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施工図を正しく理解して、できる現場監督になろう!

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公開日時 2022.09.25 最終更新日時 2024.01.22

こちらの記事では、施工図を正しく理解するための説明を致します。

 


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建築現場でかかせない「施工図」は、工事の種類や規模により使用する図面の種類や枚数が違います。各々の施工図にはそれぞれの工事に必要なことが書かれています。現場監督が現場を効率よく管理し、工事をスムーズに進めるためは、施工図に書かれている内容を「正しく読み取り、理解する能力」が不可欠です。
図面を正しく理解するためには、図面の種類やそれぞれの図面の注意点を知っておくことが重要です。また、図面の読み違い、理解能力の欠如により起こるトラブルを知って、トラブルの起きない、質の高い現場管理ができる現場監督を目指しましょう。

施工図とはどんな図面なのか、その重要性

施工図とはどんな図面なのか、その重要性


工事中の建築現場では、「施工図」を使用します。施工図とはどのような図面を指すのでしょうか?どのような図面があるのか、施工図について解説します。

施工図とは?

建築設計や施工を行っている会社では、会社の業務内容や個々の業務により、「図面」・「プラン図」・「施工図」・「ラフ図」・「詳細図」など必要とする図面が違います。(※プラン図、ラフ図については書類上使用されません)
「図面」はプラン図や施工図・ラフ図などを含む全ての図面のことを含んでいて、「図面は?」、「この図面の詳細が知りたい」、「見積もり用の図面をください」など、質問をしてきた人やその時の状況により、プラン図が必要なのか、施工図が必要なのか、詳細図が必要なのか変わります。
プラン図は、主にお施主様への提案や初期の業者検討・見積りなどに使用される図面です。施工の詳細検討を行う前の図面なので、構造や設備・デザイン・法規などの詳細が全て反映されていないため、プラン図を建築現場で施工に使用することはありません。
施工図は、建築のプランが決定した後、施工やデザインを含めた詳細の検討を行った後、「これで施工を行います」と決定した図面です。
建築現場に置かれている図面、現場監督や現場作業員が持っている図面が「施工図」であるかどうか、大事なことです。施工図以外の図面を使用して工事が行われた場合、「後工程の工事ができない」、「予算内で工事ができない」、「工期が延びてしまう」などのトラブルが起こるケースがあるからです。
現場監督は現場作業員が施工図以外の図面を持っていることがないように、常に注意をはらいます。図面によるトラブルが起きないように管理するのも現場監督の仕事の一つです。

施工図と施工図前の図面との違い

施工図と施工図前の図面の違いは、施工に必要なことが全て記載されているかどうかです。施工図前の図面は、施工に必要なことが全ては検討されていないため、未検討な部分は記載されていません。また図面相互の調整が不完全なため、施工図前の図面は図面相互に不整合があるケースがあります。

■施工図面の図面には記載されていない事柄(例)
・配管経路が検討されていないため、パイプスペース(PS)・ダクトスペース(DS)の位置が記載されていない
・構造の検討が終わっていないので、天井高さが記載されていない
・建築確認申請許可前のため、消防設備の位置が記載されていない
・細部納まりやデザインにかかわる寸法が記入されていない

施工図と施工図前図面の見分ける方法は、図面の管理方法によって確認することもできます。設計事務所や建設会社では「最終決定された施工図」の管理に細心の注意がはらわれています。下請けの施工会社や現場作業員に施工図以外の図面が渡ることがないように、図面管理の決まりをもうけている会社がほとんどです。各設計事務所・建設会社の施工図の管理方法を知っていると、施工図の見分け方がわかります。

■各建設会社における施工図面の管理方法(例)
・最終施工図面には、(最終施工図)という印を押す
・施工図担当者、管理者の印を押す
・施工図の図面ナンバリングと日付を統一して、関係者に周知する
・施工会議で、最終施工図を渡す
・最終施工図だけが製本される

施工図面の種類

施工図の種類や枚数は、建物の種類や規模・工種により違います。基本的な図面の種類と一部記載されている内容をまとめました。

① 基本図面
・案内図、土地・建物求積図
・仕様書(仕上げ表)、標準仕様書
・配置図
・平面詳細図
・立面図
建物を外からみた外部東西何北の図面、道路斜線や道路、隣地との高低差も記載されている
・矩計図
建物の各部分の高さを記載した図面。軒先や屋根・外壁を梁方向に切断して表す断面の詳細図。床や窓・天井・軒等の標準高さなども記載されている
・断面図
建物を垂直に切断して、各部分の高さを記載した図面。矩計図と同じ内容が書かれているため、作成されない場合もありますが、彩光や排煙・換気計算の検討に使われます。

② 意匠図
意匠図は必要に応じて作成されるため、建物の種類によっては意匠図がない場合もあります。
・展開図
室内を中から北・東・南・西を見た図面。窓の位置や高さ、出入り口、床高さ、天井高さ、設備や家具の位置、内装の仕上げなどが記載されている。
・鋼製建具図、木製建具図
建具の形状・材質などが記載されている
・家具図
造作家具の図面。三面図(平面図・正面図・断面図)と仕上げ、金物の仕様が記載されている
・各詳細図
設計者が設計意図をどのように施工するか詳細を示した図面。必要がある場合のみ作成されます。

③ 構造図と関係書類
・地盤調査報告書と地盤改良資料と地盤改良図面
・構造計算書
・構造標準仕様書(鉄筋コンクリート構造配筋仕様書、鉄骨構造標準図など)、構造記仕様書
・基礎伏図・断面図
・構造伏図・軸組図・断面図
・構造金物図面

④ 設備図
各設備の設備図面と設備に必要な配線や配管経路図です。
・キッチンやユニットバス・洗面化粧台・エレベーターなど設備図及び配管・配線図
・照明器具図、電気配線図
・空調設備図・配管図面
・消防設備図・配線、配管図
・給排水設備図面・配管図
・雨水排水配管図
・ガス設備図・配管図

施工図の優先順位と確認における注意点

工事業者・職人は、自分の工事に必要な施工図を見て施工を行います。必要のない図面は見ずに施工を行うことがほとんどです。例をあげると、基礎工事業者は内装仕上げに必要な図面は見ない、サッシ業者は木製建具図面を見ないということです。

工事業者や現場作業員から施工図に関して質疑がある場合があります。これらの質問は、「効率よく工事を行いたい」、「他に良い施工方法がある」又は「図面相互に不整合や誤記がある」などにより修正したい、どうするか判断してほしいからです。

現場監督は、その都度確認・検討・指示を行い、現場を工程通りに進めなくてはなりません。正しく判断し、指示をするために、図面には優先順位があることと、施工図を確認する時の注意点を知っておきましょう。

① 各図面の優先順位
下記の順番で優先順位が高くなります。
見積要項書、現場説明書、質問回答書>特記仕様書>設計図>標準仕様書

現場からの質疑の内容に応じて、標準仕様書よりも、設計図や特記仕様書に書かれていることを重視します。確認を行っても判断ができない場合は、現場説明書や質問回答書・見積要項書で確認を行い、その内容を重視します。

② 施工図の確認における注意点
建築現場では、図面の変更を行うことが多々あります。お施主様の要望であったり、施工手順の変更や仕上がり精度を高めるためだったり、理由は様々です。

図面の変更がある場合、現場監督が関係者に速やかに伝達します。この変更の伝達が実際に施工する現場作業員に正確に伝わっているか重要で、現場監督は常に注意をはらい、疑問に思い、確認をすることが大事です。

施工図の注意点:仕様書と配置図


仕様書と配置図は、建築物の仕様と敷地の概要を知るために重要な図面です。仕様書と配置図の施工図における注意点をまとめました。

仕様書の種類と注意点

仕様書には「外部仕上げ表」、「内部仕上げ表」、「標準仕様書」、「特記仕様書」、「構造仕様書」などがあり、記載されている内容により、仕様書の種類が分かれています。仕様書の種類と記載されている内容をまとめました。

① 「外部仕上げ表」
外部仕上げ表には、屋根材や外壁材、樋など外部に使用される材料と仕上げ材が記載されています。その他に外部に必要な設備や建築地の地番や住所などの現場の基本情報が一緒に記載されている場合もあります。

② 「内部仕上げ表」
内部仕上げ表には、内装の下地材や仕上げ材料、内部に付帯する設備が記載されています。その他に電気設備の数や内部特記事項が一緒に記載されている場合もあります。

③ 「標準仕様書」
標準仕様書は、公共工事のお施工や仕上げについて標準的な事柄がまとめて記載されている仕様書です。標準仕様書の内容は、現場監督として理解していなければいけない事柄が書かれています。
標準仕様書は工事規模や内容によって、「共通書式の標準仕様書」が使われているケースがあります。共通書式の場合、一部選択方式で作成されている部分がありますので注意が必要です。

④ 「特記仕様書」
特記仕様書には、この現場ではこの仕様書に基づいて施工してくださいという、今回の現場だけで使われる仕様が書かれています。特記仕様書がない現場もあります。

⑤ 「構造仕様書」
構造仕様書には、「構造標準仕様書」と「構造特記仕様書」があります。
公共工事の構造の施工方法には、決められた施工方法があり、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、それぞれ構造別の「構造標準仕様書」があります。標準仕様書に記載されている以外の仕様がある場合、「構造特記仕様書」が作成されます。
「構造仕様書」の内容は、現場監督として理解していなければならない知識です。構造標準仕様書は「共通書式の構造標準仕様書」があり、内容により選択方式になっていたり、法改正などにより内容が変更になっていたりすることがあります。その都度、確認をして内容を正確に把握しておきましょう。

配置図の確認事項

配置図には、敷地の状況(広さや高さ)、建物の位置、接道状況、その他工作物(既存建築物・倉庫・車庫など)の位置などが書かれています。配置図を見て、建物の位置を確認するだけでは不十分です。配置図から建築物を建てるために必要な敷地や隣地などの状況を把握することが重要です。

① 配置図の確認事項:敷地の寸法と建物の位置
配置図では、まず敷地に対してどこに建物を建てるのか、隣地境界・道路境界からの寸法を見ます。必ず、敷地寸法=境界までの寸法+建物寸法となっているか確認を行います。
また、敷地内に既存建築物や工作物がある場合も同様で、建築物の寸法と境界までの寸法を把握しておきます。
配置の寸法は、平面図で建物芯、建物芯から建物外壁ヅラまでの寸法を確認し、建物離れの有効寸法を計算しておきましょう。有効寸法を確認する理由は、施工状況(足場が建てられるか、資材・設備の搬入ができるか、施工ができるかなど)を検討するためです。

② 配置図の確認事項:道路境界と隣地境界
敷地と道路境界、隣地境界は、敷地と道路、敷地と隣地の高低差の確認を行います。高低差がある場合は、工事中に仮設物が必要となるケースあり、工事中の矢板の施工や重機の搬入経路の検討、側溝の保護の必要性などの検討行うためです。

③ 配置図の確認事項:駐車場の位置と有効寸法
敷地内に駐車場がある場合は、駐車場の位置と有効寸法の確認を行います。
配置図に記載されている寸法は、建物の中心線~道路境界・隣地境界までの寸法です。この寸法は有効寸法ではありません。建物側には中心線から外壁ヅラまでの寸法があり、その分有効寸法は狭くなります。また、道路境界や隣地境界にブロックやフェンスがあれば、やはりその分有効寸法が狭くなります。
有効寸法を確認して、車が駐車できる寸法なのか、車のドアを開けて乗り降りできるか確認を行います。
また、駐車場の出入り口に、道路標識・外灯・歩道縁石がある場合は、移動、撤去が必要になります。これらの移動・撤去は、関係役所に書類を提出し、許可がおりなければ移動・撤去できません。もちろん工事費用もかかります。申請~許可まで数ヶ月かかるケースもあるので、事前に確認し対応しておきましょう。

④ 配置図の確認事項:工作物・地中埋設物、空中物
配置図には、敷地内工作物(電柱・電柱つっぱりなど)や地中埋設物(井戸・下水桝・ガス栓など)・空中物(各種電線)の記載もあります。工事着工前に工事に支障があるものの対応(撤去・移動・保護カバーの設置など)をするために、図面及び現地での確認が必要です。
これらの移動や撤去は、依頼して直ぐにできるものではありません。工事に支障があるものは早急に対応するようにしましょう。

施工図の注意点:構造図及び構造関係書類

施工図の注意点:構造図及び構造関係書類


構造躯体の施工を行う際は、構造図と構造関係書類の両方の確認を行います。構造図と構造関係書類の種類、位置づけ、注意点をまとめました。

構造図と構造関係書類と相互の関係性

構造に関する書類と図面は、主に地盤資料・仕様書・構造計算書・構造図にわかれています。相互に関係性があるので、どのような関係になっているか理解しておくことが大事です。

① 地盤資料(地盤調査報告書・地盤改良資料・地盤改良工事図面など)
地盤調査報告書の結果をもとに、地盤改良の有無と地盤改良工事の詳細が決定され、地盤改良工事の資料と地盤改良図面が作成されます。また、地盤化調査報告書をもとに、地耐力や地下水位に対する基礎設計が行われます。

② 仕様書(構造標準仕様書・構造特記仕様書)
各構造別に共通の構造標準仕様書(木造・鉄筋コンクリート造・鉄骨造)があり、それ以外に必要な仕様は構造特記仕様書として作成されます。

③ 構造計算書
構造計算書は、地盤調査資料や平面、立面プラン・仕上げ表などを元に、建物の構造強さを計算で確かめ、建築確認申請で提出・許可された書類です。構造計算の方法は、各建物構造、建物の使用用途、階数などにより建築基準法で定められています。
構造計算書の結果をもとに、基礎構造や建物の躯体構造(柱や梁のサイズ、耐力壁の位置、屋根の施工方法など)が決定されます。

④ 構造図面(基礎伏図、基礎断面図、伏せ図、軸組図、断面図、構造金物図)
構造図は、基礎構造図と躯体構造図にわかれています。
基礎構造図には、基礎伏図と基礎断面図があります。基礎伏図は、基礎の形状の平面図で、幅や高さ・金物の位置等が記載されています。基礎断面図は、基礎の垂直方向の断面を表した図面で鉄筋のサイズや配筋が記載されています。
躯体構造図には、構造伏図・軸組図・断面図・金物図があります。
構造の種別(木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造)により作成される図面が変わり、その都度、必要な図面が作成されます。
構造金物図面は、構造金物の規定がある場合に作成されます。特に木造住宅の場合、N値計算や3階建ての構造計算により金物の指定があるので作成されます。

地盤調査書と地盤改良図の注意点

地盤調査報告書では、地盤調査を行った時の基準高さ、地質及び地下水位の位置や流れ・高さ、地盤改良の有無などを確認します。地盤改良がある場合は、その方法、地盤改良工事の基準高さの確認、設計GL、KLBMとの高さとの照合を行います。
地盤調査を行った時にはまだ「設計GL」が決まっていないため、地盤調査報告書の基準高さ=設計GLではありません。また、地盤改良工事の基準高さも設計GLと違うケースが多いため、設計GLやKLBMとの高さの照合を行い、地盤改良工事の高さを正確に設定できるように注意します。
また、地盤調査報告書から地下水位の位置や高さの確認を行います。地下水位高い場合、地盤改良や基礎工事で地下水位の処理やまわりの土の土留め工事を行わないと施工ができない、施工精度が悪くなるケースがあるからです。地下水位の高さによっては、現場で仮掘削を行い確認する必要があります。

基礎伏図と基礎断面図の注意点

建物の基礎構造は鉄筋コンクリート造です。基礎伏図は基礎の平面形状をあらわし、基礎断面図は断面の形状と配筋方法が記載されています。
基礎伏図と基礎断面図から、どの断面の基礎がどこに施工されるか、また、配置図で建物の位置と隣地の状況を確認し、基礎の施工が問題なくできるかチェックします。
特に、建物と隣地境界の間が狭い場合や境界にブロックが施工されている場合は、基礎のベースが越境しないか、ブロックの基礎ベースと建物の基礎ベースが干渉することがないか確認します。また配管工事の施工が問題なくできるか、給排水の配管図より確認を行います。
基礎ベースが越境したり、境界ブロックのベースと基礎ベースが干渉する可能性がある場合は、基礎ベースの形状を偏心させる必要があります。施工図だけでは確認できない場合は、現場で目視による確認を行いましょう。
また、基礎に埋め込みをする金物の位置と基礎の配筋の位置も確認しましょう。基礎は鉄筋コンクリート造のため、鉄筋に対するかぶり厚さが耐久性や強度に影響するからです。構造標準仕様書に定められているかぶり厚さが確保できるかどうか確認しておきましょう。

梁伏図・軸組図・断面図の注意点

梁伏図・断面図では、平面詳細図に記載されている天井高さがとれるかどうか、天井埋め込みの設備(エアコンや換気扇など)の位置やパイプスペースやダクトスペースの位置に問題はないか、サイズは適当であるか、確認を行います。
梁の位置や構造にかかわる金物の位置(木造のホールダウン金物や鉄骨のブレースなど)により、平面詳細図に記載されている天井高さがとれない、内装仕上げに影響するため壁を厚くしなければならないケースがあるからです。
また、梁断面図に配管の貫通が明記されている場合は、構造計算書の梁貫通補強や補強配筋の必要がないか確認します。構造として重要な梁に配管を貫通する場合は、構造計算により問題がないか確認を行っているからです。
梁のどこに貫通しなければならないか、貫通する寸法や梁の補強方法は構造計算により決まっています。構造計算書に明記されていない梁への配管貫通は施工してはいけません。事前に確認を行い、補強を確実に行いましょう。

施工図の注意点:平面詳細図と意匠図、設備図


意匠図・設備図は、平面詳細図に書かれている内容がさらに細かく表現されている図面です。建築現場では、意匠図や設備図を見て必要な寸法・下地の判断、配線、配管の位置などを確認します。平面詳細図と意匠図、設備図の注意点をまとめました。

平面詳細図は何が重要なのか

平面詳細図は、建物を上から見た図面で間取りと窓・建具・家具・設備などの情報が全て入っている図面で、全ての図面の中心となる図面です。平面詳細図は、間取り・動線・デザインなどのプランの検討を行いながら、窓や建具・家具・設備などの位置やサイズの検討も行います。
平面プランが決定したところで、窓や建具の詳細、家具や設備の詳細の検討を行いながら、もう一度平面プランに問題がないか確認を行い施工図の「平面詳細図」となります。
「家具を取付けたら、部屋のドアが開けづらくなった」、「配管のパイプスペースが予定より大きくなり、隣接している収納の面積が小さくなった」など意匠図や設備図だけではわからない部分を平面詳細図で確認をします。平面詳細図は、個々の工事の元になりながら、工事全体を調整する重要な図面です。

意匠図の注意点

意匠図には、展開図や木製建具図・家具図・各詳細図があり、個々のデザインは、設計者の意図があり、建築物のクオリティを高めるためにとても重要です。各意匠図には、使用する素材や仕上がり寸法・取り付け方法・取り付けのための下地補強・配線の有無・配線や配管の詳細などが記載されています。
意匠図はそれぞれの詳細を確認する図面です。意匠図で詳細を確認しながら、平面詳細図で全体を確認し、相互の関係をよく見ておきましょう。家具の扉を開くときに照明にあたらないか、タイル仕上げをする範囲はどこまでか、見切り材などは必要ないかなど、意匠の仕上げ工事に入る前に下地や仕上がり寸法、必要な部材や配線などの手配をし、事前に必要な工事は完了させておくようにしましょう。

設備図の確認事項と注意点

設備図には、電気・水道・ガス・空調・換気・消防・エレベーターなどの図面があります。設備図では、平面詳細図と照らし合わせ、取り付けする寸法や施工する寸法は確保されているか、設備を搬入する経路はあるか、作業できる空間はあるか、作業手順の検討、点検口の必要性有無などを確認しましょう。また、設備を取り付けるための下地や取り付け方法・電源の有無と位置の確認も忘れずに行っておきましょう。
パイプスペースやダクトスペースなどの必要がある設備は、構造図面とも照らし合わせ、必要な空間が確保できているか事前に確認しておきましょう。
現場施工中に設備の変更や配管の経路の変更が生じるケースがあります。この場合、設計者の確認をせずに変更はできません。特に給水設備・空調設備・換気・消防設備は、建築基準法や消防法・水道法などにより申請許可を取っているため、許可を取っている設備を使用しなければなりません。性能が同じでも、製品を別のものに取り替えることで許可申請の変更や取り直しをしなければなりません。設備類の仕様変更は注意が必要です。

図面相互の整合性

それぞれの図面には、決まって書かれている内容があります。天井高さは、仕上げ表・平面詳細図・展開図・家具図・矩計図などに記載されています。これらの寸法はどの図面も同じ寸法でなければいけません。
しかし、まれに図面相互に不整合があり、数値が違うことがあります。どの図面の数値が正しいか「図面の優先順位」で判断できることもあれば、設計者に確認を取らなければならないケースもあります。
天井高さの場合、天井高さを使い換気や排煙計算をしているので、どの数値で計算されているか確認が必要です。また、天井埋め込みの空調設備や換気扇がある場合、設置可能な寸法が確保できているかなども確認しなくてはなりません。
内装仕上げの場合は、建築基準法の内装制限やデザイン・細部の納まりに問題がないか確認が必要です。
図面相互の不整合があった場合は、関係図面の記載を全て確認し、設計者に対応方法の承認を取るようにしましょう。その際、施工上で問題があるケース(設備を取付ける寸法が足りない、仕上がりが悪くなるなど)は事前に報告をし、対応を確認しておきましょう。

設計者への確認及び質問

施工図に不明な点・確認したい点などがあった場合、速やかに設計者に確認をしましょう。設計者に確認を行う場合は、口頭ではなく、文書(ファックスやメール)での確認を行い、必ず文書を送付した日付と回答期限を書いておきましょう。
文書を送付した日付を明記する理由は、長い工期の現場になると設計変更が煩雑になるケースがあります。変更がいつのものなのか、後々重要になることがあります。日付の記入を確認してから保管しておくようにしましょう。
また、納期回答期限が遅くなると、現場の他の場所の工事が進み、施工が難しくなったり、工期遅延の原因になったりする場合があります。工事をスムーズに進め、責任もって管理するために、設計者への確認や質問には回答期限を設けるようにしましょう。

施工図の確認不足から起きるトラブル事例と対処方法

施工図の確認不足から起きるトラブル事例と対処方法


現場で起こるトラブルの中で、施工図の確認不足や理解不足から起きるものは気を付けていれば事前に防ぐことができます。トラブルの事例と対処方法を知って、スムーズな現場管理ができる現場監督を目指しましょう。

KLBMと平均地盤の数値の確認不足、理解不足により起こるトラブル:配置図と基礎図

現場で高さ確認をしている時に、「柱状改良の頭ヅラの計算とGL高さが合わない」、「ポーチの高さが予定より高くなった」、「駐車場と道路の高低差が予定より高くなった」、「深基礎のベースが予定地盤に届かない」などのトラブルが起こるケースがあります。
これは、「設計GLの基準の確認」、「平均地盤の算定の理解不足」、「KLBN=仮ベンチマークの設定が違う」などが原因となり起こります。
施工図には、「設計GL」の記載があります。設計GLとは、設計をする上で決めた地面の高さのことで、これを基準として各図面の高さが表記されています。
実際の建築現場の地面は平ではありません。また、敷地全体の高低差が大きい現場もあり、その場合は敷地内で平均地盤算定を行い、図面には各場所の高さを表記しているケースもあります。
実際の建築現場では、施工図の「設計GL」と「平均地盤算定値」から、現場の「設計GL=0」の場所の確認を行います。この作業により建物の高さが決定します。設計GL=0の高さが決定すると、「KLBM =仮ベンチマーク」を決めて、高さを測量する際の水準点を現場に設定します。工事中はこのKLBMを基準としてすべての高さを出します。
KLBMを決める時に、「平均地盤算定を見逃す」、「KLBMの設定を間違える」、「職人がKLBMの位置を間違えた」、「設計GLと相違があった」などが起こること、施工のトラブルに発展します。
現場は決して平ではありません。現場でKLBMを決める時には、「設計GLを決めた時の目標物の確認」、「KLBMはわかりやすい物(桝や道路縁石、ブロックなど)に設定する」、「不明瞭な場合は、設計者本人に直接確認する」、「地盤調査書の基準点との相違の確認」、「工事を行う時には、KLBMの確認を行いながら高さ確認を行う」などを実施し、必要ならば設計者の現場確認を行うと、トラブルを防ぐことができます。

デザインのために行う工事の時に起こるトラブル:平面詳細図と意匠図

家具取り付け・建具吊り込み・内装などの仕上げ工事を行う段階になって、「現場建具枠と建具寸法が違った」、「家具が大きくて現場で取り付けできなかった」、「取り付けに必要な補強がなく、下地工事をやり直した」、「タイルの割付がデザイン通りにできなかった」、などのトラブルが起きるケースがあります。
このようなトラブルは、平面詳細図に家具や木製建具などの寸法の書き込みがなく、平面詳細図全体の確認や現場確認が不十分なために起こります。
各部分の施工詳細は、平面詳細図には細かく記載されていないことがほとんどです。各部分のデザインの詳細(仕上がり寸法・仕上げ材・下地の位置など)は、意匠図を元に現場確認を行い施工します。
意匠図で詳細を確認しながら、平面詳細図で全体を確認し、相互の関係を見ておくことでこれらのトラブルを防ぐことができます。

軒の出寸法で起こるトラブル:立面図と矩計図

外部工事も終盤となり樋工事をおこなったら、「樋部分が越境した」、「立面図の軒の出寸法をオーバーしてしまった」というトラブルが起こるケースがあります。
軒の出の寸法は、建物の外壁基準線から軒樋の先端までです。立面図には軒樋の表現がない図面があり、軒の出の寸法に樋を入れないで施工してしまいこのようなトラブルが起こります。
軒の出の寸法は、道路斜線の検討や彩光有効面積の計算に使われているため、建築法規上重要な寸法です。
軒の出の寸法は、軒の使用材料・仕上げが書かれている矩計図で詳細を確認し、「樋を含めた寸法」「越境をしない」ことを確認し、構造図の垂木の寸法や屋根下地の寸法を決めることでトラブルを防ぐことができます。

梁伏図と設備図の配管経路で起こるトラブル:梁伏図と設備図・平面詳細図

天井の下地や各配管工事を行う工程で、「平面詳細図に記載されている天井高さを下げないと、配管スペースを確保できない」、「梁を貫通させて配管するために再度構造計算をやり直すことになった」、「設備のサイズを変更しないと設置できない」などのトラブルが起こるケースがあります。
トラブルが起こる原因は、構造図の梁伏図と設備図、設備配管図の照合不足、設備図と平面詳細図の確認不足等により起こります。
これらのトラブルは、設備寸法の確認を行い、梁伏図や平面詳細図で取り付けできる寸法が確保されているか、下地や配管経路、平面詳細図で周囲に影響がないかなど、施工前に確認を行うことで防ぐことができます。また、このようなトラブルは、途中で設備の変更を行った場合に起こりやすくなっています。設備の変更を安易に行わないことを現場関係者に周知・徹底し、トラブルが起こらないようにしましょう。

工事中の設計変更と法規の確認

施工図を変更し施工を行った結果、「バルコニーの面積を増減せずに形状を変更したら、建築確認申請の計画変更を行うことになり、工期が延びてしまった」、「耐力壁の位置を変更したら、中間検査を受け直すことになった」、「キッチンのIH機器をガス機器に変更したら、防煙壁が必要になり工事費用が追加になった」など、法規確認に影響するトラブルが起こるケースがあります。
工事中に設計変更を行う必要がある場合、建築確認申請やその他関連法規(消防法・都市計画法など)の再確認を行い、それに伴い現場検査に影響がないかなどの状況把握が必要です。また、設計変更に伴い、追加工事費用が発生しないか、工事が延期になることはないかなども確認し、変更を行って良いか、事前に判断しておくとトラブルを防ぐことができます。

まとめ: 施工図はポイントをおさえて正しく理解する


一つの建物を建てるためには、いろいろな施工図を見ながら、建物の構造や内装・設備・デザインを理解し、現場管理を行い、予定通りの工期で工事が完成するように進めなければなりません。
施工図を正しく理解するには、各施工図に書かれている内容のポイントと重要性を理解し、図面相互の関係性を把握することが重要です。その上で現場の状況が施工図通りに進行しているか、都度確認することで、質の高い、スムーズな現場管理を行なうことができます。

 


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施工図とは?

建築設計や施工を行っている会社では、会社の業務内容や個々の業務により、「図面」・「プラン図」・「施工図」・「ラフ図」・「詳細図」など必要とする図面が違います。
施工図は、建築のプランが決定した後、施工やデザインを含めた詳細の検討を行った後、「これで施工を行います」と決定した図面です。

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