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公開日時 2018.11.02
最終更新日時 2022.04.06

村や町が沈むダム決壊の恐怖「地震編」

日本は世界的に見て地震の多い国ですが、地震でダムが決壊したという例はそう多くありません。
しかし、最近は大きな地震が増えているので油断できません。
東日本大震災のときには、福島県にある藤沼ダムが決壊してしまいました。
今後また大きな地震が起きたときに、他のダムが決壊してしまうかもしれません。
ここでは、藤沼ダムについて見ていきましょう。

藤沼ダムはどんなダムなのか

農業用水を貯めていたアースダム

藤沼ダムは、福島県須賀川市にあるアースダムです。
主に農業用水を貯めるのに使用されていました。
決壊前の藤沼ダムが建設されたのは、昭和24年であるため、かなり古かったことが窺えます。
また、アースダムは、水道水などとして利用するための水を貯めるコンクリートダムと比べて、強度は弱いです。

どのようにして決壊したのか

東日本大震災で、藤沼ダムがある須賀川市では震度6強の揺れを観測しました。
かなり激しい揺れで約100秒も継続していたため、北東部の堤が崩れてしまい、貯まっていた水がそこからあふれ出たという具合です。
その水の量は150万トンにも及び、鉄砲水のようになりました。
下流の方には一般の住宅などもありましたが、その多くが被害を受けています。
流されてしまった家や全壊してしまった家は19戸、床上床下浸水の状態になった家は55戸です。
死亡者も7人出ており、沈んだ村はありませんでしたが、大きな被害をもたらしました。

現在では復旧している

藤沼ダムが決壊した後は、遊歩道が崩れ、湖底には水がない状態が続きました。
しかし、藤沼ダム近辺の地域は、戦前から水不足が深刻だった地域ということもあり、震災の翌年には藤沼ダムを復旧させようという話が持ち上がったのです。
そして、復旧工事は2013年10月に着手されました。
今後また同じような災害が起こることがないように、東日本大震災と同規模の地震が来ても、耐えられるような設計になっています。
中心遮水型フィルダムという、これまでよりも強度を重視した作りです。
そして、着工から約3年半経過した2017年4月に工事が完了しました。
現在では復旧して、震災前と同じように農業用水の給水が行われています。
周辺地域では稲作を行っている農家が多いですが、藤沼ダムが復旧したことで、農業用水が容易に確保できる環境に戻りました。

ダム建設に携わるなら決壊しないダム作りを心がけよう

ダムは水を貯めるためになくてはならないものですが、大地震でダムが決壊してしまうと、甚大な被害をもたらします。
しかし、技術が進歩した現代においては丈夫なダムを造ることが可能になりました。
今後ダム建設に携わる機会があれば、災害で周囲の家が沈むことがないように、しっかりと施工管理を行いましょう。

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