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アースドリル工法の概要|7つのメリットやデメリットを詳しく解説!

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公開日時 2023.02.15 最終更新日時 2023.02.15

アースドリル工法とは?

アースドリル工法とは、ドリリングバケットを回転させ地盤を掘削し、バケット内部の土砂を地上に排土する工法を指します。

施工概要について

アースドリル工法では、掘削後にコンクリートを打ち込んで杭を築造します。

掘削はドリリングバケットの回転を利用して行い、その回転によってバケット内部に収められた土砂は地上に排土されます。
掘削によってできた孔壁の表層部には表面ケーシングを施し、それより下は安定液で保護します。

掘削が終了したら所定形状の鉄筋かごを建て込み、トレミーでコンクリートを打ち込んで杭を作ります。
ここまでの作業で、アースドリル工法による打ち杭の築造工事は完了です。

施工順序について

1. 掘削機を水平にし、ケリーバーを杭心に合わせます。
2. 掘削を開始します。
3. 表層ケーシングの建て込み予定深度まで掘削します。
4. 土質に適した安定液を注入しながら掘削します。バケットが満杯になると、ケリーパーを縮めて引き上げます。表層部の孔壁はケーシングを使用し、それ以降は安定液で保護します。
5. 支持層の確認後、根入れ掘削を行います。
6. バケットに土砂が溜まるので、底ざらいバケットで一次孔底処理を行います。
7. 鉄筋カゴを孔内に建て込み、トレミーを挿入します。
コンクリートを底部から打設するため、2~6メートルの鉄管を接続します。
8. 沈殿物がある場合は二次孔底処理を行います。
トレミーでコンクリートを打ち込みます。
9. 表層ケーシングを引き抜いて、空堀り部分の埋め戻しを行います。
10. ベントナイト液とコンクリートを混ぜないようにする為、トレミーの管底部はコンクリートの中に埋まっている状態にします。

アースドリル工法の7つのメリット

アースドリル工法には、7つのメリットがあります。
工事の費用と速度に優れ、粘性土や狭い敷地にも対応します。
さらに、周辺環境に影響が少なく、ベースマシンも利便的に使えます。

メリットを知ることで、アースドリル工法を行う意味を理解することができます。
また、アースドリル工法の良さを潰さない施工を行うためにも、メリットは知っておくべき情報と言えます。
それでは参考までに、アースドリル工法のメリットについてをご紹介していきます。

アースドリル工法のメリット1:工事費用が安い

アースドリル工法のメリット1つ目は、工事費用が安いことです。
他の打ち杭工法と比べて仮設が簡単なため、必要になる道具が少ない傾向にあります。

工事費用の内約では使用する道具にかかる金額も大きいため、必要な道具が比較的少ないことは費用の安さにつながります。
ただし、工事費用に関しては、アースドリル工法を施す地質や広さでも大きく変動します。
他の打ち杭工法よりも基本的に安価ですが、結果的にいくらかかるのかの予測は地質など要素も含めて考えましょう。

アースドリル工法のメリット2:機械設備が小さい

アースドリル工法のメリット2つ目は、機械設備が小さいことです。
アースドリル工法の工事に使う専門機械(アースドリル機)は、比較的にコンパクトな形状で作られています。

しかし、機能性は劣ることなく、十分な機能が搭載されています。
ただし、具体的な内容はメーカーによります。
また、アースドリル機は取り扱いが簡単で使いやすい傾向にあります。

たとえば、アースドリル機の先端部(掘削口径)は必要に応じて取り換えることが可能です。
細いタイプから太いタイプまで幅広く取り付けることができるため、拡底パケットを装着すれば拡底杭施工にも対応します。
総合的に扱いやすいため、工事を行う業者側にとってもメリットがある工法および設備と言えます。

アースドリル工法のメリット3:地下水が少ない粘性土の地盤に良い杭ができる

アースドリル工法のメリット3つ目は、地下水が少ない粘性土の地盤に良い杭ができることです。
粘性土はその特性を考えて工事を行わないと、後々地盤の質に問題が出る可能性があります。
アースドリル工法は粘性土の影響に対応するため、地下水がなく素掘り可能な地盤なら良い杭を作ることができます。

粘性土は小さい粒経の土粒子を全体の5割以上含む土で、主に粘土・シルト・砂・礫(小さな石)が含まれています。
触れると粘着性が感じられ、その粘着力によって地盤としての耐力を持ちますが、沈下原因になる圧密を起こしやすい傾向にあります。
実際、粘性土の影響を考慮しなかった結果として不具合が生じた事例もありますので、工事計画や工法選びは重要なのです。

アースドリル工法のメリット4:施工速度が速い

アースドリル工法のメリット4つ目は、施工速度が速いことです。
仮設が他の打ち杭工法より簡単で、アースドリル機も扱いやすいことから、施工が完了するまでの時間も比較的短期間で済みます。
管理装置にはコンピューターを使用する場合もあるため、施工の管理も簡易化し、施工速度の速さに貢献しています。

アースドリル工法の工事費用が他の打ち杭工法より安い理由は、アースドリル機の施工能率の高さによってスムーズに工事が行えることも関係しています。
もちろん、工事の規模や行うべき内容の細かな種類によって結果的に要する時間には差が出ると言えますが、他と比べて簡単で速いということには変わりありません。

アースドリル工法のメリット5:他の拡底杭工法も同じベースマシンが利用可能

アースドリル工法のメリット5つ目は、他の拡底杭工法も同じベースマシンで利用できることです。
施工に使うアースドリル機の先端に取り付ける掘削口径は、簡単に変更することができます。
コンパクトな機体に合う比較的細い掘削口径から、大規模な施工も可能な太めの掘削口径まで対応可能です。

アースドリル工法には細いタイプと太いタイプがある直杭の他、拡底杭と呼ばれるものがあります。
拡底杭は細い直杭の着底部のみを太い直杭くらいの幅に拡大したタイプで、直杭よりも掘削時に出る土やコンクリートの量を低減できます。
こういったメリットから、拡底杭は直杭よりも主流化しています。

アースドリル機では、直杭だけでなく拡底杭も扱えます。
つまり、1つの機体で直杭と拡底杭の両方を施すことができるのです。
そういった利便性の高さは施工業者によっての魅力であり、この魅力は施工能率の高さに結び付くため、依頼者側も費用や工期などの面でメリットを得られます。

アースドリル工法のメリット6:狭い敷地でも良い杭ができる

アースドリル工法のメリット6つ目は、狭い敷地でも良い杭ができることです。
専用の機械設備であるアースドリル機は比較的コンパクトなため、他者の領域が周りに密集している狭い敷地(市街地など)でも打ち杭の工事を行うことができます。
敷地の境界線から杭までに必要な施工距離も小さいので、他の打ち杭工法より狭い敷地に向いています。

さらに、この項目に関わる魅力は機体のコンパクトさだけではありません。
コンパクトで機動性に優れる機体には、サイズの違う直杭や拡底杭にも対応する利便性の高さも含まれています。
掘削口径の変更が簡単で機動性が良いという点が、狭い敷地で良い杭を作る作業に貢献しているのです。

また、アースドリル機では、掘削作業だけでなくコンクリートの打ち込みまで済ませることができます。
そのことから、準備すべき設備規模も小さく、狭い敷地でもスムーズに施工が進められます。
実際に市街地など狭い敷地における施工実績が急伸しており、アースドリル工法の需要が高まっています。

アースドリル工法のメリット7:周辺環境への影響が少ない

アースドリル工法のメリット7つ目は、周辺環境への影響が少ないことです。
施工に使うアースドリル機は騒音や振動が出にくいため、周辺環境に与える影響が少ないと言われています。
特に市街地では周りに人が多いため、騒音や振動による影響が及びにくい点は大きな魅力になるでしょう。

また、アースドリル機は騒音や振動だけでなく、掘削時に出る土やコンクリートの量が少ないことでも知られています。
これは、作業を行う業者にとっての手間を削減するメリットにつながります。
もちろん、掘削による土やコンクリートの処理にはお金がかかるため、出る量が減れば依頼者にかかる費用負担も軽減されます。

アースドリル工法の7つデメリット

アースドリル工法の7つデメリット

アースドリル工法には複数の優れたメリットが存在していますが、反してデメリットもあります。
どのような工法にも同じように良し悪しがあり、それぞれで懸念すべきこと・予防対策を要することが異なります。

アースドリル工法にあるデメリットは、工場製品(既製杭など)と違って地中で杭を作ることが要因です。
地中で杭を造成することによる不安を低減するために、安定液の管理は徹底する必要があります。

また、掘削が困難である場合や被圧地下水、伏流水にも注意が必要です。
廃泥土の対応や泥廃水対策、スライム処理も必須など、考慮すべき点はいくつかあります。
以下にアースドリル工法デメリットを7つご紹介しますので、メリットが活かされた安全な施工を行うために確認しておきましょう。

アースドリル工法のデメリット1:安定液の管理が不十分だと孔壁崩壊の危険性がある

アースドリル工法のデメリット1つ目は、安定液の管理が不十分だと孔壁崩壊の危険性があることです。
安定液は掘削地で起きやすい孔壁崩壊やスライム沈降を防ぐ目的で使うベントナイト溶液のことで、アースドリル工法やBH工法などで用いられます。
この安定液に対して行う管理では、比重・粘性・砂分・pHなどの調節や保持などが具体的な作業内容になります。

アースドリル工法による掘削で安定液を使用する理由の1つは孔壁崩壊防止なので、管理が不十分の場合に孔壁崩壊の発生リスクが上昇します。
安定液の比重・粘性・砂分・pHなどをどのようにすべきかは、その地質が関係します。
他にも考慮すべき点がある場合も否めないため、全体的に見落としなく管理を行う必要があります。

アースドリル工法のデメリット2:安定液の管理が不十分だと強度低下の危険性がある

アースドリル工法のデメリット2つ目は、安定液の管理が不十分だと強度低下の危険性があることです。
孔壁崩壊は掘削によって作られた孔の内壁が崩れることなので、安定液の管理不十分は地盤強度の低下を招く原因にもなります。

強度が低下したところに打ち杭を行うと、その杭の強度も低下するため、仕上がりが良い杭になりません。
後々心配がある杭になってしまうので、安定液の比重・粘性・砂分・pHなどをきちんと管理することは極めて重要なことと言えます。

また、安定液の管理で孔壁崩壊を防ぐことは、作業効率にもつながります。
孔壁が崩壊した時には、まず崩れ出たくずなどの処理を済ませないと作業を進めることができないためです。
地盤の強度や杭の質だけでなく、工事の速度にも影響があるため、安定液の管理には十分な注意を向けた方が良いでしょう。

アースドリル工法のデメリット3:掘削が難しい場合がある

アースドリル工法のデメリット3つ目は、掘削が難しい場合があることです。
施工に使うアースドリル機は掘削口径を簡単に変更できる特徴から拡底杭工法にも対応しますが、地盤や地質の状態によっては掘削が行えません。

アースドリル機での掘削が難しいとされているのは、約10cm以上の礫層です。
バケット底部にある土砂採掘構よりもサイズの大きい石や岩などがあると、アースドリル機では対応することができません。
大礫・玉石・岩盤・転石・大きな砂礫などがある地層に対しては、そのサイズに見合う大径を扱える施工機械が必要です。

また、このようなアースドリル機では対応不可な大きいサイズの施工機械では、品質管理の仕方にも違いがあります。
つまり、アースドリル機以外の施工機械だけでなく、その品質管理を行える人も必要になってくるのです。
1つの土地でもいくつかの地層を有していることもあるため、地に関する調査や確認は工事を行う前にしっかり行いましょう。

アースドリル工法のデメリット4:異常な被圧地下水や伏流水の危険性がある

アースドリル工法のデメリット4つ目は、異常な被圧地下水や伏流水の危険性があることです。
被圧地下水が地表面よりも異常に高い場所や伏流水がある場所ではアースドリル工法を行うことができないため、施工の計画段階から厳重に注意すべきと言われています。

被圧地下水は、加圧層の下で圧力がかけられた地下水のことです。
加圧層に該当するのは不透水層と呼ばれる層で、上下二層の不透水層の間に挟まれている透水層の中に被圧地下水があります。
不透水層は、上と下の両方に存在する不透水層から常に大きな圧力がかけられています。

この圧力は大気圧より大きいとされ、透水層まで掘削して井戸を作ると水が自噴することもあります。
透水層は地下深部にあることが多いため、被圧地下水は深層地下水と呼ばれることもありますが、透水層の位置は深度で決まるものではありませんので注意しておきましょう。

アースドリル工法のデメリット5:廃泥土の処理がいる

アースドリル工法のデメリット5つ目は、廃泥土の処理を要することです。
掘削作業は土を掘ったり削ったりして地に孔を作ることなので、孔となる部分を掘削すると共に不要な土や泥が発生します。
それを廃泥や廃土と呼びますが、アースドリル工法を含む掘削作業を伴う工事では、これら廃泥土の処理も行う必要があります。

廃土や廃泥の処理には特有の工程が必要で、一般的に泥や土を片付けて捨てるのとは訳が違います。
アースドリル工法を安全に施すために掘削した孔から廃泥土をしっかりと取り出す作業も含めて、廃泥土の処理は大変なのです。

アースドリル工法のデメリット6:泥廃水対策がいる

アースドリル工法のデメリット6つ目は、泥廃水対策を要することです。
杭工事ではベントナイト溶剤など安定液を使用して施工を進めますが、この安定剤は液体なので、掘削によって生じた泥と混ざります。
この安定液と廃泥が混ざったものが泥廃水で、アースドリル工法では泥廃水が大量に出るため対策が必要にあります。

対策には特別な設備などを要するため、費用も手間も相応にかかります。
作業員は工事に加えて、そういった不要な発生物の処理も行わなければいけないのです。
アースドリル工法そのものの内容だけでなく、廃泥土や泥廃水など、その工事によって起こる内容や生じる物質についても考慮が必要と言えます。

アースドリル工法のデメリット7:スライム処理がいる

アースドリル工法のデメリット7つ目は、スライム処理が必要になることです。

スライムは施工で生じる堀りくずを指す用語で、安定液の細粒や泥水中で浮遊した土砂なども混ざり合って杭の底部に沈殿します。
スライムは杭の強度低下を招く原因の1つに挙げられます。

スライム処理には、一次スライム処理と二次スライム処理があります。
一次スライム処理は、掘削完了後に底ざらいバケットで底をさらう作業です。
掘削完了直後は機体にドリリングバケットが装着されているため、それを底ざらいバケットに交換してから作業を行います。

二次スライム処理は、鉄筋やトレミー管を建て込んだ後に実施します。
建て込み完了後、エアリフト工法などを用いてスライムの除去作業を進めます。
二次スライム終了後、コンクリートを打ち込んで杭を造成していきます。

アースドリル工法はスライム処理が困難と考えられており、場合によっては難度が高くなる可能性があります。

アースドリル工法を行う際の支持層の確かめ方

アースドリル工法を行う時には、地盤の調査と確認が必須です。
調べる内容にはいくつかの種類があり、そのうちの1つに支持層と呼ばれるものがあります。

支持層とは、建てられた建築物に有害な影響を及ぼす可能性がない地層や地盤のことです。
不同沈下など危険や悪影響が起きないと判断された土地を支持層と呼び、建物を支える地となります。

その地盤や地層が支持層か否かを判断するには、調査による土質調査資料などと、ドリリングバケット内に収められた土砂を照合する方法を実施します。
確かめたい地盤の実際の土砂と、調査でデータ的にまとめられた情報を合わせて確認することで、支持層と呼べる場所なのかを判断します。

施工速度が速くコストが安い

アースドリル工法は、地下水のない粘性土の地盤では比較的良い杭ができるとされる工法です。
施工速度が速く、工費が安くあがるのが特徴です。
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