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筋交いを取り付ける手順5つ|使い方や施工事例もあわせて紹介!

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公開日時 2022.09.21 最終更新日時 2024.01.23

こちらの記事では、筋交いを取り付ける手順についてご紹介いたします。

 


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筋交いとは?

筋交いとは、建物の柱と柱の間に斜め方向に取り付ける補強材です。

「筋違い」とも表記される木造家屋の筋交いは、水平方向の火打ち梁も含まれます。建築基準法施行令第四十五条で使用する木材やワイヤーの太さ、固定方法はボルトや釘など金物が規定されています。

設計段階で図面に入れ、平面図では向きを直角三角形の記号で示しますが、設計図に記載された筋交いが不足した施工不良は損害賠償の対象です。

出典:建築基準法施行令| e-Gov 法令検索

ブレースと筋交いの違い

ブレースとは鉄骨造の筋交いで、ワイヤーをクロスさせた入れ方が一般的です。

地震の揺れは、引張と圧縮両方の力が作用します。シングルの入れ方では引張力のみに強く、圧縮力に効きません。そのため、ダブルに入れて細いワイヤーの引張力だけで荷重を負担します。

また、ブレースは耐震補強工事でも利用されており、補強鉄骨を見せるデザインで「くの字」やスパイラル状に使い、おしゃれな外観を演出します。

耐力壁と筋交いの違い

耐力壁は建物の耐震性を高めるために必要で、筋交いも耐力壁です。

耐力壁は線材の筋交いと面材の2×4(ツーバイフォー)工法があり、地震などの揺れを躯体全体に分散します。

また、耐力壁は穴開けできないのでコンセントや窓の配置計画を考慮し、エアコン設置や窓増設で筋交いの欠損トラブルを避けるため位置を変更します。なおリフォームの際、耐力壁の撤去は物件によってはできません。

筋交いを入れる目的と効果

筋交いを入れる目的は、防風や地震などの揺れに強い建物にするためです。

柱と横架材(おうかざい)で作られた四角形に対角線上に筋交いを入れて固定し、水平方向への強度を増します。交いを入れないラーメン架構よりも数倍強固です。

また筋交いは、対角線1本のシングルより、2本をクロスさせたダブルのほうが効果はあります。しかし、多すぎても正しい入れ方でなければ効果はありません。

建物への耐久性を持たせるため

筋交いを用いた木造住宅は在来工法と呼ばれ、筋交いにより耐久性、耐震性を確保しています。

地震などで建物が傾くとき、柱を筋交いが引っ張り、建物の変形を防ぐことが可能です。また、土台、柱、梁、筋交いを一体化し、「接合金物補強の基準」や「壁量のバランス」を基準通りに配置することで、より高い耐久性を確保できます。

耐力壁の強さを表す壁倍率とは?

壁倍率とは、建築基準法施行令第四十六条によって決められた耐力壁の強さを表した数値で、大きいほど耐力のある壁です。

規定された壁倍率は径9mmの鉄筋と15×90mmの木材の筋交いをそれぞれ倍率1としています。土壁は倍率0.5、木材の30×90mmは1.5、45×90mmは倍率2とし、ダブルに入れると各2倍です。

木造建築は壁倍率を利用して効率よく耐力壁を配置し、風圧や地震の揺れによる損傷を防ぎます。

出典:建築基準法施行令|e-Gov 法令検索

筋交いの入れ方

筋交いの入れ方は「片筋交い」と「たすき掛け」の2種類です。

筋交いを入れる際、変形やねじれが起きないように、バランスよく配置し、柱と同じように上下階の筋交い(耐力壁)の位置をなるべく合わせるようにします。そして、建物の隅角部は必ず設置し、筋交いの接合部はボルトや筋交いプレートで固定します。

取り付け方は、上部分が柱と梁か桁、下部分が柱と土台に必ず接するように入れます。

片筋交い

片筋交いは柱と梁の間に斜め方向に1本だけ入れたシングル構造です。

筋交いは強度を保つため、欠込みはできません。これは、建築基準法施行令第四十五条で規定されています。同時に引張筋交いは15×90mmの木材または径9mmの鉄筋、圧縮筋交いは30×90mmの木材の規定もあります。

筋交いが間柱と交差する場合は間柱を欠き込みますが、筋交いの欠込みは躯体検査の確認項目で不合格になるので補修が必要です。

出典:建築基準法施行令|e-Gov 法令検索

たすき掛け

たすき掛けは柱と梁の間に対角線上に2本クロスさせたダブル構造です。

たすき掛けの際、建築基準法施行令第四十五条に基づき、柱の間に納まらない場合だけ金具で補強して欠込みします。この際、両方を削る相欠込みはできません。

また、耐震補修工事の場合、筋交いの場所を増やさず、片筋交いをたすき掛けに変更して強度を高める方法も採用します。すると強度が2倍になり、さらに高めたい場合は耐震パネルや構造用合板を取り付けます。

出典:建築基準法施行令|e-Gov 法令検索

筋交いを取り付ける手順5つ

筋交いを取り付ける手順を順序良く行えば、DIYの1人作業でも対応できます。

まず筋交いを入れる場所を補強しておき、材料を準備します。準備する際、長さを計算して十分な長さの木材を購入しましょう。そして購入後、正確にカットして取り付け、筋交い金物で固定します。

専門の道具を使用しますが、わかりやすく説明します。

1:筋交いを入れる場所を補強する

筋交いを取り付ける場所を金具などで補強します。

筋交いを入れて横架材が浮き上がらないように、柱と横架材を金具で固定します。使用する金具は柱頭・柱脚用仕口金物や梁金物です。また、横架材自体を強化する場合は、羽子板ボルトや梁継手を選択し両面から補強します。

筋交いがピタッと入る空間を目指します。

2:材料を準備する

筋交いの材料は、乾燥した反りのない十分な長さと太さの木材を準備します。

建築基準法が適用される建物の場合は、筋交いの太さなどの規定も適用されます。しかし、DIYで作る小屋はその限りではありませんが、できるだけ同法を参考にしましょう。そして、3寸角や筋交い材の名称でホームセンターなどに販売されている木材を選びます。

また、筋交いは継手を使用できないので、長さが不足しないように計算してから購入します。

出典:建築基準法|e-Gov 法令検索

使用する材料

筋交いに使用する材料は米松や桧、杉です。

米松は粘りがあって、筋交いに適した素材です。桧は住宅用の高級木材で杉も強度があります。輸入材の米栂(ヘムロック)や集成材も増え、コストも考慮して選択します。

購入する際は、荷重に耐えられる反りのないものを選び、抜け節や切り欠けも不適ですので、よく見て購入します。乾燥不足は収縮の恐れがあるので、避けましょう。

長さの計算方法

筋交いの長さは、横架材間距離から三平方の定理を使って計算します。

横架材間距離が2700mm、柱間1間(6尺)の場合、柱芯間は1820mmです。柱の太さを120mmとします。実際の空間の水平方向の長さは、柱芯間から柱の太さを引いた、1700mmです。

1700の2乗と2700の2乗の和の平方根(√)は3191mmです。両方の先端を斜めにカットするので、算出した長さより長いものを購入します。

3:筋交いを作る

筋交いの作り方は、1人作業であれば、さしがねを使います。

筋交い材に中心線を打ち、長さの計算で使った1700と2700の比率を使い、中心線上に170と270がくるようにさしがねを当て、材木の端に近い270のほうは中心線と交わる直線を引きます。次に、その直線と中心線との交点からさしがねの直角を利用して、最初の線と垂直に引きます。

反対の端も同様の手順で、線に合わせて山型にカットしましょう。

4:筋交いを取り付ける

筋交いの取り付けは、上端を合わせて掛矢で叩いてはめ込みます。

はめ込む前に、下の面が入りやすいようにカンナで面取りするか玄能で丸く叩いておきます。そして、カットした筋交いの上側を梁に合わせ少しだけ引っ掛け、掛矢で下端を叩いて入れます。

どちらかを叩き続けると外れやすいので、少し入ったら上下交互に叩きましょう。また、上端を初めから深くはめ込むと下端が入りにくくなります。

筋交いを取り付ける方向について

筋交いを取り付ける方向は、力が逃げるような向きに入れます。

2階建ての片筋交いは、上下階を反対方向に入れます。横から見ると天井から床に向かって、2階は「V字」1階は「ハの字」です。これは、2つ1組で引張と圧縮両方の力に対する強度を高め、建物全体で揺れなどの水平荷重を負担するためです。

また、引張筋交いは柱と両方で力を負担し、圧縮筋交いは柱だけで負担するので圧縮筋交いのほうが強度は必要になります。

5:筋交いを固定する

筋交いをはめ込んだら、金具で上下端を固定します。

金具は筋交い金物や筋交いプレートを使用します。横架材と筋交いを一体化して固定する1.5倍や2倍筋交い金物など、固定力が強く自分で使いやすいものを利用しましょう。また、ボルトなどが干渉する場合などは、現場の状況に合わせます。

なお、筋交い金物はビスがセットです。なるべく多くビスを使ってしっかり固定し完成です。

固定するための筋交い金物の種類は?

筋交いを固定する金物にはいくつか種類があります。

「プレート型」は柱の側面に固定する金物で、土台のホールダウン金物との干渉を防ぎ、リフォーム工事などでよく使用されています。

「ボックス型」は横架材に乗る形状で、筋交い・柱・横架材の3点でがっちりと接合します。

「2面施行型」は筋交いと柱を接合するタイプの金物です。ホールダウンや柱頭柱脚金物との干渉を防ぐことができます。近年では床合板工法の普及により、2面施行型の使用率が高くなっています。

筋交いの作成や取り付けに使用する道具と使い方4つ

筋交いの作成や取り付けに使用する道具と使い方4つ

筋交いの作成は普段のDIYでは使わないような特殊な道具を使います。

筋交いの作成チャンスは多くありません。そのため、普段使わないような道具を使用する場面もあります。また、さしがねは他の作業でも使用しますが、掛矢や筋交い定規、筋交いプレートは筋交い作業以外ではプロでもほとんど使用しません。

道具と使い方を紹介しますので参考にしてください。

1:さしがね

さしがねは金属製の直角の定規で、長いほうは長手(ながて)、短いほうは短手(つまて)です。

丸目タイプと角目タイプがあり、それぞれに表目と裏目がありますが目盛りは異なります。そして、丸目タイプの裏目の目盛りは表目の3.14倍で、円周を求める際に利用し、角目タイプの裏目は表目の√2の目盛りで、対角線の長さが簡単にわかります。

なお、筋交いを作るときは表目と直角を活用します。

2:掛矢

掛矢は木製の大型木槌(きづち)で、樫の木など硬い木を使用します。

土木や建設現場ではくい打ち、解体作業では壁などを壊すときに利用します。一般的な大きさは柄の長さが約90cm、槌の直径は13~15cm、全体の重さは約3~4kgです。重いほど作業効率は上がりますが、体への負担も大きくなります。そのため、DIYの場合は木槌で対応しましょう。

3:筋交い定規

筋交い定規は筋交い専用の道具で、さしがねを使わなくても筋交いが作れます。

筋交い定規を長さ調整して、筋交いを入れる場所の長さと角度を計測しましょう。長さが決まったらアームを固定して筋交い用の木材に乗せ、カット線とボルト孔を印付けします。さらに、線をカットし、孔を開けてから筋交いをはめ込んで固定すれば完成です。

あらかじめ両端がアームの中心にくるように巾を決めるのがコツです。

4:筋交い金物

筋交い金物は筋交いを固定するための金具です。

筋交い金物にはプレート型とボックス型、二面施工型があります。プレート型は貼り付けて使用し、ボックス型は筋交いと横架材、柱の3カ所で固定します。ホールダウン金物が干渉して使えない場合は二面施工型を使用し、L字型で筋交いと柱の2カ所で固定します。

公益財団法人日本受託・木材技術センターが承認した「Zマーク表示金物」を使用するようにしましょう。

筋交いを使用した施工事例3選

リフォームやリノベーション、新築において、部屋を広く確保したい場合など、筋交いの扱いが問題になるケースもあります。

ここでは、「リビングへの見せる筋交い」をはじめとした、筋交いを使用した施工事例を3つ紹介していきます。興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

1:リビングへの見せる筋交い

耐震性の問題から、撤去できない柱があるリビングのリフォームなどでは、筋交いや柱を化粧材として使用し、圧迫感をなくす方法があります。

柱、筋交いを化粧仕上げにし、飾り棚を設けたり、有効にスペースを活用することもできます。また、リビングが広く使用できるだけでなく、採光も確保できる、といった点もメリットです。

2:土壁を残した筋交い補強

古い木造住宅などでは、土壁が多く使用されています。

既存の土壁を残したリフォーム時にも、筋交いで補強することにより、コストを抑えることが可能です。

大壁として使用する際にも、土壁を撤去せず、上から筋交いを使用することで、耐震性も増し、またコスト面でも安価でおさめることができます。

3:木製筋交いとコボットブレースの併用

耐震性をより高めるために、コボットブレースと木製の筋交いを併用するリフォーム施工例もあります。

補強の際には、耐力壁の配置バランスに重点をおくため、壁量の少ない箇所では、窓枠やサッシがあっても補強を余儀なくされる場合もあり、そのような場合は、面積の少ないコンパクトなステンレス製コボットブレースを使用し、化粧材として使用することもあります。

耐震改修工事などではこのような例も多く、場所によって木製筋交いとコボットブレースなどの使い分けが重要です。

筋交いの効果や取り付け方法を知ろう

筋交いは柱と柱の間に斜めに設置する補強材で、建物を地震や暴風から守ります。

筋交いは法律で規定されています。強度を計算してバランスよく入れ、安心して暮らせる建物を目指し、接合部分に専用金具を使用して補強もしましょう。

DIYで作る際は手作りも可能です。筋交いの効果や取り付け方法を知って新築やリノベーション工事に活用しましょう。

出典:建築基準法施行令| e-Gov 法令検索

 


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