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ポリエステル系人工大理石とは?材質の特徴やコスト面などを解説

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公開日時 2023.02.10 最終更新日時 2023.02.10

人工大理石と人造大理石との違い


人工大理石とは、ポリエステルなど樹脂でできた大理石で、人造大理石は大理石やその他の石を砕いてセメントに混ぜて固めた大理石です。

人工大理石には、樹脂素材の違いで、ポリエステル系とアクリル系があり、人工大理石と人造大理石では、製造方法や構成物質も異なります。

素材の特徴にも違いがあり、人工大理石はキッチンカウンターや浴槽に使用し、人造大理石は、壁材や床材、外回りなどに使用します。

製造方法の違い

人工大理石は樹脂を型で固め、人造大理石は本物の大理石などをセメントに砕いて混ぜ込みます。

人工大理石は、工場で製造されます。一方の人造大理石は、工場で生産する以外に、現場で左官職人たちが作ることも可能です。「テラゾー」と呼ばれる素材及び工法で、高いデザイン性を求められるシーンで利用されます。

どちらも光沢がありますが、人造大理石は仕上げに研磨し、人工大理石は研磨しません。

成分の違い

人工大理石は、ポリエステルやアクリルなどの樹脂で、人造大理石のように本物の石は配合しません。

人工大理石の模様は色素などによって作られます。一方の人造大理石は、本物の石を砕き、大きさや色を組み合わせて作ります。固める際、樹脂を使用することもありますが、主にセメントやモルタルを利用します。

素材の違いは、製品の重さに反映され、人工大理石は軽く、人造大理石は重い仕上がりです。

ポリエステル系人工大理石の10の特徴


ポリエステル系人工大理石の特徴は、アクリル系よりも低価格なことです。

ポリエステル樹脂を原料に使用するため、材質として温度変化に弱い特徴があります。表面をコーティングして耐久性を高め、長期使用できるようにした製品も多くあります。

型を使用した生産方式で、大量生産が可能です。オリジナルデザインを目指す場合は、型から製造するため、価格が高くなります。

1:型を用いてつくられる成形品である

ポリエステル系人工大理石は、型にポリエステル樹脂を流し込んで成形します。

人造大理石は仕上げに職人の手作業で研磨を行うため、オリジナルデザインは可能ですが、複雑な形状には対応できません。

ポリエステル系人工大理石は、型から取り出した後に研磨作業を行いません。仕上げのコーティングも機械で対応するため、型さえ製作できれば、どんな形状でも成形可能です。

2:光沢感がある

ポリエステル系人工大理石はアクリル系よりも光沢があります。

人工大理石に利用するポリエステルは、不飽和ポリエステルです。不飽和ポリエステルはFRPと非FRPに分類されます。FRPと非FRPの違いは強化繊維です。人工大理石に使用する非FRPは強化繊維を含みません。

人工大理石はFRPと比較して光沢があり、高級感を漂わせます。大理石模様なども影響し、美しさを演出します。

3:組み合わせて一体成形が可能

ポリエステル樹脂は型に流し込んで成形する際、キッチン台とシンクを組み合わせた一体成形ができます。

シンクと天板、カウンターの一体成形は、継ぎ目のない製品を作り出します。見た目もよく、掃除がしやすい製品に仕上がります。水漏れの心配もなく、安心して使える点がメリットです。

一体成形の美しさは、統一感を生み出します。オリジナルデザインの開発などデザイナーの創作意欲を刺激します。

4:性質は硬くて脆い

ポリエステル系人工大理石は、アクリル系よりも硬くて脆い(もろい)性質を持っています。

ポリエステル樹脂は、気泡や異物などの混入があると劣化や破壊の原因になります。アクリル系よりも硬いため、靭性が少なく外部からの衝撃に弱い性質です。

内部に欠陥がある場合はストレスクラックが発生し、溶剤が影響した時はソルベントクラックを引き起こします。

5:熱で黄変しやすい傾向にある

ポリエステル系人工大理石は熱に弱いため、黄変しやすく場合によっては亀裂が生じます。

ポリエステル樹脂は、加熱されると分子活動が活発化し、空気中の酸素と反応して分解されてしまいます。熱の要因としてあるのは、直接加熱されるほか、太陽光など光エネルギーの影響です。

太陽光など光による黄変は、ポリエステル系人工大理石の表面で発生します。光エネルギーを吸収した分子は、化学結合の切断や酸化が原因です。

6:汚れが付きやすい

ポリエステル系人工大理石は、天然大理石よりも柔らかいため、傷や汚れが付きやすくなってしまいます。

ポリエステル樹脂の汚れの原因は、樹脂の表面に付いた傷に汚れが付着するためです。また、太陽光などにより表面が経年劣化しやすく、小さなクラックが発生している可能性もあります。

銅製品などのサビが付着すると取れにくいなど、キッチングッズの影響を受ける場合もあります。

7:主に大量生産される手法をとる

ポリエステル系人工大理石は、同じ型を利用して大量生産されるため、製品の価格を安くできます。

ポリエステル樹脂の成形方法は様々ですが、いずれも型を利用します。型を利用すると作業員の熟練が不要で、機械化など工程の自動化が可能です。

キッチンカウンターや浴槽を成形する時は、注型の手法で行います。使用する型の製造コストも安く、質感を高めた成形ができます。

8:オリジナルの型を製作するとコストが発生する

ポリエステル系人工大理石は同じ型を使用してコスト低下を目指すため、オリジナルデザインの場合は、型から製作するためコストが高くなります。

アクリル系は、板状の原板を作成して組み立てる工法です。設計に基づいて部品を切り出し、ねじれや湾曲など加工した後、接着します。

ポリエステル系は成形後の加工はできません。そのため、オリジナルデザインは型作りからになります。

9:素材自体のコストはアクリル系より安い

ポリエステル系もアクリル系もどちらもプラスチックですが、利用範囲が広いポリエステル系のほうが、低コストで生産されます。

アクリル樹脂は、「プラスチック女王」と称されるほど耐衝撃性、耐候性に優れ、ガラス以上に透明です。

アクリル樹脂はメタクリル酸エステルに重合開始剤を加え、加熱して化学反応させます。ポリエステルより原料価格が高額で製造工程が多く、製品コストが高くなります。

10:曲げ加工ができない

ポリエステル系人工大理石は、アクリル系と異なり曲げ加工ができません。

ポリエステル系は型を使用して成形しますが、素材が硬く脆いため曲げや切断、穴あけなど加工はできません。加熱に弱く、歪みや亀裂を引き起こすだけで、湾曲加工に対応不可能です。

ポリエステル系はそのまま使用することを前提に、設計を行います。利用する際は、設計図書でサイズや形状を確認の上、発注します。

アクリル・ポリエステル系人工大理石両方に共通する特徴


アクリル系もポリエステル系も、人工大理石は色や柄の種類が豊富です。

製造過程で色素によって着色や模様を施すため、様々な色や柄が作れます。豊富なバリエーションから理想の色を選択でき、インテリアとの調和を目指したコーディネートも容易です。

天然大理石や人造大理石と比較して低予算で施工できます。施工者として、依頼主へのキッチンやトイレなどの提案の幅が広がります。

ポリエステル系人工大理石に使用される場所


ポリエステル系人工大理石は、主に水回りに使われます。

アクリル系より紫外線に弱いため、屋外での使用には不向きです。熱に弱い特徴から、長時間お湯を入れる浴槽、キッチンの天板やカウンターには使用しません。

表面をコーティングしてなめらかな仕上がりにすると、耐水性も向上します。豊富な色や硬さを活用して、キッチンのシンクやトイレ、洗面台に使用します。

ポリエステル系人工大理石の取り扱い方

ポリエステル系人工大理石の取り扱い方


ポリエステル系人工大理石は特徴を理解した上で、取り扱いに注意が必要です。

アクリル系よりも硬いですが、脆いために運搬中の傷や損傷に気を付けます。ポリエステル系人工大理石は、傷がつきやすく補修しにくい特徴があります。

キッチンやトイレ、洗面台に利用する際は、汚れ落としなどメンテナンス方法をわかりやすく顧客に説明しましょう。施工した場所を長期間気持ちよく使用してもらえるように、配慮が必要です。

脆いので持ち運びに気を付ける

ポリエステル系人工大理石は、脆い特徴があり、持ち運びには注意が必要です。

施工する際、運搬中にぶつけたり落としたりしないようにします。少しの衝撃で欠ける可能性を否定できません。見た目に異常がない場合も、内部にクラックが発生することもあります。

内部のクラックは、水漏れの原因になります。耐久性を低減させる要因になるため、運搬及び設置作業中に衝撃を与えないように慎重に作業を進めましょう。

ポリエステル系人工大理石は熱に対して弱いため、引き渡し後の取り扱いを丁寧に説明します。

ポリエステル系は熱で黄変や亀裂が生じる場合もありますので、引き渡しではキッチンのシンクで熱湯が直接かからないようにアドバイスします。低温でも影響が出ることもあり、洗面台にお湯をためたままにしないようにすることも大切です。

施工中の熱による事故を未然に防ぐ目的で、熱源を近くに置かないよう注意を払います。

メンテナンス方法の注意点

ポリエステル系人工大理石のメンテナンスは傷を付けないようにします。

傷が付くと汚れが付着する原因になります。掃除の際、汚れを落とそうとして液体クレンザーやタワシを使用すると、かえって表面に小さな傷を付けてしまいます。適した洗剤を使用しないと、コーティングを溶かすなど逆効果です。

材質の特徴を理解して、製品に適したメンテナンス方法をおぼえ、顧客に説明しましょう。

液体クレンザーを使用しない

ポリエステル系人工大理石の掃除は、台所用中性洗剤を使用し、液体クレンザーは避けます。

液体クレンザーは小さな傷を付けてしまいます。掃除をする際は、乾いた布で表面を拭き、汚れが軽いうちに拭き取るよう心掛けましょう。それでも汚れが取れない場合は、水で薄めた中性洗剤を汚れに塗り、スポンジで優しくこすって落とします。

洗剤を乾いた布で拭き取った後、水拭きし、仕上げに水分を乾いた布で拭き取ります。

タワシを使用しない

ポリエステル系人工大理石は、タワシを使用しないで、食器洗い用のスポンジを使います。

こびりついた汚れは、台所用中性洗剤を泡立てて塗り、5分ほどパックすると簡単に落とせます。拭き取る場合も優しく作業して、強くこすらないようにしましょう。

タワシ以外に、水だけで汚れを落とすメラミンスポンジも、表面に小さな傷をつける原因です。柔らかい布だけを使用し、油汚れも中性洗剤で対応します。

ポリエステル系人工大理石の特性を理解しよう


ポリエステル系人工大理石は、ポリエステル樹脂に色素を混ぜて模様をつけた素材で、キッチンのシンクや洗面台に使用します。

人造大理石のように天然の石は配合していません。熱や衝撃に弱い材質ですが、型に流し込んで成形するため低価格です。傷が付かないように施工中及びメンテナンスには注意します。

ポリエステル系人工大理石に対する理解を深め、施工しましょう。


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