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大工工事業の建設業許可とは何か?取得要件と専任技術者の要件も解説

大工工事業とは何か?

大工工事とは木材の加工や取付けで工作物を築造する工事、もしくは工作物へ木製設備を取り付ける工事といった定義に当てはまる工事のことです。
またこの定義に該当する大工工事を請け負うときは、建設業許可が必要となります。

出典:業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/common/001209751.pdf

大工工事の種類

大工工事の種類には、大工工事の他にも型枠工事、造作工事などが該当します。
ここでいう大工工事とは支柱や外壁など主に構造部分の工事のことです。
また型枠工事とは、コンクリートの建造物を作るときに、コンクリートを流すための木製の枠を作る工事のことになります。
そして造作工事とは、建物内部の仕上げ工事のことであり、天井や棚、階段などを取り付ける工事のことです。
こうした工事は全て大工工事に該当します。

大工工事業の建設業許可を取得するための要件6つ

大工工事業の建設業許可を取得するためには、以下の要件を全て満たしていなければなりません。

・経営業務の管理責任者がいること
・専任技術者がいること
・雇用保険や社会保険に加入していること
・財産的基礎を有していること
・欠格要件に該当していないこと
・誠実性があること

建設業許可を申請するときに、この6つの要件を満たした上で、申請手続きをする必要があります。
この満たさなければならない6つの要件とは、どのようなことなのか、くわしい内容を紹介していきます。

出典:許可の要件|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html

1:経営業務の管理責任者がいること

大工工事業の建設業許可の取得には、経営業務管理責任者が常勤している必要があります。
経営業務の管理責任者とは、以下の条件を1つでも満たしている人のことです。

・大工工事業を経営している企業で5年以上の役員経験がある
・大工工事業以外の業種企業で役員として6年以上の経営経験がある
・大工工事業を経営している個人事業主としての経験が5年以上ある
・大工工事業以外の業種企業で個人事業主としての経験が6年以上ある
・大工工事業を経営している企業もしくは、個人事業主の元で経営補佐経験が6年以上ある

これらの経験は、建設業許可を取っていない企業での経験でも問題ありません。
法人なら役員1人、個人事業主なら本人か令3条使用人のどちらか1人が、これらの条件のうち1つでも満たしている経営業務管理責任者を、常勤させていることが建設業許可を取得できる要件になります。

出典:許可の要件|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html

2:専任技術者がいること

大工工事業の建設業許可を取得するには、常勤する専任技術者がいなくてはなりません。
専任技術者は以下に該当する人に限ります。

・1級建築施工管理技士、1級建築士の2級建築士など対応している国家資格を持っている
・建築学や都市工学など指定学科を卒業しており、大学や高等専門学校卒業後3年以上の実務経験がある
・建築学や都市工学など指定学科を卒業しており、高校もしくは中等教育学校卒業後5年以上の実務経験がある
・大工工事業にかかわる建設工事の実務経験が、10年以上ある人
(特定建設業許可を取得したいときは、実務経験に併せて指導監督的実務経験が、2年以上必要です。)

大工工事業の建設業許可を取得するには、これらの条件に該当する人を、営業所に置く必要があります。

出典:一般建設業の許可を受けようとする場合|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html

大工工事業の一般建設業許可の概要と要件一覧

【資格保有者】

1級建築施工管理技士
2級建築施工管理技士(躯体)
2級建築施工管理技士(仕上げ)
1級建築士
2級建築士
木造建築士
技能検定 建築大工
技能検定 型枠施工
基幹技能者 登録録型枠基幹技能者
基幹技能者 登録建築大工基幹技能者
【建築学と都市工学に関する学科を卒業しているかつ大工工事の実務経験がある】

大学卒業後に大工工事の実務経験が3年以上ある
高校卒業後に大工工事の実務経験が5年以上ある
【大工工事の実務経験が10年以上ある】

以上の3つの条件のうちいずれかに該当する必要があります。

大工工事業の特定建設業許可の概要と要件一覧

【資格保有者】

1級建築士
1級建築施工管理技士
この2つの国家資格は似ていますが、1級建築士は設計監理、1級建築施工管理技士は施工管理に関するスペシャリストであるとされています。

【指導監督的な実務経験が2年以上ある】
大工工事業の特定建設業許可の専任技術者は、実務経験でもなることが可能です。
具体的な条件は以下のようになります。

一般建設業の専任技術者の要件を満たしている
元請けとして4,500万円以上の2年以上の指導監督的な実務経験がある
上記のうちいずれかを満たしていれば、特定建設業の専任技術者になることが可能です。
また実務経験のみで専任技術者になることもできます。
その場合は、10年以上の実務経験と2年以上の指導監督的実務経験が必要です。

3:雇用保険と社会保険に加入している必要がある

2020年10月に建設業法が改正され、建設業許可を取得するときに、社会保険に加入していることが義務となりました。
これは新規申請時だけでなく、更新時でも社会保険に加入していることが要件となるため、今現在、建設業許可を取得している企業は注意が必要です。
加入義務がある保険は以下の通りです。

・雇用保険
・健康保険
・厚生年金保険

また許可を取得した後、社会保険の加入状況に変更があった場合は、2週間以内に変更内容を届け出なければなりません。
例えば従業員が増えて加入者が増えただけの場合、決算変更届と一緒に提出すれば良いといった自治体もありますが、許可申請時に従業員として届け出た者が全て役員となり、雇用保険から脱退したような場合は届け出が必要です。
とはいえどのような、変更内容の場合に対して、届け出が必要となるのかは、各自治体で違うため何か変更があった場合は、窓口で届け出が必要かどうかを確かめる必ず確かめましょう。
このように新規申請時でも更新時でも、社会保険の加入を確かめられなかった場合は、申請が受理されないだけでなく、途中で社会保険加入に変更があった場合も届けが必要となることがあるため、注意が必要です。

出典:令和2年 10 月 1 日付建設業法改正に伴う「適切な社会保険への加入」について|東京都都市整備局
参照:https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kenchiku/kensetsu/pdf/r2kaisei-syaho.pdf

4:財産的基礎を有していること

大工工事業の建設業許可を取得するには、財産的基礎を有している必要があります。
ここでいう財産的基礎とは、建設業者が事業を継続していけるだけの財務力のことです。
建設業許可を得ている企業で財産的基礎を有している必要がある理由は、請負金額が高額となる工事を請け負うため、契約締結した後に準備金が不足し、資金繰りができずに工事期間中に倒産するというケースを防ぐためです。
そのため建設業許可を取得する企業には、財務面での安定性が必要となります。

出典:4.財産的基礎等(法第7条第4号、同法第15条第3号)|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html

5:欠格要件に該当していない

欠格要件に該当していないことも、大工工事業の建設業許可の条件です。
以下の要件に該当していると、大工工事業の建設業許可を取得できません。
1.破産手続開始の決定を受けていて、復権を得ることがない人
2.一般建設業の許可又は、特定建設業の許可を取り消されていて、その取消された日から5年を経過していない人
3.2で取消し処分通知があった日から、該当する処分があった日までに、廃業の届出をし、該当する届出の日から5年経過していない人
4.2で取消し処分通知があった日前より60日以内に、3の廃業届出をした法人の役員や届出をした個人事業主で、該当する届出日から5年を経過していない人
(令3条使用人も該当)
5.営業停止を命じられていて、その停止期間が経過していない人
6.営業禁止を命じられていて、その禁止期間が経過していない人
7.禁固以上の刑に処せられていて、その刑の執行終了から5年、もしくはその刑の執行を受ける必要がなくなった日から5年、経過していない人
(禁固以上の刑とは禁固、懲役、死刑が該当します)
8.罰金刑に処され執行が終わるもしくは執行が受けなくなった日から5年を経過していない人
9.暴力団員もしくは暴力団員でなくなった日から5年経過していない人
10.申請者が未成年者である場合、その法定代理人が1~9に該当する人
11.法人の場合、役員や令3条使用人が1~9に該当する場合
12.個人事業主もしくは令3条使用人が1~9に該当する場合
13.暴力団員などに事業活動を意のままに操られている人

上の事柄に個人事業主、法人なら役員もしくは令3条使用人が、1つでも当てはまっていると、許可がおりません。

出典:建設業法 第八条|e-GOV 法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000100#12

6:誠実性があること

大工工事業の建設業許可を取得するためには、誠実性があることも求められます。
請負契約の履行時に不正もしくは、不誠実行為のおそれが大きい場合は、建設業許可が認められません。
誠実性の証明方法は、契約締結後、過去に不正や不誠実な行いをしていなければ、それが証明となります。
誠実性が求められるのは、個人事業主であるならば個人事業主本人に、法人である場合は、役員や営業所の所長など、経営で重要なポストについている人に対してです。

出典:3.誠実性(法第7条第3号)|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html

必要な要件の確認が必要

一般建設業と特定建設業の専任技術者では必要な要件がそれぞれ異なります。
特定の学科を卒業していれば、専任技術者になるまでの期間が短縮されますので、確認してみましょう。
また大工工事業は実務経験のみでも専任技術者になることができます。
施工管理技士は必要な要件において必ず確認しておきましょう。

大工工事業の建設業許可を取得するのに必要な手続き

大工工事業の許可を取得するには、各都道府県の県庁にある申請窓口で申請の許可に必要な手続きをします。
申請に必要な書類のセットを窓口に提出し、申請手数料を支払えば大工工事業許可の手続きは終了です。
申請書類の作成と手続き準備は大変なため、行政書士へ委託する企業も多く、1つの手段といえます。
こちらでは大工工事業許可の申請手数料と、許可が出るまでの期間について、くわしくみていきます。

申請後に許可が出るまで1ヶ月以上

大工工事業の建設業許可は、申請してからすぐに下りるわけではありません。
申請してから許可が出るまで1ヶ月以上かかります。
申請すると都道府県で申請内容が審査され、その審査期間は各都道府県により違いますが、30~45日ほどです。
大臣許可の場合は、審査の期間が120日ほどになります。
そのため許可が必要である日にちが決まっている場合は、その日から1ヶ月以上前に申請しなくてはなりません。
よって大工工事業の建設業許可を取得する際には、計画的に進める必要があります。

許可申請に掛かる申請手数料について

大工工事業の許可申請には、申請手数料がかかります。
新規に許可を取る場合の申請手数料は、9万円です。
大臣許可の場合、申請手数料は15万円となります。
他に業種の許可を既に取得していて、追加で大工工事業の許可を取得したい場合に、かかる手数料は5万円です。
追加の場合は大臣許可でも手数料は同じ、5万円になります。

出典: 建設業許可(建設業法第3条)|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/onestop/137/images/137-001.pdf

大工工事業の建設業許可を取得するメリット3つ

大工工事業の建設業許可を取得するメリットは、いくつかありますが、大きく分けると以下の3種類になります。

・会社の信頼度をアピールできる
・公共行事の入札が可能になる
・大きな規模の大工工事請負ができる

許可を取るには、費用と労力がかかりますが、こうしたメリットが得られると考えれば、事業投資としては決して損な話では、ありません。
むしろ建設業許可を取得して得られる費用効果や社会的効果の方が高く、企業にとって大きなメリットであるといえます。
では3種類のメリットは、どのように企業へ良い効果をもたらすのか、くわしくみていきましょう。

1:会社の信頼度をアピールできる

大工工事業の建設業許可を取得すると、会社の信頼度が上がり、そのことについてアピールできます。
なぜ建設業許可の取得が、会社の信頼度につながるのかというと、大工工事業の建設業許可を取得するまでには、資格や実務経験、それに資金力といった条件をクリアする必要があるためです。
大工工事業の建設業許可を取得しているということは、こうした厳しい条件を全てクリアし、国や県から許可を得ている企業である、ということになります。
そのため取引する発注業者からすれば、国や県から許可を取得している企業と、していない企業では、許可を取得している企業の方を信頼し仕事を依頼しようと考えるでしょう。
このように大工工事業の建設業許可を取得している会社というのは、信頼に値する企業であると思われている企業である、ということになります。

2:公共行事の入札が可能になる

大工工事業の建設業許可を取得すると、公共行事の入札が可能になります。
公共工事の入札には、建設業許可があるだけでは足りません。
とはいえ、建設業許可がなければ入札にも参加できないのです。
なぜなら公共工事の入札は以下の段階を経てから、公共工事の入札が可能になるからです。

1.建設業許可を取得
2.経営事項審査を受ける
(こちらは建設業許可がないと受けられない審査です。)
3.競争入札参加資格申請

そのため公共工事を入札するにはまず、大工工事業の建設業許可を取得することが必要になります。

出典:令和2・3年度の建設工事等の入札参加資格審査申請について(令和3年10月1日追加認定分)|宮崎県
参照:https://www.pref.miyazaki.lg.jp/kanri/shakaikiban/tochi/20201202090629.html

3:大きな規模での大工工事の請負ができる

大工工事業の建設業許可を取得すると、大きな規模の大工工事が請け負えるようになります。
法律で500万円以上の工事する場合は、建設業許可が必要です。
そのため建設業許可がなかったため断っていた500万円以上の工事を、建設業許可を取得すれば受注できます。
500万円以上の大きな規模の大工工事が請け負えるようになれば、事業が安定するようになり、企業の拡大化につながるため、こうしたことも建設業許可を取得するメリットであるといえるでしょう。

出典:建設業の許可|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000080.html

大工工事業の建設業許可を取得しよう

大工工事業の建設業許可を取得するには、クリアすべき6つの要件があります。
しかし大工工事業の建設業許可が取得できれば大きな規模の工事も請け負うことが可能です。
大工工事業の建設業許可の取得には費用と労力がかかりますが、大きな規模の大工工事の請負ができるだけでなく、公共行事の入札が可能となるなど、他にもメリットがあるので、大工工事業の建設業許可を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

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