今回は、耐震改修工事を支援する制度の一つ「住宅・建築物安全ストック形成事業」について解説します。
どのような制度で、具体的にどういった支援内容が定められているのか把握しましょう。

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住宅・建築物安全ストック形成事業とは

「住宅・建築物安全ストック形成事業」は、住宅や建築物の耐震化を促進するための支援制度の一つです。
そして当事業の趣旨は、国土交通省の資料で次のように説明されています。

住宅・建築物ストックの安全性の確保を図るため、建物所有者が実施する住宅・.建築物の耐震診断、耐震改修等について、地方公共団体と連携し、 以下の枠組みのもと財政的支援を行う。

次に、この事業で行われる支援の具体的な内容をみていきましょう。

住宅・建築物安全ストック形成事業における支援内容

「住宅・建築物安全ストック形成事業」では、住宅と建築物で異なる内容の支援が規定されています。

まずは、住宅に対する支援から確認しましょう。
耐震診断の民間実施の場合、国と地方で２／３を支援することが定められています。
そして、住宅の耐震改修については「個別支援」と「パッケージ支援（総合支援メニュー）」から選択して適用することが可能となっています。

個別支援では、「補強設計等」に対しては国と地方で２／３を補助します。
また「耐震改修等、建替え又は除却」に対しては、マンションを含むすべての住宅を対象に財政的支援を行います。
ただし財政的支援の交付率は、建物の種類によって異なります。
緊急輸送道路沿道や密集市街地、津波浸水区域等の避難路沿道の場合は２／３が、その他の場合は23％が交付されることになります。
それ以外にも、戸建住宅で：82.2万円/戸、マンションで補助対象単価(49,300円/㎡)×床面積×交付率の耐震改修の補助などが定められています。

パッケージ支援は、マンションを除く住宅を対象としています。
「補強設計等費及び耐震改修工事費を合算した額」を対象に国と地方で定額100万円が交付されます。
ただし工事費の８割が限度で、対象となる市区町村にも条件が決められています。

続いて、建築物に対する支援を確認しましょう。
建築物の耐震診断と補強設計等は、民間実施の場合、国と地方で２／３を補助することになっています。
また「耐震改修等、建替え又は除却」に対しては、住宅同様に緊急輸送道路沿道や密集市街地、津波浸水区域等の避難路沿道の場合は２／３が、その他の場合は23％が交付されることになっています。
ただし対象となる建物は、多くの人が利用する商業施設やホテル、オフィスビルなどのうち大規模な建築物や緊急輸送道路沿いの建築物、避難所等に限定されます。

支援内容は住宅と建築物で異なる

今回は、「住宅・建築物安全ストック形成事業」の支援内容を詳しく解説しました。
この制度では、住宅と建築物の区分やその他の細かな条件によって支援内容が異なります。
各支援内容を正確に把握するようにしましょう。

※出典：国土交通省「住宅・建築物安全ストック形成事業（防災・安全交付金等の期幹事業）」

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