こちらの記事では、ルーフィングを施工する時のポイントについてご紹介いたします。

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ルーフィングとは？

ルーフィングとは屋根材だけで防ぎきれなかった雨水の侵入を防ぐ役割を果たすものです。屋根材の下に敷くシート状の防水建材のことで、屋根下葺材とも呼ばれます。

屋根材の下に隠れてしまう部分のため、通常は目にする機会がありませんが、ルーフィング施工の良し悪しが、その住宅の品質を左右しているといっても過言ではありません。

ルーフィングの役割や主な種類、施工時のポイントについてご紹介していきます。

ルーフィングの役割について

ルーフィングの役割は「防水」です。住宅の劣化を早める原因として「水分」が挙げられます。雨水などの水分が住宅内部の構造にまで侵入すると、腐食やカビの発生率が高まるからです。

住宅を雨から守っているのは屋根材だと考えている方が多いかもしれませんが、実は屋根材だけでは雨の侵入を防ぐことはできません。

屋根材とルーフィング の二段構えが必要なのです。ルーフィングとは住宅の防水に大きな役割を果たしているのです。

ルーフィングの種類3つ

一口にルーフィングとは言っても、さまざまな種類があるため、屋根の形状や地域の気象条件によってどの種類が適しているかをしっかりと見極めることが大切です。

ここでは３つの代表的なルーフィングである、遮熱ルーフィング、透湿ルーフィング、アスファルトルーフィングをご紹介します。

ルーフィングの種類1：遮熱ルーフィングとは

遮熱ルーフィングとは、湿気を屋外に放出する透湿性に加えて熱を遮断する効果を持ったルーフィングのことです。夏は外からの熱を反射し、冬は屋内の熱を逃がさないため、外気温の変化を受けにくく冷暖房の効果を高めることができます。

またルーフィング類の中でも特に小屋裏の湿気を逃しやすいため、結露が起こりにくく凍結と腐敗を防ぐことができます。耐久性に加えて省エネ効果も期待できるルーフィングです。

ルーフィングの種類2：透湿ルーフィングとは

透湿ルーフィングとは、湿気を透過するタイプのルーフィングです。

湿気は透過しますが防水性は高く耐久性にも優れています。湿気を速やかに屋外に放出するので野地板の傷みを防ぎ、カビや腐敗の原因となる小屋裏の結露を抑えられます。

熱と圧力だけで結合させた不織布状のシートなので、軽量で施工性に優れています。価格は高めですが耐用年数も長いのが特徴です。

ルーフィングの種類3：アスファルトルーフィングとは

アスファルトルーフィング（asルーフィング）とは一般的に広く使われているルーフィングです。道路のアスファルトと同じものが使われています。

フェルト状のシートにアスファルトを染み込ませ、その上に鉱物質の粉末を付着してあり、道路のアスファルトと同様に防水機能を発揮します。ゴムアスルーフィングとは（ゴムアスファルトルーフィング）改質ゴムアスファルトを使用したもので、伸縮性、耐久性に優れています。

ルーフィングを施工する時のポイント3つ

ルーフィングは元々それだけで防水性の高いものですが、建築現場での施工方法によってはその効果を損ねることになりかねません。施工時にいくつかのポイントに留意することで、その防水効果は十分に発揮されます。

ルーフィングの施工時にポイントとなるのは、貼り進めていく方向と屋根の野地板に固定するための留め方、そしてルーフィング類それぞれの特徴を捉えることです。ここからはその3点についてご紹介していきましょう。

ルーフィング施工時のポイント1：貼る方向を意識する

ルーフィングを貼る時は、軒先（屋根の下部）から棟上（屋根の上部）へ貼り進めるようにします。雨水は屋根の高い方から低い方へ向かって流れるため、その方向を守らなければ水の流れに対して侵入する隙間を作ってしまうことになります。

ルーフィング施工時のポイント2：留め方について

ルーフィングは野地板にきちんと固定されていることが大切です。隙間があったり、たるみがあったりすると防水の効果が発揮できません。

野地板に固定する方法は２種類あります。タッカーという道具を使う方法と粘着層を使う方法です。タッカー留めと粘着層留めの２種類の方法には、それぞれに特徴があるので、それを知っておくことが必要です。

どのような施工なのか、どんな利点、弱点があるのか見ていきましょう。

タッカーで留める方法

タッカーという建築用のホチキス状の道具を使って、留めていきます。

タッカーからはホチキスの針と似たコの字型の金属部品が押し出されます。いろいろなサイズがあるのでルーフィング材の材質に関わらず使用することができ、比較的簡単にしっかりと固定することができます。

ただし、タッカーで固定することでルーフィングに無数の穴があき、それが経年劣化とともに雨漏りの原因を作る可能性もあります。

粘着層で留める方法

ルーフィングの裏面が粘着層になっていて、そのまま貼り付ける方法です。タッカー留めと比べても防水性がよいです。

この方法であれば、ルーフィングに穴を開けることなく固定することができます。

ただし粘着力が強く、一度貼ってしまうと容易に剥がせないためやり直しがきかず、一人での施工には向いていません。

ルーフィング施工時のポイント3：弱点を把握する

タッカー留めは防水性を落としてしまう可能性、粘着層留めはやり直しがきかず一人での施工に向かないという、それぞれの弱点を把握しておくことが必要です。

この2つの弱点をどちらも解決する「タディスセルフ」という貼り直しができるタイプの粘着型ルーフィングも出ています。これならば穴も開けないために防水性に優れ、その上貼り直しが可能なので、屋根の複雑な部分であっても施工がしやすいという利点があります。

ルーフィング施工時の注意点3つ

ルーフィングとは住宅の防水に欠かせないものだということをここまでご紹介してきました。しかしルーフィングは一般的にあまり馴染みがない建材なので、ルーフィング選びや施工に関して業者に任せきりになる場合が多くなりがちです。

新築住宅を手に入れる時や屋根の葺き替えをする時など、施工時には注意しなければならない点もあります。ここであげる3つの注意点を是非意識してみてください。

ルーフィング施工時の注意点1：施工スケジュールに注意する

雨の多い梅雨時や台風の時期には注意が必要です。野地板設置後ルーフィングの施工が終わらないうちに雨が降ると野地板や柱を傷めてしまうことになります。

野地板設置からルーフィングの施工までの間は、雨が降らないように天候を見極めて施工することが大切です。

ルーフィング施工時の注意点2：破れていた場合

ルーフィングに破損が見つかった時には、すぐに工事を止めてその箇所の修繕か貼り替えをする必要があります。

雨漏り原因の多くはルーフィングの施工不良から起こるものです。たとえそれが小さな破損だったとしてもです。その小さな穴や破れが、数年～数十年後に雨漏りを引き起こす原因になり得ます。

ルーフィング施工時の注意点3：見積書に気をつける

屋根材と違って、見えない部分だからこそルーフィングはよく検討して選ぶことが大切です。業者任せにして耐久性の低いルーフィングで施工された場合、屋根材よりも早くルーフィングが劣化し雨漏りの原因になります。

見積書の段階でどんなルーフィングを使っているのか、しっかりと確認しましょう。

また複数の業者に見積もりを依頼することで、値段を把握するだけでなく、工事の内容や対応なども比較することができます。

ルーフィングについて知ろう

ルーフィングとは、住宅を雨水から守り劣化を防ぐための大事な建材です。ただ、人目に触れることがあまりないので、土木・建設現場に携わっていないと知らないという人が多いのではないでしょうか。

ルーフィングについてよく知ることで、新築住宅を手に入れる際や屋根の葺き替えの際に、より良い住宅を手に入れましょう。

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