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ヒートブリッジの対策法8選|結露を放置してはいけない理由も紹介

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公開日時 2023.02.13 最終更新日時 2023.02.13

ヒートブリッジとは


ヒートブリッジ(熱橋)とは、建物内で局所的に熱が伝わりやすい部分のことです。熱が伝わるという意味は「熱が逃げる」になります。そのため、その部分に近い室内表面温度は、他と比べて低くなりやすい傾向にあります。

日本語で言う熱橋という名称は、熱と熱の橋渡しからきています。熱が比較的早く他へ伝わってしまい、その部分には熱があまり留まらない現象から名付けられました。

建築上必要な部分として、ヒートブリッジになるもの(特定の柱や梁など)が建物内に施工されることもあります。しかし、このヒートブリッジによって引き起こされるデメリットもあるのです。

ヒートブリッジ現象で結露が起きる


ヒートブリッジは熱が逃げやすいため、その部分に近い室内の表面温度は他より低くなります。それにより、結露が生じる可能性が高くなります。

結露とは、内外の温度差で発生する水分です。ヒートブリッジによってそこに近い室内表面温度が低くなると、他の比較的温度が高い部分との温度差で結露が起きやすくなります。

ヒートブリッジに近い室内表面温度が低くなりやすい時期の多くは冬季ですが、夏も注意が必要と言えます。なぜなら、熱の通りが良いヒートブリッジは、外の熱を建物内に侵入させやすいためです。

結露の放置は危険

結露は日常の中でも見かけることが多い現象ですが、ヒートブリッジによる結露を放置するのは危険と言われています。その理由は、カビなどによる建築物の劣化や、暖房や冷房のエネルギー損失につながる可能性が高いためです。

エネルギーの損失は、暖房や冷房といった電気代に影響を与えます。エコやコストカットなどを考えるのであれば、ヒートブリッジは大敵です。また、結露による湿度でカビなどが発生しやすくなり、建物構造部の劣化や人体の健康被害をもたらすことがあります。

熱伝導率の高い建物は要注意

熱伝導率の高い建物とは、すなわちヒートブリッジになる部分が多く点在している建物ということです。このような建物ではあちこちで結露が発生し、建物の状態に悪影響が出やすくなります。

特に、ヒートブリッジが起こりやすいのは、鉄筋コンクリート建造物のバルコニー基端部です。この部位のヒートブリッジは代表的な例に挙げられるほど出現頻度が高く、バルコニー基端部に近い室内の表面温度は低くなりやすい傾向にあります。

ヒートブリッジの対策法8選

ヒートブリッジは、対策で発生率を下げることができます。主な対策法は、断熱加工です。基礎・床下・壁・壁の中・骨組み・玄関ドア・換気用ダクト・窓など、あらゆる部位に施すことができます。

熱を通さないようにすることで、室内外の温度差は極力抑えることに成功し、結露の抑制を実現することができます。それでは以下に、各部位の対策法(断熱加工)についてご紹介していきます。

ヒートブリッジの対策法1:基礎の断熱加工

ヒートブリッジの対策法1つ目は、基礎の断熱加工です。基礎コンクリートの立ち上がり内部に、断熱材を施工します。これにより床下部分が室内と似た環境になるため、床を冷たく感じにくくなります。

基礎コンクリートの外側は、室外環境の影響を直に受けます。特に、柱と基礎をつなげるホールダウン金物や、土台と基礎天端をつなげるアンカーボルトはヒートブリッジになります。この部分を発泡ウレタンなどで処理すると、ヒートブリッジを防止できます。

ヒートブリッジの対策法2:床下の断熱加工

ヒートブリッジの対策法2つ目は、床下の断熱加工です。床下の大引き部分や、床根太の間に断熱材を施す方法が一般的な施工方法になります。しかし通気は必要なので、一般的には基礎パッキンを基礎上部に設けます。

換気の必要性が義務付けされているため、床下の空気を室内で感じられる床に伝わりやすくなっています。床下に空気が入りやすいと床が冷たくなるため、断熱加工を施すことが勧められています。

ヒートブリッジの対策法3:壁の中の断熱加工

ヒートブリッジの対策法3つ目は、壁の中の断熱加工です。柱の間に断熱材を入れて、熱の通りを妨げます。しかし、柱と柱の間や断熱材の継ぎ目に隙間ができて熱が出入りする可能性があるため、壁の中とともに外側にも断熱加工を加えると断熱効果がより上がります。

ヒートブリッジの対策法4:壁の外の断熱加工

ヒートブリッジの対策法4つ目は、壁の外の断熱加工です。断熱壁紙と呼ばれる壁紙を貼る方法が手軽で、仕上がりも良いと言われています。他の方法としては、壁紙を貼る前にベニヤ板を取り付ける方法があります。

木材は熱伝導率が悪いので、コンクリート建築物においては緩衝材になります。しかしベニヤ板は厚いため、窓枠などの接合部では接合が難しいこともあります。そのような時には、ベニヤ板が不要な断熱壁紙が有用です。

ヒートブリッジの対策法5:骨組みの断熱加工

ヒートブリッジの対策法5つ目は、骨組みの断熱加工です。壁の中に行う断熱加工の項目でご紹介した柱と柱の間などに断熱材を入れる工法は、充填断熱と呼ばれます。柱とは骨組みのことですので、充填加工は骨組みの中に施す断熱加工になります。

骨組みの断熱加工には、外側に断熱材を貼るタイプもあります。これを外張り断熱と言い、住宅の柱全体を外側から包み込む工法になります。断熱材の切れ目を塞ぎ、安定的な断熱性を実現します。

ヒートブリッジの対策法6:玄関ドアの断熱加工

ヒートブリッジの対策法6つ目は、玄関ドアの断熱加工です。玄関ドアの断熱は、ドア自体を断熱性が高いものにする方法で行われます。断熱ドアを選ぶ上で重視したいのは、素材・サイズ・断熱材の種類・構造・ドア窓です。

素材はアルミやステンレスよりも断熱性の高い木製が良く、サイズは厚みがある方が断熱性に優れます。断熱材の種類や構造は製品で異なるため、購入前にその特徴や違いを確認しましょう。ドア窓があるタイプを選びたい時は、複層ガラスタイプがおすすめです。

ヒートブリッジの対策法7:換気用ダクトの断熱加工

ヒートブリッジの対策法7つ目は、換気用ダクトの断熱加工です。換気用ダクトは火災時の被害にも影響があるため、住宅でも商業施設でも断熱加工が重要と言われています。

商業施設の換気用ダクトでは、ダクトにグラスウールなど断熱材を巻く形で設置することが多くあります。基本的に室内と室外で空気が出入りするところなので、風の通り道を塞ぐことはできませんが、使用していない時にしっかりと塞がるか否かは重要なチェックポイントでしょう。

ヒートブリッジの対策法8:窓の断熱加工

ヒートブリッジの対策法8つ目は、窓の断熱加工です。窓は窓枠よりも結露が生じる可能性は低いとされますが、室内外の温度差による影響を受けやすい部分と言われています。実際、窓から温度が逃げる割合は、室内から室外で5割、その逆で7割となっています。

窓で生じた結露は、下に垂れて窓枠とその内部構造に影響を与えます。そのため、窓に断熱リフォーム・断熱シート・断熱コーティングなどを施して、対策を図ることが大事です。

ヒートブリッジによる結露の影響4選

ヒートブリッジによる結露の影響4選

ヒートブリッジによって生じる結露の影響は、悪いものばかりです。たとえば、カビやダニの発生・壁紙が剥がれる・建物内部が腐るなどがあります。

建築物としての外観を損なう他、目に見えない部分で建物寿命を縮めるといった悪影響もあります。カビやダニは人体の健康被害につながるものであり、知らずにアレルギー反応を起こしている方も少なくないと言われています。

ヒートブリッジによる結露の影響1:カビが発生する

ヒートブリッジによる結露の影響1つ目は、カビの発生です。カビとは人体に悪影響がある菌で、人によってはアレルギー反応や特定の病が引き起こされることもあります。アレルギー症状の一環で、理由の分からない体調不良につながる可能性もあります。

室内の壁に他より冷たい部分があったら、その裏(建物構造部)にヒートブリッジがあるかもしれないため、湿度対策に注意が必要です。また、窓枠やカーテンのところも結露が起きやすいので、室内外の温度差が多くなる時期にはより注意を向けましょう。

窓枠やカーテンに注意

一般的に窓ガラスは結露が抑えられますが、窓枠は結露が起きやすい傾向にあります。窓枠には、アルミサッシを使うことが多いです。アルミは木材とは違い熱伝導率が高いため、ヒートブリッジを起こしやすいと言われています。

窓枠としてのアルミサッシは外気に接触していることから、熱伝導率と相まって室内側のアルミサッシがとても冷たくなります。この冷たさと室内の比較的暖かい温度の差で、室内側に結露が生じます。

室内側の窓近くには、カーテンがある家庭も多いでしょう。カーテンにもカビは生じるため、カーテン裏にも注意してください。また、窓枠に密接している構造部(木材)に結露の水分が流れることから、建物を守るために窓枠の結露対策は重要なのです。

健康被害にも及ぶ

アレルギーなど、カビに対する不調の出方には個人差があります。しかし、カビがもたらす人体への健康被害はアレルギーだけではありません。菌として感染症を引き起こす可能性もあり、その可能性は万人に存在するものです。

もちろん人体だけでなく、犬や猫などにもカビ菌の感染症やアレルギー反応は起こり得ます。健康を考える上でカビの存在は有害でしかないため、生活の中でカビが発生しないように対策を図ることは大事なことと言えます。

ヒートブリッジによる結露の影響2:ダニが発生する

ヒートブリッジによる結露の影響2つ目は、ダニの発生です。結露の湿気によって発生するのは、菌類のカビだけではありません。虫類に属するダニも湿度を好むため、結露の多いところに寄ってきては短期間で繁殖します。

ダニもカビと同様、人体にアレルギー反応を引き起こす存在です。アトピーや喘息といった長期的な病状の原因になることもあるため、特に肌や呼吸器が弱い方は注意が必要と言えます。ダニはカビと違い目に見えにくいため、神経質になりすぎない程度での意識が必要です。

ヒートブリッジによる結露の影響3:壁紙が剥がれる

ヒートブリッジによる結露の影響3つ目は、壁紙が剥がれることです。結露とは、いわば水分ですので、量が多くなると壁紙をくっつけるために使用された接着剤に悪影響がおよびます。水気によって接着効果が低下し、壁紙が剥がれてしまうのです。

壁紙が剥がれたところに黒ずみが見られたのであれば、それはカビです。カビと壁紙の劣化が同時に起きている場合は、かなりの長期間ヒートブリッジによる結露が放置された可能性があります。

ヒートブリッジによる結露の影響4:柱や建物内部が腐る

ヒートブリッジによる結露の影響4つ目は、柱や建物内部が腐ることです。建物の構造部分には木材が用いられているため、結露による水分が浸透し続けると腐ります。

木材に多くの水分が浸透すると繊維がやわらかくなり、腐食した状態になります。繊維がやわらかくなるというのは、すなわち強度が下がるということです。そのため、構造部の木材が腐るのは建物として危険であり、あらゆる劣化を引き起こす原因となります。

シロアリの原因になる

建物内部の木材に水分が浸透すると、そのジメジメ感を好む害虫や腐食菌が集まってきます。その中でも代表的な害虫はシロアリで、結露によって腐食した木材を食べてしまいます。食べられた木材は無くなってしまうため、その部分の強度はかなり危険な状態となります。

また、ジメジメした木材にはキノコが生えることもあります。特にナミダダケなどは、建物に悪影響を与えるキノコとして有名です。ナミダダケはシロアリとは性質が異なりますが、どちらも気づかないうちに建物全体に広がるため、棲み付かれないよう事前の対策が必要なのです。

ヒートブリッジの適切な対策法を知ろう

ヒートブリッジとは、結露の原因となり、結露による様々な悪影響の発生に関係するものです。熱の伝わりが良い性質は時と場合によって有用ではありますが、必要以上になるとカビやダニの発生、住宅の劣化を引き起こす可能性があります。

ヒートブリッジができるだけ起きないよう、断熱加工による対策を行っておきましょう。建物の部位によって施される断熱加工の方法には違いがあるため、必要に応じて適した方法を行いましょう。


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