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手延べ機による送り出し工法の特徴4つ|橋梁架設工法の種類についても紹介

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公開日時 2023.02.21 最終更新日時 2023.02.21

送り出し工法とは?


「送り出し工法」とは、橋や高速道路、線路の建設工事に際して橋梁を架設する、つまり橋を渡す工法の1つです。この工法は、あらかじめ隣接した場所で架設桁(橋桁)を組み立て、それを送り出して架橋する工事方法のことをいいます。

一般的な大規模架橋工事は、トラッククレーンなどの大型重機によって「ベント」と呼ばれる仮の支柱を設置して建設されます。

しかし、河川や海などの地形環境、あるいは鉄道や道路などの交通状況などによって、橋梁下にベントを設置できない場合があります。その際に選択される工法の1つが、この送り出し工法です。

手延べ機での送り出し工法が向いている現場3つ


送り出し工法の中でも、橋梁架設工事に入る前に架設桁を組み立てておき、それを「手延べ機」を用いて送り出す工法が「手延べ機による送り出し工法」です。手延べ機は、送り出し作業の前に組み立てられ、役割を終えると解体されます。

手延べ機による送り出し工法を用いる場合には、機材や架設桁の組み立ておよび解体場所の確保や強度計算などの高い技術が必要になるなど、多くの検討事項が発生します。

架設工事にはさまざまな工法がありますが、地形状況や交通環境などの条件から、手延べ機による送り出し工法が選択されます。

1:橋梁下にベントが設置できない現場

送り出し工法とは、橋梁架設地点に隣接した場所で組み立てた架設桁を手延べ機などで送り出すことにより架設する工法です。

そのため、手延べ機での送り出し工法を使えば、河川や道路、鉄道などの条件により、橋梁下にベントを設置することができない現場でも、架橋工事が可能になります。

2:手延べ機や桁の組み立て場所が隣接している現場

前述した通り、送り出し工法では橋梁架設現場に隣接した場所で、架設桁や手延べ機などをトラッククレーンで組み立てる工程があります。

手延べ機による送り出し工法を選択するには、架設桁や手延べ機などを組み立てるための、ある程度広い場所を確保できる現場でなければなりません。

3:送り出し先で手延べ機が解体できる現場

架設桁を送り出した後は、役割を果たした手延べ機を送り出した先で解体することになります。そのため、送り出し工法で工事を行なう場合は、手延べ機や架設桁を組み立てる場所とともに、送り出し先でも手延べ機を解体できる場所を確保しなければなりません。

このように、送り出し工法を選択できる現場は、ある程度限定されるため注意が必要です。

手延べ機による送り出し工法の特徴4つ


上記のように、現場周辺の状況や環境によって選ばれる送り出し工法には、いくつかのメリットとともにデメリットもあります。これらの特徴を踏まえたうえで、使用する工法を選択する必要があります。

手延べ機による送り出し工法の特徴について整理していきましょう。

1:強度計算など事前検討が必要

手延べ機による送り出し工法は、手延べ機の組み立ておよび架設桁の地組みを行ない、橋軸方向にそれらを順次送り出していきます。

その際、手延べ機を自走台車やウインチ、ローラーなどでけん引するためには、架設桁の設計段階で手延べ機や架設桁の自重、剛度などを考慮して架設時の強度計算や補強について検討しなければなりません。また、送り出し時の片待ち状態に対する調整、転倒防止対策なども必要です。

そのため、手延べ機による送り出し工法は、考慮・検討すべき事項が多いのが特徴です。

2:多くの仮設備が必要

手延べ機による送り出し工法は、手延べ機の組み立てと解体がセットになっている工法のため、手延べ機など多くの仮設備が必要となります。さらに、それら仮設備の組み立て・解体するための工数を要する点も忘れてはなりません。

なお、同じ送り出し工法でも、架設桁による送り出し工法は手延べ機を使わないため、手延べ機のための仮設備は不要です。

3:工期は長くなる傾向がある

前述した通り、手延べ機による送り出し工法は、手延べ機をけん引するためのさまざまな機材や、組み立て・解体が必要な仮設備が不可欠です。そのため、機材の確認や設置など、送り出し開始までの準備に時間がかかります。

さらに、架設桁や手延べ機の組み立て・解体作業だけではなく、送り出し作業後には、架設桁の降下作業や併合作業も必要です。そのため、自ずと工期は長くなり、工数も多くなる傾向にあります。

4:交通規制の期間を短縮できる

上記の通り、手延べ機による送り出し工法での橋梁架設工事は、工期が長くなる傾向があります。一方で、他の工法より交通規制の期間を短縮できるというメリットがあります。

手延べ機による送り出し工法は、手延べ機や架設桁の組み立て・解体など準備段階に時間を要するものの、橋梁架設工事自体は短期間ですみます。

また、橋梁下に重機を設置し、ベントを造るなどの工程がないため、橋梁下の交通規制期間を短縮でき、流通損失を最小限にすることが可能です。

手延べ機による送り出し工法の手順5つ

手延べ機による送り出し工法の手順5つ


続いて、手延べ機による送り出し工法の手順について確認しましょう。

なお、手延べ機による送り出し工法は、トラッククレーンなどの大型重機で架設するのではなく、手延べ機や自走台車、油圧降下装置など特殊な機材を使用し、架設桁を送り出したり、降下させたりします。

1:手延べ機と桁を組み立てる

まずは、橋を架橋する場所と隣接した場所で、送り出す架設桁をトラッククレーンでなどで組み立てます。次に、同じくトラッククレーンなどで手延べ機の組み立て作業を行ないます。

なお、手延べ機は橋体を安全に送り出すために、架設桁先端に取り付ける機材です。手延べ機はその自重が影響するため、一般的には自重の軽いトラス式手延べ機などが使用されます。

2:手延べ機を伸ばす

送り出す架設桁と手延べ機の組み立てが完了したら、手延べ機を使用して、すでに設置されている橋脚まで、手延べ機を伸ばします。

なお、手延べ機による送り出し工法は上記のような仕組みで架設していくため、縦断勾が大きい橋梁や曲線桁への対応は難しいでしょう。

3:桁を送り出す

続いて、送り出し装置によって、橋脚まで到達した手延べ機で架設桁を送り出していきます。手延べ機と架設桁とは連結構で連結されています。

送り出し中は、桁が片持ち状態となるため、随時たわみ量を調整したり、転倒モーメントの安全率を確保する必要があります。

送り出し作業に用いる駆動装置は、自走台車やウインチ、ジャッキなどがあります。状況に応じて、それらを単独もしくは組み合わせて用います。

4:手延べ機を解体する

架設桁の送り出しがすべて完了したら、手延べ機および連結構を解体し、撤去します。

解体作業もトラッククレーンなどを用いて行なうため、送り出し先にある程度広い解体作業ヤードを確保する必要があります。

手延べ機および連結構が解体・撤去されたら、架設桁の降下準備に移ります。

5:桁を降下させる

最後に、架設桁を降下させて橋梁架設工事は完成です。

降下作業は油圧ジャッキなどの降下装置を使って徐々に架設桁を降下させ、架設済みの桁と閉合させます。

なお、架設工事後は、床版や地覆工および橋梁付属物工を行ない、完成検査を経て、すべての工事が完了となります。

送り出し工法以外の橋梁架設工法4つ


橋梁架設工事には、手延べ機による送り出し工法以外にもさまざまな方法があります。

工法によって、工期の長さや使用する機材の種類、技術の難易度などが異なります。現場周辺の地形や線路、道路などの環境や状況によって、これらの中から工法を選択します。

送り出し工法以外の橋梁架設工法について解説します。

1:トラッククレーンベント工法

「トラッククレーンベント工法」は、架設桁(上部工)をベントで支持しながら、トラッククレーンなどによって架設する工法です。橋梁架設においてもっとも一般的で、他の工法に比べて工期が短く、コストも安くすむ工法です。

この工法は、ベントの設置が可能な現場で採用されます。また、大型トラッククレーンは現場で組み立て・解体されます。

2:ケーブルエレクション工法

「ケーブルエレクション工法」は、架設用の吊り設備(鉄塔設備)を組み立て、その吊り設備の鉄塔頂部から張ったケーブルによって架設部材を吊り下げながら架設していきます。

この工法は、橋梁下が深い谷や河川などのためにベントの設置が困難であり、かつ両岸に鉄塔やアンカーブロックの設置が可能な場合に用いられます。そのため、鉄塔設備やアンカーブロック、耐風設備の強度計算などの高度な技術を要します。

3:トラベラークレーン工法

「トラベラークレーン工法」は、橋梁下に河川や道路、鉄道などがあり、トラッククレ―ンが設置できない場合や、長い橋を架設する場合などに用いられます。

トラッククレーンで側径間を架設し、桁上に走行軌条設備を設置して、さらにトラッククレーンを組み立てます。運搬台車で運搬された架設部材を使ってトラッククレーンで架設します。

なお、完成した橋の強度だけでなく、架設時の応力やたわみなどを考慮して補強するなど、慎重に架設計画を行なわなければなりません。

4:フローティングクレーン工法

「フローティングクレーン工法」は、大ブロックに組み立てされた橋梁を現場まで運搬し、フローティングクローラクレーンを用いて、一括架設する工法です。

この工法は、ほぼ完成に近い状態で運ばれて架設するため、架設工期が短く、高所作業が少ないのが特徴です。また、フローティングクレーンという重機は、水上で作業ができるため、河口や海峡での架設工事に向いています。

一方で、運搬中の荷重状態や運搬水路の状況(水深、流れの強さ、進入路など)への考慮や検討が必要です。

手延べ機による送り出し工法について理解しよう


手延べ機による送り出し工法は、橋や高速道路を建設する際の、橋梁を架設するための工法の1つです。橋梁下に河川や海などの流水部や大きな幹線道路などがあり、ベントが設置できない場合などに採用されます。

この工法は、架設機材などの仮設備の組み立て・解体、および架設桁の地組みをするための作業ヤードの確保が必須です。また、橋梁完成時の強度計算だけでなく、架設時の対策など橋桁製作前に多くの検討が必要です。

このような手延べ機による送り出し工法の特徴を理解しましょう。


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