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サンドドレーン工法のメリット5つとデメリット4つ!工法の基本的な仕組み

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公開日時 2023.02.20 最終更新日時 2023.02.20

こちらの記事では、サンドドレーン工法のメリットについてご紹介いたします。

 


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サンドドレーン工法の歴史

サンドドレーン工法とは、バーチカルドレーン工法の代表的な工法の一つで、軟弱な粘性土地盤にケーシングパイプを貫入して土中の水を抜くことで圧密沈下を促進させ地盤を安定化する工法です。

世界的に見ても有数の軟弱地盤国である日本には戦後1950年代にサンドドレーン工法などが欧米の先進国から技術導入されました。その後戦後10年を経て日本独自の技術も開発されるようになり、更に進化した工法が増えてきました。

サンドドレーン工法の種類2つ

軟弱地盤を改良する代表的な工法であるサンドドレーン工法には、大きく分けて袋詰めサンドドレーン工法と部分被覆サンドドレーン工法の2種類があります。軟弱地盤の中に砂の層を作って排水を促進し地盤を安定する原理は一緒ですが、それぞれに特徴があります。

各工法の特徴について詳しく解説します。現場の状況や範囲、条件に応じて最適なサンドドレーン工法を選定してください。

袋詰めサンドドレーン工法

袋詰めサンドドレーン工法はパックドレーン工法とも呼ばれ、砂柱の施工中や施工後の連続性を保つために可とう性の合成繊維袋に砂を詰めたものをドレーン材として使用し確実に砂柱を造成する工法です。

4本等の複数の砂柱を同時に施工できます。他工法に比べて工事費が安価であることやドレーンが連続して途切れないメリットがありますが、沈下が収束するまでの期間が必要であり振動・騒音が大きいデメリットでもあります。

部分被覆サンドドレーン工法

部分被覆サンドドレーン工法はCFドレーン工法とも呼ばれ、袋詰めサンドドレーン工法とサンドドレーン工法の利点を活かして必要部分のみを網筒で被覆することで経済性を高めた工法です。施工中や施工後の載荷に対して連続性を損なわず圧密排水効果を維持できます。

砂柱の連続性が保てないような超軟弱地盤でも施工可能で、施工管理計によってケーシングパイプの打込み深さやパイプ内の砂の動きなどを管理できます。

サンドドレーン工法のメリット5つ

日本では軟弱地盤の改良方法として古くから施工されているサンドドレーン工法について、代表的なメリットを5つ挙げて説明します。島国で国土が狭い日本では水分が多く軟弱な地盤でも改良して活用することが求められてきた歴史があります。

様々な地盤改良工法の中でもサンドドレーン工法が一般的になった背景には、これから説明するメリットが日本の国土に合っていたことも理由として考えられます。

1:工事の費用が安価である

サンドドレーン工法のメリットとして1つ目は、他の工法に比べて圧倒的に工事費が安く施工できることです。軟弱地盤を掘り返すことなく、そのままの状態でケーシングパイプを打ち込んで砂を注入するという単純な施工方法なので工事費を抑えられます。

かなり古くから施工されて歴史がある工法で特別な先進技術などを必要とせず、しかも施工では軟弱地盤を効果的に改良できる点が長く採用されている理由と言えます。

2:圧密の遅れが少ない

サンドドレーン工法のメリットとして2つ目は、軟弱地盤の圧密に遅れが少ない点です。サンドドレーン工法は他の工法に比べて杭の径が大きく土中に大きな砂の層を作れるため、全体的に水が抜けて圧密が着実に進みます。

大型の掘削機械を使用するため貫入能力も高く、大口径の砂のパイプを短期間に設置できます。簡単で効果が高い工法であるため、古くから改良工法として多く採用されている理由となります。

3:安定性が向上する

サンドドレーン工法のメリットとして3つ目は、地盤の安定性が向上することです。軟弱地盤の中に大口径の砂の柱を構築するサンドドレーン工法を施工すると、土中の水分が砂の中に抜け出して地盤の強度が上がる効果があります。

サンドドレーン工法を実施して圧密が進行すると、軟弱地盤の強度が上がり安定性が向上する結果につながります。砂の柱をどれだけ密に配置するかによって、効果も変わるため適切な配置計画が大切です。

4:地盤沈下・液状化対策になる

サンドドレーン工法のメリットとして4つ目は、地盤沈下や液状化対策にもなる効果的な工法であることです。サンドドレーン工法は軟弱地盤の中に何本もの太い砂の柱を打ち込むイメージなので、改良後に建物を構築しても地盤沈下を起こしにくい地盤ができます。

また、まんべんなく配置されたサンドドレーンの柱から水分を均等に吸収するため、地震時に地盤が液状化する心配がなくなります。

5:施工場所を問わない

サンドドレーン工法のメリットとして5つ目は、施工場所を問わないという点です。大型の施工機械を使用するため軟弱層の深い部分まで施工ができることや、海上でもケーシングパイプが多く連装できる大型船を活用できるため施工場所を選ばず工事が可能となります。

大規模工事を短期間で施工完了できることが特徴でもあり、施工場所を選ばず経済的に軟弱地盤を改良できる多くのメリットがある工法と言えます。

サンドドレーン工法のデメリット4つ

サンドドレーン工法のデメリット4つ

サンドドレーン工法の様々なメリットを紹介しましたが、デメリットもあるので施工前にしっかりと理解しておくことが大切でしょう。ここからは、デメリットを4つ挙げて説明します。メリットを活かしてデメリットを少しでも減らせる現場に、上手に使うことをおすすめします。

1:圧密状態で放置する時間が必要になる

サンドドレーン工法のデメリットとして1つ目は、圧密状態で放置する時間がどうしても必要になることです。サンドドレーン工法は軟弱地盤の中に砂の柱を設置して自然に水分が抜けて圧密を促進する工法なので、徐々に水分が抜けて圧密が落ち着くまでは時間が必要になります。

圧密時間を短くするためには砂の柱の間隔を狭くし水分が早く抜けるようにすることが効果的ですが、その分工事費が大幅アップしてしまうので注意が必要です。

2:振動や騒音が発生する

サンドドレーン工法のデメリットとして2つ目は、大きな振動や騒音が発生することです。サンドドレーン工法で使用する機械は大型なものが多く、ケーシングパイプを打ち込む時に大きな振動や騒音が発生してしまいます。

軟弱地盤の中に大口径のパイプを打ち込むためには、他の工法に比べて大型の施工機械を使用しなければならず、低騒音型の機械を使ってもある程度の振動や騒音は覚悟しておきましょう。

3:狭い地域での作業は通行止めにしなければならない

サンドドレーン工法のデメリットとして3つ目は、狭い地域で施工する時には通行止めにしなければならない点です。サンドドレーン工法では施工機械が大きく場所を取るため、道路を通行止めとしなければ工事ができません。

圧密沈下が収束するまで時間がかかるので、短時間で工事を終えて直ぐに通行止めを開放することも難しい工法となります。施工までに綿密な計画を立てて、う回路などの準備を万全にしてから工事することが必要です。

4:施工後の地盤状態の確認が難しい

サンドドレーン工法のデメリットとして4つ目は、施工後の地盤状態を確認することが難しい点です。軟弱地盤にケーシングパイプを打ち込んで砂を充填して周りの水分を抜いて地盤改良するサンドドレーン工法は、工事終了後の地盤の状態を直接チェックできません。

地盤全体がどれだけ改良されたかは支持力試験などで強度確認ができますが、細かい部分の状態が計画通りに改良されているかどうか確認方法がないのが現状です。

サンドドレーン工法の基本的な仕組み3つ

ここからはサンドドレーン工法を施工することによって、どのように軟弱地盤が改良されるのか基本的な仕組みについて解説します。強度のない粘土地盤などの軟弱地盤に砂の柱を打ち込んで水を抜いて強度を高めるのが基本ですが、仕組み3つについて細かく説明します。

1:砂の杭・敷いた砂の層を通す

サンドドレーン工法の仕組みとして、まずは砂の杭や敷いた砂の層を通すことです。土の中に水分が多いことで強度が上がらない軟弱地盤の中に、砂の杭を入れて水分を抜いて作業を行ないます。

粘土地盤から砂の方に水分が抜けると硬い粘土になるため、強度もそれだけ強くなるという仕組みです。より早く水分を抜くために様々な工夫を行ないます。

2:排水する距離を近くする

サンドドレーン工法の仕組みとして、次は排水する距離を近くすることです。軟弱な粘土層から早く水を抜くためには、水が抜ける通路の距離を短くすることで効果があります。

そのため砂の杭を近い距離で密に打ち込んで排水する距離を近くすることにより、砂の杭と敷いた砂の層を通して粘土層に含まれた水分が早く外に出ていきます。

3:粘土層に含まれた水分を排出する

サンドドレーン工法の仕組みとして、最後は粘土層に含まれた水分を排出することです。たくさんの砂の杭を打ち込んで、その杭が水路のような役割をすることで粘土層に含まれた水分が排出されます。

水を入れたコップにスポンジを入れるとスポンジが水を吸い込むように、砂の杭が毛細現象のスポンジの役割を果たして粘土側から水分を抜いていきます。早く水分を排出して圧密沈下が修了すれば強度が上がります。

サンドドレーン工法の活用事例3つ

ここからは、実際にサンドドレーン工法を活用して軟弱地盤の改良を行なった事例を3つ挙げて、それぞれ分かりやすく紹介します。3つの事例について、どの現場も大規模なサンドドレーン工法により、軟弱な地盤を強固なものとして空港や発電所を安全に建設しています。

1:関西国際空港の地盤改良

サンドドレーン工法を活用した事例として、1つ目は関西国際空港の地盤改良です。関空では一期工事でも二期工事でも約百万本もの砂の杭が打ち込まれており、世界的に見ても例を見ない大規模な地盤改良工事として知られています。

関西国際空港では島の重さによって元々沖積粘土層の厚さが2/3になるほど大きな沈下が起こりますが、沈下自体は止められないため沈下改良を早める方法としてサンドドレーン工法が採用されました。

2:神戸空港の地盤改良

サンドドレーン工法を活用した事例として、2つ目は神戸空港の地盤改良です。神戸空港はポートアイランドの南約3kmの沖合を埋め立てて建設された海上空港ですが、護岸築造工事においてサンドドレーン工法を行なった上で捨て石と盛砂を行なって完成しました。

厚さ30mに及ぶ沖積粘土が堆積する水深16mの地盤上に護岸を築造するため、サンドドレーン工法によって粘土層の圧密沈下を促進させた改良土の上に施工されました。

3:東京電力 常陸那珂火力発電所新設の地盤改良

サンドドレーン工法を活用した事例として、3つ目は東京電力の常陸那珂火力発電所新設で施工された地盤改良工事です。建設予定地の支持地盤は、エリアによって起伏が著しく軟弱地盤の層が30m近くも堆積していたため、サンドドレーン工法を活用して地盤改良が行なわれました。

2016年から地盤改良が施工され、液状化対策も兼ねて砂の杭を約16,000本打ち込んで地盤を安定化させてから発電所の建築が行なわれました。

サンドドレーン工法について理解しよう

軟弱地盤と呼ばれる土地は水分をたくさん含んでおり、上に建物などを建てると沈下してしまいます。地盤に含まれる水分を抜くことである程度丈夫な地盤に改良できますが、その代表的な方法がサンドドレーン工法になります。

軟弱地盤の中に砂の杭を打ち込んで排水を促進することで地盤を強化できる便利な工法で、空港や発電所などの大規模工事で採用されることが多い工法です。サンドドレーン工法について理解を深め、適切に活用しましょう。

 


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