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住宅建築における布基礎とベタ基礎の違い|比較ポイント6つとチェックする点

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公開日時 2023.02.16 最終更新日時 2023.02.16

住宅建築における基礎とは?

住宅建築する際には、土台となる基礎工事が必要となります。
この基礎とは、建物自体の荷重や、地震や台風といった災害などによる外から加えられる力を、バランスよく地盤に逃がす構造部分を指します。
地盤と建物を繋ぐ役割と、地面から上がる湿気から建物を守る重要な役割を担っています。

住宅建築における基礎の必要性

住宅建築における基礎とは、建物の1番下で建物本体を支える、コンクリート土台部分を指します。
建物の荷重は非常に重いため、地面に直接建物を建ててしまうと、地盤の緩い箇所では荷重に耐えきれず沈んでしまったり、地震や台風の際に建物が傾いてしまう恐れがあります。
基礎は、私たちが日々安心して生活を送るためにも、重要な部分であることは言うまでもありません。

住宅建築における布基礎とベタ基礎の違い

「基礎」とは、地中から立ち上げて建物を支える、鉄筋コンクリートの土台となります。
いわゆる「縁の下の力持ち」で、建物自体の重みや、地震の揺れなどの外圧を受け止め、地面に伝えて建物を守り・支える大切な構造体です。
今回は、この「基礎」の種類となる、「布基礎」と「ベタ基礎」について、それぞれの構造上の違いや特徴、メリット・デメリットを比較しながら、建築の際のチェック点などについても解説していきます。

布基礎

布基礎は、柱や外周壁、主要な間仕切りの下になる部分にのみコンクリートを打設するタイプの基礎です。
日本の木造住宅では昔から採用されていた形式です。

布基礎のメリット

「布基礎」のメリットは、コストと工期の優位性です。
立ち上がりの「基礎梁」と基礎底盤の「フーチング」で支えるのは柱や外周壁など、強度確保を必要とする箇所のみとなります。
そのため、使用する鉄筋とコンクリートの必要量が抑えられ、材料費・人件費等の節約からコスト安となります。
また、基礎の設置個所が絞られることにより、工期負担も軽減します。
「布基礎」は、木造住宅で古くから使われている基礎の構造であり、施工業者にも馴染みの深い安定した工法です。
軽量な木造住宅をはじめ、大手ハウスメーカーの鉄骨住宅などにも多数採用されています。

布基礎のデメリット

「布基礎」のデメリット1つ目は、耐震性の局所化です。
メリットで触れた通り、「強度確保を必要とする箇所のみ」の壁まわりや柱に基礎を立ち上げるため、荷重負担が分散できず、点荷重として集中してしまうことです。
また点荷重となるため、軟弱な地盤では建物の傾き・沈下の原因ともなり、地盤強化が必要となるケースも発生します。
デメリット2つ目は、地面からの湿気の影響です。布基礎は必要箇所にピンポイントで立ち上げるため、基礎部以外の床下の地面は露出しています。
このため、地面からの湿気が上がりやすく、シロアリやムカデなど虫類が発生しやすくなります。
防湿コンクリートを打つケースもありますが、構造躯体としての目的はないため、鉄筋は入らず厚みも薄いので、クラック等からの湿気上がりに大きな効果は期待できません。

ベタ基礎

ベタ基礎は建物の床下全体に満遍なくコンクリートを打つタイプの基礎です。
かつての木造住宅は布基礎が主流でしたが、安全面を考えてベタ基礎を採用する例も増えています。

ベタ基礎のメリット

「ベタ基礎」のメリット1つ目は、優れた耐震性です。
「ベタ基礎」は、立ち上がり部と床板が一体化した鉄筋コンクリート造となるため、建物への荷重負担を全体の「面」で受けて、分散して地面に伝えることが出来ます。
そのため、外部応力からの局所的な損壊やひび割れを回避し、建物をしっかり支えることが出来ます。
メリット2つ目は、湿度の防止効果です。
床下の地面は露出することなく、構造体としての厚みのある鉄筋コンクリートの床板で覆われるため、地中からの水分や湿気の上がりをしっかり防止します。
木材の腐食や地中からのシロアリ、虫類の侵入防止対策、ダニ・カビやハウスダストの発生防止にも大きな効果が期待できます。

ベタ基礎のデメリット

「ベタ基礎」のデメリットは、コストと工期への負担です。
耐震性が高まる分、立ち上がり部を含め床全体の鉄筋とコンクリートの使用量が増え、材料費・人件費共にコストアップとなります。
また、床下全体のコンクリート打設となるため、土も広範囲に掘り起こし、発生する残土の処理費用もかさんできます。
施工範囲が広がる分、鉄筋の組み付け・コンクリート打設・養生の工事期間や作業工数等が増えて、工期への負担も大きくなります。

布基礎とベタ基礎の比較ポイント6つ

布基礎とベタ基礎の比較ポイント6つ

建物がどんなに耐久性の高い工法で造られていても、「基礎」が脆弱であれば崩れてしまいます。
同様に、「基礎」にいくら耐久性を求めても、地盤が強固でなければ「基礎」の役割は果たせません。
ここでは、「建物」と「基礎」と「地盤」の関係に触れながら、「布基礎」と「ベタ基礎」の比較ポイント6つに絞って、それぞれの「基礎構造」の特性を解説します。

1:耐震性

布基礎とベタ基礎の比較ポイント1つ目は、耐震性についてです。耐震性は、鉄筋とコンクリートの量で決まります。
「布基礎」は、主要部分の基礎梁とフーチングを除いて、床下は地面が露出か、防湿コンクリートが打たれていても鉄筋は入っていません。
「ベタ基礎」は、基礎梁と鉄筋コンクリートの床板一体型ですから、耐震性は圧倒的に「ベタ基礎」の方が優れていることになります。
では、「布基礎」は危なくて使えないのでしょうか。
勿論そんなことはありません。
地面の耐力が一定強度確保出来れば、「布基礎」で問題ありません。
また、ブレース工法の鉄骨造の場合など、耐力壁から基礎立ち上がりに局所・集中的に荷重がかかるため、敢て「ベタ基礎」を採用するケースもあります。
「基礎」の選択は、「地耐力」と「建築工法」との関係であり、「耐震性」の優劣のみで決まるものではありません。

2:工期・工程

布基礎とベタ基礎の比較ポイント2つ目は、工期についてです。
「布基礎」・「ベタ基礎」共に、基本的な施工の流れは、「地盤調査」・「掘削工事」・「砕石投入」・「防水シート、捨てコン、墨入れ」・「基礎作成」となります。
一般的には、主要箇所のみ基礎立ち上げの「布基礎」より、立ち上がり部を含め床下全面鉄筋コンクリートの「ベタ基礎」の方が工期は長い傾向となります。
ただ細かい部分で、「土の掘削」は、施工範囲の狭い「布基礎」の方が手間は少なくて済みますし、「砕石投入」後の「防水シート張り」は、逆に、床全面を一気に張れる「ベタ基礎」の方が手間がかかりません。
施工業者の段取りにも依りますので、必要に応じての打ち合わせも必要です。

3:コスト

布基礎とベタ基礎の比較ポイント3つ目は、コストについてです。
これも前述した工期と同様に、手間がかかればコストもかかります。
「布基礎」と比べて大幅に増える鉄筋やコンクリートの材料費や工数増の人件費等を考慮すれば、「ベタ基礎」がコスト高の傾向となります。
ただ工期同様、作業内容として、「布基礎」の場合地面から基礎底盤までの地面の掘り込みが深くなります。
また、軟弱な地盤では「布基礎」は沈下する危険性もあるため、土地改良・強化が必要となる場合も発生します。
必ずしも「ベタ基礎」がコスト高になるとも限りませんので、基礎の比較・提案も含めて、複数業者に相見積もりを取ってみることも大切です。

4:湿気対策

布基礎とベタ基礎の比較ポイント4つ目は、湿気対策についてです。
高温多湿の日本の気候風土では、古くから木造建築住宅の高床構造で、湿度対策を取ってきました。
近年は大規模な震災を受けて、耐震性から床下も低く気密性の高い建築構造となっています。床下の狭い空間では空気も流れにくく、湿気も溜まりやすくなります。
基礎と湿気対策の関係では、防水シートと防湿コンクリートを施す「布基礎」と比べても、やはり、基礎の構造体として床下を鉄筋コンクリートの床板で覆う「ベタ基礎」の方が優位となります。

5:地域による違い

布基礎とベタ基礎の比較ポイント5つ目は、地域による違いについてです。
地面が凍り付く深さを「凍結深度」と言い、寒冷な地域では、この「凍結深度」が深くなります。
水が凍ると地面が膨張し、基礎底盤を押し上げてしまうため、寒冷地では、基礎を「凍結深度」より深く設置する必要性が出てきます。
「基礎」がより深く地盤に埋め込まれることにより、耐震性もよりアップします。
地面から基礎底盤までの深さを「根入れ深さ」と言いますが、建築基準法で決められた「布基礎」の根入れ深さは、「ベタ基礎」の2倍の深さとなります。
仮に「ベタ基礎」で「布基礎」と同じ深さにしようとした場合、床下全面の鉄筋コンクリートですからかなりの高コストとなり、総合的に、寒冷地での基礎工事には「布基礎」が向いています。
基礎の種類の選択は、「建物」と「基礎」と「地盤」の関係にあることを改めて覚えておきましょう。

6:構造

布基礎とベタ基礎の比較ポイント6つ目は、構造による違いについてです。
家の柱部分や壁部分に沿って基礎があるものが、布基礎です。掘削した穴部分に砕石を入れ、転圧、捨てコンクリートを敷いた後、鉄筋でT字を逆さまにした状態を組み、基礎をつくる方法です。基礎部分が地盤に深く入っているほど強度が増す構造となっています。
鉄筋やコンクリートの量を抑えられるためコストも安価に抑えられますが、沈下に対する抵抗力は、ベタ基礎と比較した場合劣ってしまいます。
ベタ基礎の場合は、柱の位置に左右されることなく全体に基礎があるため、面積も広く建物の荷重を分散する構造となっています。
また、災害が発生し地盤が崩れてしまった場合でも、建物に影響が及びにくいことから、深い軟弱層や液状化が発生しやすい場所などでは、ベタ基礎が多く採用されています。

住宅建築の際にチェックするべきこと4つ

それが住宅であれビルであれ、安全な立地と耐久性を備えた建物であることが重要です。
近年の温暖化による異常気象は、未曽有の規模での洪水・氾濫・大豪雨などの震災・水災を引き起こしています。
住環境に寄り添う耐震性と、危険予知への情報収集の両面から、建築の際のチェックすべき4項目について解説していきます。

1:基礎の厚みや高さ

建築の際にチェックすべきこと1つ目は、基礎の厚みや高さについてです。
「基礎」は建物の耐震性を支える土台となるものですから、構造体としての強靭さが求められます。
「基礎」は、建築基準法の定めるところにより、基準寸法を満たす範囲内で、構造計算に準じた寸法で作成されなければなりません。
「布基礎」の基準寸法:立ち上がり厚さ120㎜以上、GL(地面のレベル)からの高さ400㎜以上、GLからの深さ240㎜以上、基礎底盤(フーチング)幅450㎜以上・厚さ150㎜以上です。
「ベタ基礎」の基準寸法:立ち上がり厚さ120㎜以上、GL(地面のレベル)からの高さ400㎜以上、GLからの深さ120㎜以上、底板厚150㎜以上(GLから50㎜程度高くする)
となります。

出典:建築基準法施行令|e-Gov 法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325CO0000000338

2:床下の湿気対策と換気の性能

建築の際にチェックすべきこと2つ目は、床下の湿気対策と換気の性能についてです。
湿気の溜まりやすい原因としては、「基礎が低く床下空間が狭い」、「床下給水管に水漏れがある」、「家が周りより低い位置にある」、「敷地内に水溜りが出来やすい」などが挙げられます。
床下の湿気防止には、まず「布基礎」の場合は、必ず「防水シート」と「防湿コンクリート」を施すことが重要です。
その上で、床下換気口だけでは空気が流れにくくなるため、床下換気扇や床下調湿剤などの設置による換気の促進、湿気防止も有効となります。
換気不足によるアレルギーを伴う「カビ」「ダニ」等の発生は特に深刻です。
また、基礎の立ち上がりと、建物の土台の間に部材を挟んで通気性を良くする基礎パッキンは、家の外周すべての口から風が流れるので、床下の換気が高まります。

3:防災マップ

建築の際にチェックすべきこと3つ目は、防災マップについてです。
いくら湿気対策をして換気に心がけても、豪雨や川の氾濫が起きれば、床下・床上浸水はあっという間です。
建築の際には、地域の防災マップやハザードマップを活用して、納得のいく立条件の選定も大切です。
ハザードマップには、災害種別ごとの被害予想図が掲載されています。
近隣の河川からの位置、地形の状況、氾濫時の水位や浸水の被害域などを確認できます。
また、防災マップからは、被災時の避難場所や利用できる公共施設などがチェックできます。
生活マップからの利便性と防災ハザードマップからの安全性を考慮した建築への備えが大切です。

4:「水」という字がつく地名

古来から、地名には過去の伝承や、地形を表したものが数多く存在することは語られる通りです。
地名に関する諸説は諸説として、例えば「水」という字から、河川の氾濫や雨による浸水などの「水災」を連想するならば、前述の「防災マップ」「ハザードマップ」や、関連するサイト・書籍などから、「水」という字がつく地名を含む近隣域の地形や被災歴を確認してみることは賢明です。
併せて、地質や地盤状況による、「布基礎」「ベタ基礎」の使い分けの必要性や、立地条件からの「木造」「鉄骨造」「RC造」など、建築工法の判断材料としても活用できます。
防災・住環境を含めて、常日頃からよりよい建築への備えを心がけることは、「安心」「安全」への耐震強化でもあります。

布基礎とベタ基礎の違いを覚えておこう

基礎工事の部分は建物が出来上がってくると隠れて見えなくなってしまう箇所ですが、建築工事の根幹となる重要な工程です。
今回ご紹介した布基礎、ベタ基礎は地盤環境や施工物件などによって適した工法を採用します。
一概にどちらかが優れている、劣っているというわけではありません。
それぞれのメリットやデメリット、特徴を覚えることで、現場環境の条件によって適した工法を選ぶ判断材料の一つになるでしょう。

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