施工管理の求人・転職情報掲載。資格者・現場経験者は即採用【施工管理求人サーチ】

施工管理求人サーチロゴ
夢真の転職支援 施工管理求人サーチ電話番号
お気に入りリスト
まずは無料WEB登録
メルマガ登録

活性汚泥の微生物を活用した汚水処理の手法|気を付けることも解説

学ぶ
公開日時 2023.03.07 最終更新日時 2023.03.07

活性汚泥とは何か


活性汚泥とは、下水処理場、浄化槽等で用いられる、有機物質および無機物質を摂取・分解する微生物を含む汚泥のことです。活性汚泥が持つ摂取・分解能力により、赤潮の原因になる窒素・リンを除去したり、汚水中の有機物の汚濁物質を除去できます。

活性汚泥は、酸素を使って呼吸する「好気性細菌群」と酸素を必要としない「通性嫌気性細菌群」などを含み、汚水の浄化などに利用されます。

活性汚泥の特徴について


活性汚泥は、好気性微生物などを含み、汚水をきれいにする特徴があります。さらに、活性汚泥は、開放系・混合系であること及び物理・化学的な物質と異なり生物の特徴を有します。

活性汚泥は開放系・混合系であることで、含んでいる好気性微生物の種類が活性汚泥毎に異なります。好気性微生物の種類が異なることで活性汚泥の処理効果が大きく変わると考えられます。

物理・化学的な物質と異なり生物であるので、活性汚泥が汚水を浄化する効果は含んでいる微生物の種類によって変わります。

好気性微生物がいる

活性汚泥の特徴は、好気性微生物がいることです。活性汚泥に含まれる好気性微生物は、水中に酸素がある状態で生存できます。水中に溶解した酸素を使って、有機物を水と炭酸ガスに分解します。そして、そのときのエネルギーを使って好気性微生物は増殖します。

好気性微生物は、排水処理や汚水処理で汚水の浄化に用いる活性汚泥処理に使用します。

汚水をきれいにする

活性汚泥の特徴は、汚水をきれいにすることです。活性汚泥には、好気性微生物と通性嫌気性微生物などが含まれています。好気性微生物は、汚水中に含まれる酸素によって、有機物を水と炭酸ガスに分解し、通性嫌気性微生物は硝酸を還元して窒素ガスに変え、汚水を浄化します。

汚水をきれいにする方法は、好気性微生物を利用して汚水処理をする活性汚泥法が代表的な方法です。

最近は汚水をきれいにする方法として、絶対嫌気性微生物であるメタン生成菌を使用して有機物を分解してバイオガスを得る方法が、再生可能エネルギー関連で脚光を浴びています。

活性汚泥に生息する微生物3種


活性汚泥の中には、細菌、原生動物、後生動物の3種類の微生物が生息しています。細菌は汚水中に溶解している有機物を分解して水と炭酸ガスに変える機能を有します。

原生動物や後生動物は、細菌や粒子状の有機物を食べて、汚水中の有機物や粒子状物質を生物の体内に入れて汚水から浮遊物質を除去し、汚水を浄化してきれいな水に変えます。原生動物と後生動物によって、汚水が最終的に浄化されます。

1:細菌

活性汚泥中で生息する微生物の内のひとつは、細菌です。細菌は、集まってくっつくような物質を細胞外に出して、細胞の凝集したフロックを作ります。細菌には、ズーグレア属、バチルス属、シュードモナス属、フラボバクテリウム属などの種類があります。

活性汚泥中で生息する細菌は、汚水中に溶解した有機物を分解して水と炭酸ガスに変える働きをしています。3種類の微生物の中で、細菌が汚水浄化に大きく貢献をしていると言えます。

2:原生動物

活性汚泥中に生息する微生物のひとつは、原生動物です。原生動物は、細菌の凝集したフロックを食べて量を減らしたり、浮遊している細菌や粒子状有機物を食べて、汚水を処理し水をきれいにします。

原生動物には、繊毛虫類(ツリガネムシ、エピスチリス、アスピディスカ等)、肉質虫類(アルセラ、アメーバ等)、鞭毛虫類(エントシフォン、ペラネマ等)などがいます。

3:後生動物

活性汚泥中に生息する微生物のひとつは、後生動物です。

後生動物は、原生動物と同じように、細菌が凝集したフロックを食べたり、浮遊している細菌や粒子状有機物を食べて、汚水を処理し水をきれいにします。後生動物は原生動物に比べて出現する種類が少なく、ワムシ類、アブラミミズ類、イタチムシ、クマムシ、線虫類などがいます。

活性汚泥法の種類5つ

活性汚泥法の種類5つ


活性汚泥法には、標準活性汚泥法、長時間ばっ気法、酸化溝法、嫌気好気法、膜分離式活性汚泥法の5つの種類があります。活性汚泥法は、微生物により有機物を分解して水と炭酸ガスに変えて、汚水をきれいにする方法で、各活性汚泥法によって特徴があります。

活性汚泥法のメリットは、曝気槽内の生物量の調整がしやすく、発生する臭気が少なく、設備の構造が比較的簡単で、高負荷排水の処理にも対応できることです。

1:標準活性汚泥法

標準活性汚泥法は、反応タンクの中で汚水に活性汚泥を混ぜて有機物を水と炭酸ガスに変えて、最終沈殿池で活性汚泥を沈殿させて、有機物が無くなってきれいになった上澄み水を処理水として流出する方法です。

活性汚泥の一部は、沈殿池から反応タンクに戻して再利用し、残りの活性汚泥は排出します。標準活性汚泥法は、設備として最初沈殿池、反応タンク、最終沈殿池から構成されます。

2:長時間ばっ気法

長時間ばっ気法は、反応タンク内で汚水と活性汚泥の混合液を長時間対流させて、微生物の増殖条件を変化させて、排出する余剰汚泥を少なくする処理方法です。長時間ばっ気法は、比較的小規模な施設に普及しています。

長時間ばっ気法は、ばっ気時間が長すぎると汚泥の沈降が悪くなり、処理水が濁ることがあります。

3:酸化溝法

酸化溝法は、汚水が浅い水路を巡回するようなばっ気槽を反応タンクに用いて、少ない動力で活性汚泥処理を行って最終沈殿池で活性汚泥と処理水を分離します。酸化溝法を設置するためには広い設置面積が必要なので、処理量の少ない施設で利用されています。

酸化溝法は、窒素除去を行う高度処理やリン除去などにも応用できます。

4:嫌気好気法

嫌気好気法は、最初沈殿池の代わりに、水処理工程の前段に嫌気槽を設置し、後段に好気槽を設置した処理方式です。嫌気槽で有機物を炭酸ガスとメタンガスに分解し、好気槽で有機物を炭酸ガスと水に分解します。

嫌気好気法はリンの除去にも使用できるので、リン除去能力の高い活性汚泥処理として利用されます。

5:膜分離式活性汚泥法

膜分離式活性汚泥法は、処理水と活性汚泥の分離に、沈殿槽の代わりに、精密濾過膜または限外濾過膜などの膜を使った膜濾過分離の処理方式です。膜分離式活性汚泥法は、汚泥の管理が容易で、汚泥を高濃度に維持でき、沈殿槽が不要で施設がコンパクトになるメリットがあります。

膜分離式活性汚泥法は、定期的な膜の薬液洗浄や交換が必要になるデメリットがあります。

活性汚泥において気を付けること


活性汚泥を汚水処理に使用する場合に、気を付けることは環境を整えることとトラブルに対応することです。活性汚泥法では、好気性微生物などを使って、有機物を水と炭酸ガスに分解して汚水をきれいにします。好気性微生物が活発に活動する環境にする必要があると言われます。

活性汚泥で汚水処理するときに、設備、処理条件等にトラブルが生じることがあり、適切に対処して、処理効果が得られるような条件下で運転することが重要だと考えます。

環境を整える

活性汚泥において気を付けることは、環境を整えることです。活性汚泥中の好気性微生物が活発に活動するように環境を整えて、活性汚泥が有機物を水と炭酸ガスに分解する最適条件を維持して、汚水を浄化します。

微生物の生命活動が活発になる環境にしておかないと、活性汚泥の処理能力が十分に発揮されません。

トラブルに対応する

活性汚泥において気を付けることは、トラブルに対応することです。

活性汚泥に生じるトラブルとして、非定常的な有害物または難分解性原水の混入、凝集剤使用による活性汚泥の活性の阻害、活性汚泥処理に不適な原水のBOD/COD比、油脂類の混入などがあります。トラブルの原因を突きとめて、トラブルに適切に対応します。

活性汚泥を有効活用しよう


ここまで、排水処理に利用されている活性汚泥について解説しました。また、活性汚泥に生息する微生物の種類、標準活性汚泥法、長時間ばっ気法、酸化溝法、嫌気好気法、膜分離式活性汚泥法の5つの活性汚泥法の特徴を知ることができました。

施工管理や現場監督を目指す方は活性汚泥を理解して、活性汚泥を有効活用しましょう。


当サイトの記事は基本的には信頼性に足る情報源(公共機関や企業サイト、または専門家によるもの等)をもとに執筆しており、情報の正確性・信頼性・安全性の担保に努めていますが、記事によっては最新の情報でない場合や情報の出典元表記や正確性が充分でない場合があります。予めご了承ください。

建設業界の人材採用・転職サービスを提供する株式会社夢真の編集部です。
建設技術者派遣事業歴は30年以上、当社運営のする求人サイト「施工管理求人サーチ」の求人数は約6,000件!
このコラムでは上記の実績と知見を活かし、建設業界で働く方の転職に役立つ情報を配信しています。

株式会社夢真 コーポレートサイト

Twitter LINE
RECOMMEND

おすすめ求人

PAGE TOP

まずは無料登録
お電話でのお問い合わせはこちら