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公開日時 2019.10.04
最終更新日時 2022.04.06

床上への水害が発生した時の現場対応と対策

現場で最初にやるべきことと必要な工事


水害が起こった場合に必要な作業と住宅工事を例に、工事内容を挙げていきます。水害現場に到着したらまずどんなことを確認すれば良のか、どんな作業が必要なのか、またどんな工事をすれば良いのか部位ごとに工事項目について下記、まとめました。今回は1階の床上1m以下のところまで浸水した時に必要な作業と工事内容を紹介します。

最初に行うこと

水害が発生して現場への侵入可能な場合、まずは周辺の状況確認をします。放っておくと危険な部分の確認をします。例えばブロック塀が水害の影響で倒壊しそうな状態になっている、また周辺が水害前と変化の有る部分は写真に撮って記録しておきましょう。もし、現場が風通しの悪い状況で有ればすぐにドアや窓を開けて換気を行います。カビの発生や泥などの汚れで細菌が発生する恐れが有る為、換気と乾燥を心掛けて頂き感染症等の対策を行う様に促しましょう。
次に外部の調査になります。基礎、外壁、給湯設備への被害状況を確認し劣化具合を確認します。特に給湯設備へ電気を供給している外部コンセントは水に浸かっていると漏電の恐れが有るので必ず確認しましょう。
続いて家屋内の調査になります。床上の浸水がどの程度まで上がってきたか水位を確認し、それに伴い壁の下地材や断熱材を交換する部分を確認します。
水が引いた状態でも床下には水が残った状態です。点検口から床下を調査して床の断熱材や下地の被害状況を確認します。床上まで浸水した場合、とにかく床下から水分を出して乾燥させる作業を行います。濡れた床下の断熱材は撤去が可能なら撤去を推奨します。既存断熱材がグラスウール等を使用している場合、濡れたままだと乾燥に影響が出るからです。ポリスチレンフォーム等の発泡系断熱材の場合は破損していない限り汚れを落として乾燥させれば再利用も可能です。泥や雨水を除去することで細菌発生の抑制に繋がります。
まずは水分と泥を外に出して換気と乾燥に努めることが必須作業になります。

水害時の必要工事(床の場合)

床下の乾燥を十分に行い、清掃が完了すれば床の工事に入ります。今回は基本的な部分をご紹介します。
床下の換気を行い乾燥させると同時に、まず床下に水が入った時点で防蟻の消毒剤が流れているので再消毒を推奨します。
次に床の断熱材もグラスウール系の物で有れば交換を推奨します。床組(大引き、床下地等)やフローリング等の床仕上げ材は被害の状況によります。大引きが全体的に傷んでいてカビが発生している場合は強度の低下や臭い発生の恐れが有るので基本的に床組から床仕上げ材まで全て交換した方が良いでしょう。
下地の判断は非常に難しく全てが目視で確認出来るわけではないので床組から交換を推奨します。基本的には原状回復が理想ですがどこまで工事を行うかという相談とメリット、デメリットを伝えることが必要になってくると考えます。現場の状況はもちろんのことお客様の状況に応じて最適な提案を心掛けましょう。

水害時の必要工事(壁の場合)

壁の場合、基本的には石膏ボード等の壁下地材と壁内に設置されている断熱材を交換することを推奨します。石膏ボードに水を含んでいる場合は水位によって石膏ボードを剥がす高さを決めて交換します。但し、外周部は断熱材が入っている可能性が有る為断熱材が交換できる高さまでカットします。
間仕切り壁の様な断熱材が入っていない部分については濡れた部分で交換をすることも可能です。壁の下地や断熱材を交換すると必然的にクロス等の壁仕上げ材も張替えになります。
既存の間取りによっては外周部の壁下地や断熱材を交換すると干渉する部分がとても多く出てきます。例えばトイレを再利用する場合はトイレ内のクロスを張る場合に脱着しないとクロスが張れないといった場合やエアコン等の壁に設置されている機器にも脱着が必要な可能性が有ります。
天井については水位が達していない限り必要な工事に入れなくても良いと思われます。また、コンセントも水没していると思われるので同時に使用について危険性が無いか調査する必要が有ります。壁に関しては既存に設置されている物について大きく工事内容が変わってくるので見落としが無い様に注意して現地の確認を行い計画を進めましょう。

水害時の必要工事(その他)

壁と床以外にも交換を推奨する部分が有ります。キッチンや洗面化粧台の収納キャビネットは水を吸うと扉に膨れが生じて開閉に影響を及ぼします。その他キャビネット関係も設置していると開閉に影響が出ると想定されます。
また、浴室も普段から水を使用する部分では有りますが雨水や泥水等に多量に晒されることは想定されていない場合があります。不具合が有る場合や著しく汚れている場合は交換も視野に入れたご提案をしましょう。
設備関連は多くの場合電気を使用している為、安全に使用出来るかどうかの判断が必須となります。電気関連の点検、確認は専門の業者を呼び入念に確認することをお勧めします。

工事をするにあたり

床上の水害が起こった場合の必要工事について紹介してきました。
大切な部分をまとめると、
① 最初に建物内は風通しを良くし、床下は水分と泥を除去してカビや細菌の発生を抑制すること。
② 新築時の住宅会社によってはマニュアルが有る場合も有るので確認してからのご提案を心掛け、計画を進めること。
③ 基本は水害前の状態に戻すという考えでご提案をし、必要な工事を被害状況により判断すること。
以上がポイントになります。工事内容は被害状況によって大きく変わりますが基本的な部分は同じだと考えます。
状況に応じてですが、中途半端な提案より少しでも現況に近づける提案が最適だと考えています。

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