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アルミ建具防火設備の個別認定!何が変わった?

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公開日時 2023.02.13 最終更新日時 2023.02.13

建築計画において延焼ライン等にかかる建具等は防火設備にする必要性が生じてきます。防火設備は、火災等に対して耐えうる能力を持っているもので、外部からの延焼防止という観点では有効な働きをするものです。
平成31年3月31日をもって、一般社団法人カーテンウオール・防火開口部協会は、国土交通大臣認定の通則的運用を廃止するとの発表を行い、今まで使われてきた運用を廃止の運びとなりました。
この運用廃止が実務においてどのような影響をもたらしているのか、防火設備の規定に触れながら紹介をしていきたいと思います。

アルミ建具防火設備規定


建具の種類としては、木製、樹脂製、アルミ製、鋼製、ステンレス製など様々な材質によって構成されていますが、アルミ製・鋼製・ステンレス製には防火設備に適合した商品が存在しています。
まずは、建築基準法において防火設備がどのように規定されているのかを確認しておきましょう。

建築基準法
第二条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一~九 (略)
九の二 耐火建築物 次に掲げる基準に適合する建築物をいう。
イ (略)
ロ その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を有すること。
(出典:建築基準法第二条九の二のロ

この法文の中で、防火設備であると定義される為に規定されているのが「国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの」又は「国土交通大臣の認定を受けたもの」である事です。
前者の「国土交通大臣が定めた構造方法用いるもの」は通称「例示仕様」と呼ばれ、告示によって防火設備に必要とされる要件を定めた構造方法を用いるものです。対して、「国土交通大臣の認定受けたもの」とは、国土交通大臣が各製品等に対して実験等で得られた防火性能が満足され、防火設備相当であると認めたものを言います。

防火設備である為には、「例示仕様」であるか「国土交通大臣認定品」である必要がある事がわかっていただけたかと思います。重要な事としてアルミ建具製品については「例示仕様」による製品は存在しないという事があげられます。「例示仕様」における法文を読んでいただければわかるかと思いますが、アルミ製については言及をされていないからです。

≪防火設備の構造方法を定める件≫
平成12年5月24日建設省告示第1360号建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第九号の二ロの規定に基づき、防火設備の構造方法を次のように定める。
第1 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第109条の2に定める技術的基準に適合する防火設備の構造方法は、次に定めるものとする。
一  建築基準法施行令第114条第5項において準用する建築基準法施行令第112条第16項に規定する構造とすること。
二  次のイからホまでのいずれかに該当する構造とすること。
イ 鉄製で鉄板の厚さが0.8mm以上1.5mm未満のもの
ロ 鉄骨コンクリート製又は鉄筋コンクリート製で厚さが3.5cm未満のもの
ハ 土蔵造の戸で厚さが15cm未満のもの
ニ 鉄及び網入ガラスで造られたもの
ホ 骨組を防火塗料を塗布した木材製とし、屋内面に厚さが1.2cm以上の木毛セメント板又は厚さが0.9cm以上のせっこうボードを張り、屋外面に亜鉛鉄板を張ったもの
三 前号イ又はニに該当するものは、周囲の部分(防火戸から内側に15cm以内の間に設けられた建具がある場合においては、その建具を含む。)が不燃材料で造られた開口部に取り付けなければならない。
四 開口面積が0.5m2以内の開口部に設ける戸で、防火塗料を塗布した木材及び網入りガラスで造られたもの
第2 第1に定めるもののほか、防火戸が枠又は他の防火設備と接する部分は、相じゃくりとし、又は定規縁若しくは戸当りを設ける等閉鎖した際にすき間が生じない構造とし、かつ、防火設備の取付金物は、取付部分が閉鎖した際に露出しないように取り付けなければならない。
(出典:国土交通省告示第二五六号

つまり、アルミ建具において防火設備である為には「国土交通大臣認定品」である必要があるという事です。

通則認定は廃止。個別認定に一本化。


アルミ建具による防火設備が「国土交通大臣認定品」でなければいけない事がわかっていただけたかと思いますが、平成12年の建築基準法の改正により防火設備が性能規定化された事により、一般社団法人カーテンウオール・防火開口部協会は会員からなる全てのサッシメーカーが共通的に利用できるように各社連名で「国土交通大臣認定」を取得しました。これが「通則認定」と呼ばれるものですが、平成12年より近年まで各サッシメーカーはこの通則認定に従った防火設備製品として販売をしていました。しかし、平成22年から平成23年にかけて、認定とは違った仕様で販売されていた事象が起こり、社会的な問題となりました。これを受けて、「通則認定」ではなく、各サッシメーカーが個別に認定をとる方法に切り替えをする事になり、平成31年3月31日に「通則認定」は廃止となり、「個別認定」に一本化される事になりました。

現場での注意点

現場での注意点


今現在は、通則認定が廃止されてから全面個別認定へ変換する過渡期と言えるでしょ。ここでは、現場での注意点を見ていきましょう。

① 平成31年3月31日までの契約は、通則認定品が使用可能
通則認定が廃止になったからと言って、通則認定に適合していた建具が無くなる訳ではありません。平成31年3月31日までに契約を結んでいれば、4月1日以降の工事でも、防火設備認定品として取り扱うことができます。認定が変わったからといって慌てる前に、現在担当している工事現場の契約締結がいつであるのかを確認しておきましょう。

② 4月以降の契約で通則認定の製品が指定されていないか
通則認定は廃止になりましたが、その廃止が設計図書にしっかり繁栄されているとは限りません。特に3月31日以前に書かれたものだが、工事着工は4月1日以降であるというような案件には注意が必要です。また、建築確認行為に該当する工事であれば、建築主事が確認しているところもあるので、そのような事態にはなりにくいと考えられますが、改修工事などにおいて建築確認行為を必要としない工事であれば、見落とされている可能性も十分に考えられます。

③ 認定がとれていない形状になっていないか
今までは、通則認定によって対応できていた建具形状も、個別認定では対応できないものもあります。思い込みの中で設計されたまま、現実的には作れないサッシ形状であったということも考えられます。本来は設計段階でしっかり固める事が出来れば良いですが、調整が仕切れないまま着工を迎えてしまうこともあるでしょう。
認定がとれない形状ですと、最悪は鋼製建具等への変更を余儀なくされるかもしれません。設計段階での決定事項を変えるのは大変なことです。問題が発見された場合には、ただちに報告をするようにしましょう。

④ アルミ防火建具は早い確認で問題解決
問題が起きた場合は直ちに解決するのが鉄則です。しかも、建具は躯体工事が終わると直ちに取付られ、そのあとの工程に大きな影響を与えかねないので序盤の段階での調整が必要となります。過渡期である今は特に問題も起きやすい状況であるかと思いますので、しっかりと設計図をみて、早期解決に尽力をしましょう。

最後に


建築工事は作る建物は千差万別ですが、作業順序等は一連の流れにそって進めていくものです。経験に沿って進めている要素も強く、このように新しい改定があると現場は混乱を招くものです。
建築物をつくる事は他の製造物とは違い試作品をつくるような事はできないので、限られた時間の中で適切な回答を導き出さなければなりません。
状況を的確に把握していれば、この現場にとってどの方策をとる事が有益であるのかは導き出す事ができると思います。
この記事を参考にしていただき実務に役立てていただければと思います。

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