生し、2018年には株式会社KATO HICOMを吸収合併しました。

時流や要望を取り入れた開発

KATOのメイン事業として生産しているクレーンでは、国内最大のラフテレーンクレーンがあります。2016年に登場し顧客から好評を得ている3軸50t吊りだけでなく、4軸80t吊りという国内最大のラフテレーンクレーンをデビューさせました。さらに、排ガス規制・新型キャブ・液晶クラスターメーター・LED 灯火器・無線式後方確認カメラなどの開発・生産にも力を注いでいます。
KATOは時代の流れによる顧客のニーズを大事にしながらオリジナリティを重視し、省エネ対策や電動化にも積極的に挑戦しているのです。今後は、重機にも自動車のような走行制御安全機能が求められているとして、新たな開発に挑戦し続けています。

技術力とオリジナリティによる事業展開

国産重機メーカーでも大手かつ老舗であるKATO。個人事業から始まり、確かな技術力で大手企業へと成長し続けてきました。
日本産の優れた技術力を持って中国やタイにも会社を設立し、オリジナリティ重視の社風で高性能・特徴的で顧客のニーズに応えた重機を開発し続けています。
今後は省エネや電動化、走行制御安全機能などの最新技術を採用した重機の誕生が期待されます。

出典：株式会社加藤製作所・沿革

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