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素地調整のメリット3つとは?よく使われる工具7選や注意点など解説

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公開日時 2023.03.02 最終更新日時 2023.03.02

こちらの記事では、素地調整のメリット3つについてご紹介いたします。


 

素地とは


「素地」には多くの意味がありますが、ここでは塗装されていない面のことを意味します。また、「素地調整」とは塗装工事の際に前処理として塗装に適した状態にするために素地の処理をすることです。

塗装する面が汚れていると、塗装のできが悪くなるばかりでなく、塗膜が剥離して塗装の役割を果たせないことがあります。そのため、素材の粉化物やゴミなどの不純物を除去する清掃作業が必要になります。

なお、素地調整の中でも「ケレン」は、主に鉄製の下地に対して行う作業で、さび落としを主とした素地の処理です。

素地調整のメリット3つ


金属の素地の表面には油脂やさび、汚れなどが付着しています。それらを取り除き、塗装に適した状態にするのが「素地調整」であり、「ケレン」です。

素地調整をせずに塗装工程に進むと、塗装の仕上がりや効果、耐久性に大きく影響します。そんな素地調整のメリットや目的を見ていきましょう。

1:サビや汚れなどを取る

素地調整をすることによって、塗膜の邪魔になる油脂や粉じん、塩分、水分、塵埃などの付着物を取り除くことができます。

汚れや風雨、紫外線によるダメージから建造物を守るための塗装は、塗膜が被塗面にしっかりと密着していなければ、その効果が十分に発揮されません。そのためには、被塗面の異物を可能な限り取り除く必要があります。

2:劣化した古い塗膜を取る

古い塗膜は再利用できないため、塗装をする際は古い塗膜を除去してから、耐久性が高い塗膜を新しく形成させなければいけません。

古い塗膜の上から塗装しても、塗装の施工不良が生じやすくなります。そのため、素地調整の工程で、汚れや油脂などとともに劣化した旧塗膜を取り除きます。

3:塗料のノリをよくする

素地調整の目的の1つは、塗料の付着をよくするために被塗面に凹凸を付けることです。つるつるの表面をもつ素材には塗膜が付着しにくく、はがれやすくなります。しかし、被塗面にわずかな凹凸を作ることで表面積が広くなり、塗膜が剥がれにくくなります。

さらに、被塗面の処理(化成皮膜処理)をして均一な層を形成することによって、防食性と塗料の付着性を向上させる方法も、素地調整の1つです。

素地調整の種類4つ


素地調整には、その作業内容や方法に応じて、1種ケレンから4種ケレンまでの4種類に分けられます。さびの面積や旧塗膜の状態などから、素地調整の種類を選択します。そんな素地調整の種類を整理していきましょう。

なお、大規模改修工事などを担う建築分野の素地調整では、上記4種類の区分ではなく、RA(1、2種ケレンに相当)・RB(3種ケレンに相当)・RC(4種ケレンに相当)の3区分に分けられます。

1:1種ケレン

1種ケレンは、細かい砂や金属片などの研磨剤を高圧力で打ちつけて研磨する「ブラスト法」を用いて、被塗面を処理します。旧塗膜を徹底的に除去し、鋼材面を露出させるため、4種類の中でもっとも素地調整の効果が高いのが、この1種ケレンです。

1種ケレンは、主に道路橋などの大規模な構造物に対してのみ行われます。デメリットとしては、騒音が大きいことや粉じんが飛び散ること、作業者の防護が必要となることなどがあります。

2:2種ケレン

2種ケレンは、さび面積30%以上の場合に選択され、旧塗膜やさびを除去して鋼材面を露出させます。ディスクサンダーやパワーブラシ、ワイヤーホイルなどの工具を使って、電動工具が使えない場所は手作業で、さびや旧塗膜を削って除去します。

騒音や粉じんに関する影響が少ないため、戸建て住宅でよく使われるケレン作業です。

3:3種ケレン

3種ケレンは、活膜を残して旧塗膜(さびや割れ、膨れなど)は除去するケレン作業で、さび面積と塗膜異常面積によってA・B・Cの3段階に分けられます。2種と同様にワイヤーブラシやスクレーパー、やすりなどの電動工具や手工具を使ってさびや汚れを除去します。

3種ケレンは、戸建て住宅でもっとも採用されているケレンの種類です。

4:4種ケレン

4種ケレンは、活膜は残して旧塗膜を除去します。ダメージが少なく、軽微な異常をきたしている面に対して、電動工具は使用せず、紙やすりや研磨スポンジ、ワイヤーブラシなどを使い、さびなどが発生している死膜のみ除去します。

4種ケレンは、塗膜の付着を良くするために、あえて素地表面に凹凸をつける「目荒し」が主な目的となる場合もあります。4種ケレンも戸建て住宅に良く用いられます。

素地調整で使われる工具7つ


素地調整の中のケレン作業に使用する道具は、電動工具と手工具があります。前段で紹介した1種ケレンでは電動工具によるブラスト法を用い、2種~4種ケレンでは使用する道具がほぼ共通しています。

ここからは、ケレンの目的や素地の現状、作業スペースなどに応じて使い分けられる工具類を紹介していきます。

1:スクレーパー

「スクレーパー」は、先端に刃状またはヘラ状の部分がついた道具を指します。その先端でそぎ落とすように、劣化した古い塗装やさび、付着物をはがします。

スクレーパーによく似た道具で、「皮スキ」と呼ばれるヘラ状の、皮革を薄く削る道具があります。もともとの目的は異なっていましたが、ケレン作業用として皮スキが市販されていることもあります。

2:エアハンマー

「エアハンマー」は、先端にたがねを素地に打撃することで、さびや古い塗料を落とします。先端に付けるのはたがねだけでなく、針をつけたものもあり、エアハンマーの種類は多彩です。

エアハンマーはエアコンプレッサーと接続し、圧縮空気によってシリンダー内のピストンを往復させることによってたがねを打ち付ける電動工具です。

3:ディスクサンダー

「ディスクサンダー」は、回転する円盤にカップワイヤーホイルやサンドペーパーを取り付け、それで塗布面を研磨することによって汚れやさびを落とす電動工具です。

ディスクサンダーを含めた電動サンダーは、バリ取りなどには欠かせない工具で、手作業では時間がかかる広い面積の研磨作業を、短時間で効率よく行える道具です。

4:ワイヤーホイル

「ワイヤーホイル」とは、金属製のワイヤー線がブラシ状に入ったホイル(カップ)で、回転させながら被塗面に押し付け、さびや汚れを除去します。ワイヤーホイルは、主にディスクサンダーに取り付けて使用されます。

なお、同じ金属製のワイヤーを使用したブラシが「ワイヤーブラシ」で、電動工具が入らない狭い場所のケレン作業に使用されます。

5:ウォータージェット

「ウォータージェット」は、高圧で水や温水を噴射して塗膜を剥離させる電動工具です。特に、高圧温水洗浄をすることで、常温水では落とせなかった塗料の剥離も可能です。

この方法のメリットは騒音や振動が少ないこと、デメリットは大量の排水処理が難しいことです。汚れを落とす「洗浄」から、死膜のみ除去する「準ケレン」まで、ケレンの強さを調整しやすい電動工具です。

6:やすり

ケレン作業で使用されるやすりは、主にサンドペーパー(紙やすり)です。サンドペーパーの目の粗さにより用途が異なり、さびを落とすには粗いものを、汚れ落としや目荒しには細かいものを使用します。

サンドペーパーは手作業に用いられるほか、ディスクサンダーに取り付けて使用される場合もあります。

7:ケレン棒

「ケレン棒」はスクレーパーとほぼ同じ用途のものを指し、先端についた刃を30度の角度で塗布面に当て、さびや汚れを削ぎ落とします。

一般的にスクレーパーはグリップがプラスチック製で短くスクエア型であり、ケレン棒はグリップが丸く柄が長いのが特徴ですが、市販されているものの中には、特徴と名前が必ずしも一致していません。

素地調整で注意すべきこと3つ

素地調整で注意すべきこと3つ


素地調整で重要なのは、作業者が素地の現状からケレンの種類を選択し、丁寧に作業をすることです。ケレンや目荒らしの作業のできが、塗装の付着力に大きく影響するからです。

しかも、ケレン作業の種類の選択やその品質は作業者に委ねられ、依頼者は塗装後に素地調整の確認をすることはできません。

それ以外に、塗装の品質に直接影響を与えないが、素地調整をする上で注意すべき点について見ていきましょう。

1:廃棄物や汚水の処理を検討してから行う

素地調整では、塗膜剥離剤で旧塗膜を化学的に剥離させたり、高圧洗浄や研磨器で旧塗膜を物理的に剥離させます。この方法は、粉じんが巻き上がる心配はないものの、大量の排水や剥離剤・研磨剤、はがれた塗膜などが発生します。

これらの有害な物質を含む可能性のある液体や廃棄物を適切に処理するための足場や養生が必要になるため、事前に検討しなければいけません。

2:粉じん対策が必要

特に、1種ケレンで使用されるショットブラスト作業などは粉じんが発生するため、対策をとる必要があります。

厚生労働省による「粉じん障害防止規則」には、屋外における手持工具、または動力工具を用いて研磨材の吹き付けによって鉱物を研磨したりばり取りする作業は、作業者に呼吸用保護具の使用が義務付けられています。

このような現状から、近年では素地調整に湿式ブラストや塗膜剥離剤を使用し、特に有害性の高い鉛や、PCBの粉じん発生を避ける方法が採用されるケースも増えています。

出典:粉じん障害防止規則 第二十七条|e-Gov 法令検索

3:騒音対策が必要

素地調整の工程で大きな音が発生するのは、素地面の洗浄やさび・旧塗膜をはがす作業時です。洗浄時に使用する高圧洗浄機の駆動音や水が噴き出す音、水が素地にあたる音などがその原因です。

さらに、ケレン作業時のディスクサンダーやカップワイヤーブラシなどの駆動音、旧塗膜やさびを除去する音も避けられません。

これらの騒音は近隣の住民に迷惑をかけることがあるため、事前に挨拶に行く、早朝や晩の作業は避ける、なるべく短時間で完了させる、などの配慮が必要です。

塗装に重要な素地調整について理解を深めよう


素地調整は、塗装工事の際に塗装する素材の粉化物や汚れ、不純物、旧塗膜などを除去する洗浄作業の工程です。そして、素地調整は、塗膜の耐久性や塗装の仕上がりを左右する大事な作業工程です。

素地調整には種類があり、素地の現状などに応じて種類を選択する必要があるため、塗装工事において素地調整の方法やメリット・デメリットを理解しておくことは重要です。


 


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