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施工体制台帳とは?施工体制台帳の書き方13項目と作成義務が発生する工事を解説

施工体制台帳とは?

施工体制台帳とは、工事施工を請負う全ての業者名及び各業者の施工範囲と技術者氏名などを記載した書類です。

 

全ての工事で必要ですが、下請契約の請負代金の総額が4千万円以上、または建築一式工事の際は6千万円以上の全ての工事は、建設業法に基づく元請業者の義務となります。公共工事だけでなく、民間工事も対象です。

 

公共工事は入札契約適正化法により、下請契約の金額に関係なく作成します。

 

出典:建設工事の適正な施工を確保するための建設業法 (令和2.10版)|国土交通省
参照:https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000699485.pdf

施工体制台帳の保存期間

施工体制台帳の保存期間は、発注者に構造物を引き渡した後、5年間です。

 

発注者に構造物を引き渡した後は、内容を抜粋した施工体制台帳を会社で保管します。技術者の氏名と資格、下請業者の名前と各業者の担当工事と工期などです。スキャンして電子化保存もできます。

 

帳簿の保存方法は、建設業法の定めに基づいて行います。新築住宅の建設工事の書類は、営業所での保存期間は10年です。

施工体制台帳の提出先

施工体制台帳は、公共工事の場合は発注者へ提出します。

 

施工体制台帳の作成は全ての工事で作成しますが、提出が義務付けられているのは公共工事だけとなります。民間工事は、発注者から請求されたときに見せます。

 

施工体制台帳の作成が義務付けられた建設業者は、施工体系図も作成します。下請の施工分担がわかる樹形図などの形式で作成し、工事期間中は工事関係者の見やすい場所などに掲示します。

施工体制台帳の目的

建設業界の働き方

施工体制台帳の目的は、施工責任の明確化と建設業法違反の防止です。

 

施工体制台帳には、下請業者も含めた各工程の責任者を明記します。施工上のトラブルを回避し、完成後に不具合があった場合の責任の所在が把握可能になります。

 

公共工事では、技術者の現場責任制の徹底、一括下請負や社会保険の加入などのチェックにも活用できます。現場の施工体制を適正化し、建設現場の環境整備と品質向上に役立てます。

施工体制台帳の書き方13項目

施工体制台帳の書き方は、建設業法などに基づいた内容となります。

 

元請負人は下請負人から提出された再下請負通知書を基に施工体制台帳などを整備します。元請負人に関する事項と下請負人に関する事項をそれぞれ記入し指定された添付すべき書類も作成します。

 

施工体制台帳の構成は、元請関係と下請関係に分け、下請は業者ごとにまとめます。作成範囲は三次下請までで、資材業者や運輸業者などは該当しません。

1:会社名・事業所名

施工体制台帳には、元請負人及び下請負人の会社名と事業所名を記載します。

 

会社名はもちろんですが、事業所や営業所も記載します。名称には、住所や連絡先などの情報も含まれます。下請負人も同様に記載し、責任の所在を明確にします。

 

国土交通省のサイトの施工体制台帳や施工体系図、再下請負通知書のテンプレートが利用可能となります。エクセル形式で作られ、ダウンロードして使用します。

2:工事名称・工事内容・工期

施工体制台帳には、工事名称や工事内容、工期もそれぞれ記載します。

 

工事名称や工事内容は、契約書に記載された正式名称を使用します。

 

工期とは、建設工事の着工から竣工までの期間です。設計や入札、契約段階で工期を設定します。

 

工期の設定は、発注者指定・任意着手・フレックスなどの方式がありますが、契約書の工期を使用します。再下請負通知書に記載する工期は、工事着手時期及び工事完成の時期となります。

3:建設業の許可

施工体制台帳に記載する建設業の許可は、施工する工事に関係なく業者が受けている許可業種全てが対象となります。

 

建設業許可は、一般建設業と特定建設業があります。特定建設業許可は下請契約を締結した4千万円以上の工事の元請に必要です。一般は特定以外を指します。業種別の許可は、大工工事や左官工事など29種類です。

 

再下請負通知書は、施工する工事に関係する許可業種に許可番号も併記します。

4:発注者名・住所

施工体制台帳は、発注者名と住所も記載します。

 

公共工事はもちろん、民間工事でも記載します。発注者は商号や住所、契約書に記載してある担当者氏名なども必ず記載します。発注者が個人の場合は氏名を、個人事業主の場合は営業用であっても代表者氏名だけで屋号は不要となります。

 

施工体制台帳に添付する再下請負通知書は、発注者ではなく注文者です。下請は発注者ではなく、元請と契約を締結するためとなります。

5:契約日・契約営業所

契約日や契約営業所は、発注者との契約内容の記載になります。

 

契約日とは、発注者との請負契約を締結した年月日を指します。発注者の名称や商号、本社の所在地と契約を交わした営業所の名称と住所などを施工体制台帳に明記します。

 

公共工事の再下請負通知書は、注文者と請負代金も明示します。民間工事で元請と注文者が異なる場合は、金額が不要です。

6:発注者の監督員名・権限

発注者の監督員名・権限欄には、発注者側の監督員の氏名と「権限及び意見申出方法」を記入します。

 

権限及び意見申出方法欄の書き方は、権限欄は「請負契約書第△条記載の通り」です。契約書の条文番号を確認して記載します。意見申出方法は「文書による(契約書第◇条の通り)」と書きます。

 

どちらの条文も番号を間違えないように、記入前に必ず書面を確認しましょう。

7:現場代理人名・権限

現場代理人を置く場合は、氏名と権限及び意見申出方法を所定欄に記入します。

 

現場代理人とは、元請側の現場代表者です。任意ですが、選任する場合は発注者に対して文書で通知します。

 

権限は「請負契約書第△条記載の通り」として、意見申出方法は「文書による」または発注者に対する選任時の通知書のコピーを添付します。下請業者の現場代理人も、施工体制台帳に元請と同様に記載します。

8:監督員名・権限

監督員名・権限とは、元請側が下請業者に対して配置する監督員を指します。

 

監督員氏名と共に、権限は「下請契約書第△条記載の通り」「別添通知書の通り」と書きます。意見申出方法は「文書による」で、条文番号まで記載する必要はありません。

 

元請の監督員を配置しない場合は、配置なしまたは空欄にします。また、意見申出方法が契約書や通知書と異なる場合は、具体的に記入します。

9:監理技術者・主任技術者名

監理技術者または主任技術者は建設現場の管理・監督を行い、設置が義務付けられているため施工体制台帳にも必ず記載します。

 

工事の規模に応じて、現場配置技術者として有資格者を選任します。氏名と保有する資格、専任・非専任を明記します。

 

元請、下請共に現場配置技術者は、工事の規模によって現場専任性が求められます。特例で兼任できる場合もありますが、条件を必ず確認して配置します。

10:専門技術者名・担当する工事の内容

専門技術者を配置する場合、氏名と担当する工事内容及び保有資格を施工体制台帳に記載します。

 

元請が一式工事を施工する際に専門工事が含まれるときは、専門技術者の設置が義務となります。元請の監理技術者や主任技術者が有資格者であれば兼任でき、元請が別に専門技術者を配置するか、専門工事業者が下請する場合など、それぞれ専門技術者を報告します。

 

担当工事内容は工事の規模を示す「工事内容の要約」などです。

11:資格の種類

監理技術者や主任技術者、専門技術者の資格の種類は、建設業法に基づきます。

 

監理技術者は指定建設業7業種の1級国家資格が必要で、主任技術者は技能検定1級または技術検定2級の保有、学歴に実務経験と指導監督的実務経験の両方が必要です。

 

資格の場合は「1級土木施工管理技士」など、経験年数による場合は「高校卒(土木学科)5年以上の実務経験」などと書きます。

 

出典:監理技術者の資格要件|一般財団法人 建設業技術者センター ホームページ
参照:https://www.cezaidan.or.jp/managing/about/condition/index.html

12:外国人技能実習生・建設就労者の状況

外国人技能実習生や建設就労者の就労状況を施工体制台帳に記入しなければなりません。

 

外国人技能実習制や外国人建設就労者が、建設工事に従事するときは、有無のどちらかを丸で囲みます。

 

合わせて、一号特定技能外国人の従事状況も報告します。この報告は、元請も下請もどちらも必要になります。

13:健康保険などの加入状況

健康保険などの加入状況は、健康保険と厚生年金保険、雇用保険について記載します。

 

それぞれの保険の事業所整理番号及び事業所番号を明記します。加入状況に応じて、営業所や本店の整理番号を使用します。

 

労働環境の改善と作業員を保護するための記入です。公共工事では発注者の自治体が、元請の管理責任をチェックする目的もあります。

 

 

施工体制台帳に必要な添付書類

施工体制台帳同様、添付すべき書類も建設業法施行令の規定となります。

 

発注者との契約書、下請と元請(注文者)との契約書それぞれのコピー、元請の監理技術者や専門技術者の資格を証明する書類などです。監理技術者補佐を配置する際、その資格証明も必要になります。

 

監理技術者と監理技術者補佐、専門技術者は健康保険証のコピーも添付して、法律で規定された元請や下請など企業との雇用関係を証明します。

施工体制台帳の作成義務が発生する工事とは?

特定建設業者の元請業者が請負った建設工事の総額が4千万円、建築一式工事は6千万円以上を下請契約する場合となります。

 

建設工事部分の総額で、調査業務や資材納入、運搬や警備業務の契約金額を除きます。全ての建設工事で作成は必要です。

 

公共工事は金額に関係なく発注者への提出義務があるため、作成義務が発生します。

施工体制台帳の記入方法を知ろう!

施工体制台帳は、全ての建設工事で作成します。

 

作成義務や提出義務は、工事の規模や発注者によって規定が異なります。記載内容や方法は決まりがあり、国土交通省のテンプレートの使用や各自治体の指示に従います。記入後は元請と下請に区別して構成し、添付書類も揃えます。

 

施工体制台帳の正しい記入方法を知って、適切な工事管理を行いましょう。

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