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公開日時 2020.02.21
最終更新日時 2022.04.06

【国土交通省公開資料参考】施工管理者が知っておくべきダムの施工方法:柱状工法

水力発電や治水などにおいて大きな役割を果たすダムは、私たちが生活する上で欠かせない存在です。
建築物としてはかなり大きな部類に属し、予算や時間なども他の建築物と比べて多く要する大規模な施工となります。
この記事では、こういったダムを施工する上で施工管理者が知っておきたい建設現場での工法の一つ「柱状工法」について解説します。

柱状工法とは


「柱状工法」は、「ブロック工法」「柱状ブロック工法」とも呼ばれている工法です。
建設の場でコンクリートを一度に大量に流し込むと、セメントと水が反応するときに生じる熱によって温度が上昇し、冷却の過程で収縮してしまうために完成時にひび割れが生じてしまうことがあります。
それを防ぐために、コンクリートを建設したい部分をダム軸に平行方向の収縮継目と直角方向の収縮継目で適当な大きさに分割し、その縦横の継目で分割したブロック(区画)ごとにコンクリートを流し込んでいくのが柱状工法です。
施工の過程で各ブロックが柱のように積み上げられることから、柱状工法という名前が付きました。
実際に柱状工法によって建設されたダムの事例には、高知県の「以布利ダム」や静岡県の「長島ダム」などがあります。

柱状工法の特徴と用途


柱状工法の特徴は、やはり仕上がりの質の高さにあるといえるでしょう。
建設したい部分を細かく区切ってコンクリートを流し込むという手間がかかりますが、その分、完成時にひび割れが生じるリスクを低減することができます。
そのため、頑強さが求められるダム建設においては長い間主流だった工法です。

しかしながら、柱状工法の場合はブロック状のコンクリートを積み上げて建設するので、完成したダムの表面に段差が生じてしまうことがあるという欠点があります。
また、柱状工法はコンクリートを区切って建設するため、工期が長くなり、それに応じてコスト高くなります。
そして施工現場の安全性も低くなりがちです。
平成9年に「公共工事コスト縮減に関する行動指針」が策定されるなど、公共工事におけるコストを減らそうとする国の方針もあり、ダム建設の場では現在は他の工法に切り替えていく風潮が徐々に強まっているようです。

柱状工法の特徴を把握しよう

今回は、ダムを施工する際に現場でよく用いられている工法の一つ「柱状工法」について解説しました。
柱状工法は建設したい部分を細かいブロックに分割することでひび割れの少ないコンクリートを建設することができる工法です。
しかし、分割する分の手間がかかることや、完成したダムの表面に段差が生じてしまうことなどから、徐々に採用される事例が少なくなっている様子も見られます。
施工管理技士の皆さんは、今回の記事を参考に柱状工法に関する知識を整理しておきましょう。

出典:国土交通省【目で見るダム事業2007 コンクリートダムの施工法】

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